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<発達障害グレーゾーン>子どもと祖父母の間でトラブルが起きたことはある?一番多いのは何歳から?

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株式会社パステルコミュニケーションは先日、子育て中の母親と子どもにとっての祖父母との関係に関する調査を実施しました。同社によると、発達障害グレーゾーンのママからの祖父母との関係に関する悩み相談は少なくないそうです。その問題を解決するため、発達障害グレーゾーンの子育てをするママが実際にどのような困りごとを抱えているのかアンケート調査を実施したとのこと。今回はその調査結果を見ていきましょう。

祖父母とわが子の接触頻度が高いと困りごとが増える?困りごとがあるから接触しない?

調査ではまず、同居か別居かについて聞いています。今回の調査では85%が「同居していない」と回答。一方で同居はしていなくても、子育てのサポートや用事などで顔を合わせる頻度は高いこともわかりました。今回の調査では32.7%が、毎週必ず祖父母と接触していることがわかりました。月に数回という人は29%、年に数回が35.5%という結果になり、物理的に祖父母宅から離れているご家庭も少なくないことがうかがえます。

また「祖父母とお子さんの関係で困りごとを抱えていますか」という質問では、65.4%が「ある」と回答しました。過去に困りごとはあったが現在は解消した人も含めると、実に全体の76.6%が祖父母と困りごとを持った経験があることになります。

次に祖父母と子どもが接触する頻度別に困りごとがある割合を見てみます。祖父母と子どもが接触する頻度がほぼ毎日だと「過去に困りごとがあった」人は5.25%、「困りごとがある」人は89.5%となりました。さらにはほとんど接触がない人も66.7%が「困りごとがある」と回答。困りごとがあるためにほとんど接触を取らないようにしている可能性も見えてきます。接触頻度と困りごとの相関関係は無視できないのではないでしょうか。

「普通の子と何も変わりない」「母親の愛情不足でしょ」

次に子どもが何歳のときから祖父母と子どもの関係に困りごとが出てきたかを聞きました。すると5歳からが一番多く15.5%、次に1歳からが12.1%、10歳からが10.4%と続きます。小学校に入学する6歳では6.9%となったので、小学校1年生までに、約半数となる49.9%が祖父母とお子さんの関係の困りごとを持ち始めていることが判明。

10歳は学習面の難易度が上がり、発達障害やグレーゾーンの子どもが自信を失いやすい時期と言われています。親でさえも子どもとの対応の仕方を試行錯誤する時期のため、祖父母との関係にも困りごとが現れているのでしょう。また5歳はASDやADHDの特性がはっきりとしてくることが多く、ママと祖父母の間の認識のズレが生じたり祖父母が不適切なしつけをしたりといった現象が起きていることが予想されます。

具体的な困りごとを聞いてみると、「子どもの特性を理解しない」(49.4%)、「子どもを否定する」(43.2%)、「母親の育児・しつけが悪いと言う」(30.9%)、「子どもへの要求が高すぎる」(28.4%)などの回答がありました。具体的には以下のようなエピソードが寄せられています。

『発達障害の特性で本人が困っていると伝えても「へぇ、でも私の頃なんてそんな子たくさんいたけどね」と言われる』

『難しい子育てに日々奮闘しているところに、「普通の子と何も変わりない」「母親の愛情不足」と祖父母に言われてしまうと、現状を否定されたような感じがしてとても辛い』

『思い通りに行かないと癇癪を起こしたり大声を出したりする息子に対して、「うるさい」と大声を出したり物に当たったりする』

『実家に遊びに行って子どもがふざけたり、癇癪を起こしたり偏食をしていたりする姿を見たときに「もっと厳しくしつけないといかん」「どういう育て方をしているんだ」と言われることがある』

ママが子どものことを考えて一生懸命子育てをしていても、特性を理解してくれなかったりお子さんに厳しく接したりしてしまうことがある祖父母。それによって余計にお子さんの癇癪がひどくなったり、孫と祖父母やママと祖父母の関係性にヒビが入ったりしている現状がわかります。

特性について説明すること、祖父母がしてくれたことを母親が肯定することが大事かも

最後に祖父母と子どもとの関係に困っているママが、困りごとを解決するために具体的に取り組んでいることを聞きました。すると「祖父母に子どもの特性を説明し、子どもの特性にあった対応をするようにお願いする」が69.6%でトップに。次に「祖父母ができていることを母親が肯定する・感謝する」(26.1%)、「父親から祖父母に子どもの特性と、子どもの特性にあった対応を説明してもらう」(13%)と続きます。

祖父母との関係を良好にするために、お世話になったときや母の日、父の日にプレゼントを贈っているママもいます。また1ヶ月に一度は実家に帰って顔を見せたり、「実家からもらう果物を子どもがよく食べた」など、ポジティブなフィードバックを返したりしているという声も。また子どもの特性について、ママから話すと角が立ってしまいがちな父方の祖父母には、息子であるパパから話してもらうなどスムーズなコミュニケーションを心がけている努力も垣間見えました。

発達障害という言葉が広く知れ渡り、療育やサポート体制など早期の支援も増えてきました。一方で一番理解して寄り添ってほしい身内がお子さんの特性に無理解だと、育てているママはより孤独や苦悩を抱えることになるかもしれません。祖父母との関係をスムーズにするためには、普段から感謝や肯定の言葉を意識的に伝えることが一つのポイントになりそうです。ただなかなかそれだけでは改善が難しい場合も多く、ときには少し距離を置いて、接触頻度を減らすことも一つかもしれません。今まさに発達障害のお子さんの子育てや祖父母との関係性に悩んでいる人は、今回の調査結果を参考にしてみてくださいね。

文・AKI  編集・有村実歩 イラスト・んぎまむ

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