<小学生がセクハラ!?>実習での恐怖!教師になりたかったけど……【第5話まんが:大学生の気持ち】
前回からの続き。最近のお話です。私(サヤカ)は21歳の大学生です。両親がともに小学校の先生だったので、幼い頃から教職への憧れが強くありました。念願かなって教育学部に合格したときは両親もとても喜んでくれました。子どもたちと過ごす毎日を想像し、大学生活を頑張ろう! そう自分に誓ったのです。
私は入学時からいくつかの小学校で教育支援ボランティアをしてきました。子どもたちは素直でかわいらしく、いつも「せんせい、せんせい」と言って慕ってくれます。絶対に小学校の先生になりたいという気持ちをいっそう強くして、教育実習にのぞみましたが……。
私が実習に入ったのは6年生のクラスでした。私が子どもの頃と比べるとずいぶんと大人びたイメージで、特に男の子は体格も大きく中学生かと思うほどです。なかでもリーダー格のヤマトくんが私に積極的に話しかけてくるのですが、たびたび卑猥な言葉があって困惑するようになりました。
「まだ子どもだし」と私は対処に迷っていました。真剣に怒ろうかと思いましたが、どう言えばいいのか判断がうまくできません。せっかくの実習の機会なのに、大きな問題になっても困ります。お付き合いしている彼に相談すると「担当の教授に相談した方がいいよ」と言ってくれましたが、「評価に関わったら」と思うとためらってしまいました。しかし……。
そのうち毎日のようにプライベートな質問をされて気持ちが疲れてしまいます。思い描いていた教育実習とぜんぜん違う……。ヤマトくんの質問はどんどんしつこく、内容も過激になっていきました。
心が恐怖でいっぱいになり、息ができないかと思うほどの苦しさを感じました。そのタイミングで教室に入ってきた担任の先生が気づいてくれ、ついに問題は発覚します。私は体調を崩してしばらく大学を休むことになりました。小学校から大学側へは事情説明がなされたようです。
ヤマトくんからは直接謝罪したい、それがムリならせめて謝罪の手紙を渡したいと申し出があったそうです。しかし私は二度とヤマトくんの顔を見たくありませんでした。両親の前で、私は思わず「学校の先生になるのはやめようかな」と弱音を吐いてしまいます。
両親は「小学校の先生になれば、それこそさまざまな児童と向き合うことになると思う。サヤカ自身で決めなさい」と言ってくれました。
しばらくして、近所に住む小学4年生のマキちゃんが手紙を持ってきてくれました。先日マキちゃんの小学校の文化祭へボランティアに入ったとき、私はマキちゃんたちと一緒に活動しました。
そこには「サヤカせんせいへ」と私への感謝や励ますようなメッセージがたくさん書かれていました。
弱っていた私にはとても沁みる言葉ばかりで、涙がとまりません。いろんな子どもがいると頭ではわかっています。マキちゃんたちのように可愛らしく慕ってくれる子ばかりではないのです。でも実際に荒れている子を目の当たりにし、自分が被害にあってみると……こんなにも動揺してしまうとは思いませんでした。
正直なところ、あのときの恐怖を思い出すと今すぐ教育実習に戻れるとは思えません。でもやっぱり私は子どもが好きだし、その成長に寄り添える教職に就きたい。マキちゃんたちからの手紙を見るたび、その気持ちを再認識しています。しばらく休んだ後に、もう一度じっくり考えてみようと思います。
原案・編集部 脚本・rollingdell 作画・うーにゃ 編集・井伊テレ子