<思春期のキモチ>【前編】中2の娘に「お母さんといると息苦しい」と言われた。とてもショックです
お母さんがなんでも子どものお世話を焼いてあげて、事前に注意もしてあげて……そんな暮らしが“当たり前”となってきたころに子どもは自立しはじめます。「早く1人でなんでもできてくれたらいいのにな」なんて思ってはいても、急な子どもの変化には戸惑うお母さんも少なくないのではないでしょうか。
『中2娘から「お母さんといるのは息苦しい。私が私でいられなくなる」と言われた。
「お母さんが見ているのは私じゃない。お母さんが理想化した子どもを見ているだけ。だから、本当の私のことを何も分かってないし、お母さんには話せる気がしない。だから、いつも私はお母さんに気を使って、嘘の自分でいなきゃならない」
そう言われて、私はどうすればいいの? いつも娘のことを考えているのに』
もしかしたら相談者さんは娘さんにあれやこれやと世話を焼いたり、先に注意をして危険を回避したりしていたのではないでしょうか。それはきっとすべて娘さんを思ってのこと。しかし、娘さんからしてみれば“大きなお世話”だったようです。
喋らなくなる子もいる。気持ちを言語化できる子でよかったのでは
相談者さんはとてもショックを受けている様子ですが、娘さんに言われたことをそこまで悲観する必要はありません。考え方を変えてみてはいかがでしょうか?
『気持ちを言語化できる子で助かったじゃん。これができなくて思春期に荒れまくったり、何も喋らなくなる子の多いこと』
娘さんが勇気を出して口にだしてくれたことで、相談者さんはこれからどのように娘さんに接すればいいのかヒントをもらえたのではないでしょうか。文章から察するに、娘さんはお母さんの「ああしななさい、こうしなさい」という口出しに嫌気がさしているように感じられます。たとえば「勉強しなさい」は子どもの将来のため。相談者さんも今はそれがわかっても、子どものころはただただ「うるさいな」と思うばかりだったのではないでしょうか。親はなるべく危険を回避し、安全かつスムーズに人生を歩ませてあげたいと思うもの。しかしお子さんは、失敗も含めて自分で好きなように学びたいと思っていたのかもしれませんね。
では、これから相談者さんはどのように娘さんに接すればいいのでしょうか。
お子さんをひとりの人間として見て
お子さんをひとりの人間として見てみることから始めてみてはどうでしょう、との意見がありました。たとえば、職場の上司にアドバイスも求めていないのにアドバイスされたらどうでしょうか?
自分のやり方で挑戦してみたいのに、「そんなの危ない、こうしたほうがいい」と上司のやり方を押し付けられたらどう思うのでしょう。きっと「うざったい」と距離を置きたくなるはずですよね。娘さんもいま、そのような心境なのかもしれません。
『娘を大人だと思ったら? 自分の子どもだと思うと、全部知りたいとかやってあげなきゃとか思うから構いすぎるんじゃない? よその大人だと思ったら、仲良くしたいなーって思っても、必要以上に近づいたら嫌われるからいい距離感を探るよね。求められたときだけ、アドバイスしたり母の考えを一つの案として話したりするといいかも』
『もう娘に構わないこと。娘がしたいことを優先して口出ししないこと』
尊敬できる人は、助けを求めたときに助けてくれる人だと筆者は思います。
相談者さんは常に娘さんのことを考えているとのことなので、いきなり変えるのは難しいのかもしれません。しかし趣味や没頭できる何かを作ることで自然と娘さんにこだわる時間を減らしていけたら、関係もまた変わるのではないでしょうか?
『いつも娘のことを考えているのを半分以下にしてみるのはどうだろう。その分自分の仕事や趣味に没頭する』
「私は娘のためを思って言っているのに!」という気持ちはエゴにもなりえます。娘さんがこうしたいと言っている理由を理解してあげるのも大切なことですよね。本当に娘さんのことを思っているのなら、娘さんの意見も尊重して、そのうえでダメなものだけ諭してあげた方が“今の”娘さんのためになるはずですよ。
文・物江窓香 編集・古川純奈 イラスト・Ponko