<優しい義母のウラの顔>母に冷たい妻「もう最期なのに」愛想が尽きた俺【第9話まんが:夫の気持ち】
前回からの続き。数年前の話です。俺(タクヤ)は妻のシノと息子のケント、娘のルミとの4人家族。結婚して間もなく、妻のシノが母さんのことを嫌がるようになってしまった。母さんの失敗に悪気はないのに、シノは毎回ひどく怒る。その間に入るのはとても気疲れすることでもあった。すれ違いは続き、とうとうシノは子どもたちを連れて家を出ていってしまった。そんなとき母さんの余命がわずかということが分かり、シノと子どもたちに病室に来てもらった。けれどシノは母さんからの謝罪を無視したらしい。俺は心底ガッカリしてしまったのだった。
母さんは本当に優しい人だった。長年勤めた職場ではいろいろな人たちから慕われていた。忙しいはずの毎日なのに俺たちきょうだいにも抱えきれないほどの愛情を注いでくれた。幼い頃は気が付かなかったけれど、成長すればするほど「親」という存在がどれだけ偉大だったかということを実感する日々だった。
たび重なる母さんのミスが、ことごとくシノを傷つけてしまい、離婚まで言い渡されてしまった。シノにとって不運なことが続いただけで、母さんはわざとシノを傷つけようとしたわけじゃないのに……。
俺が病室の外で子どもたちと待っていると、シノが出てきた。帰るというシノに子どもを渡して病室に戻ると、姉や妹は怒りに震えていた。「シノさん……酷い……」「お兄ちゃん、なんであんな最低な人と結婚したの? お母さんの最後の願いを無視したんだよ!!!」でも優しい母さんはシノをかばう。「私は……いいのよ……。仕方ないわよ……。みんなシノさんを責めないであげて……」俺は怒りが頂点に達し、慌ててシノを追いかけた。
そのとき、母さんに会いに病院へきた親戚のおばさんが通りかかった。言い争いをしている俺たちに驚いて、慌てて止めに入ってきたのだ。
「もうすぐ死ぬ人を前に、お前……なんなんだよ。悲しみもしないし、許しもしない。お前、おかしいよ!」「……私だって……人が亡くなるときは悲しみたいし、一緒に最期の別れを惜しみたかった! でも、それができなくなったのは誰のせい? お義母さんのせいでしょ!!」
俺はずっと「シノは母さんのことを誤解している」と思っていた。すれ違ったり、うまくいかなかったりすることもあるだろう。だからお互いに歩み寄らないと何も解決しないのに、シノはただ怒るだけで、まったく聞く耳を持たなかった。俺はそんなシノでも、なんとかうまくやっていきたいと思って、修復の道を考えていたのに……。今回の出来事は俺にとっては衝撃的だった。死に際の申し出を無視するなんて……。やっぱりおかしいのは母さんじゃなくてシノの方だったんだということが分かって、良かったのかもしれない。母さんは自分の人生をかけて俺にこのことを教えてくれようとしてくれたんだと思うと、また涙が出てきてしまうのだった。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・りますけ 編集・井伊テレ子