【QuizKnockふくらP&山本祥彰・第3回】「好き」を深めるためにやったこと、親がやれること
前回からの続き。
東大クイズ王・伊沢拓司さんが中心となって運営されている「QuizKnock(クイズノック)」で活躍するメンバーのふくらPさんと山本祥彰さん。クイズを出題する側としてもご活躍されていて、さまざまな知識をお持ちです。
そんなお二人でも、「小学校のときにやっておけばよかった」と感じる事柄もあるのだとか。いったいどのようなことなのでしょうか? お二人の親御さんが行っていたサポートも必見です。
親は興味があることは何でも挑戦させてくれた
──親御さんからしてもらったことで、記憶に残っていることはありますか?
山本祥彰さん(以下、山本さん):小学4年生のとき、クリスマスプレゼントをもらいました。でもおもちゃを頼んだはずなのに、なぜかクロスワードパズルの本が2冊も届いたんです。当時確かにクロスワードパズルにハマっていましたが、まさかクリスマスプレゼントとして届くとは思っていなくて、驚きました。今思うと両親は、一般的なおもちゃよりもハマっているものをプレゼントしたほうが喜ぶと、僕の気持ちに寄り添おうとしてくれたのかもしれません。
──今でこそ大人の視点で考えられますが、当時はつらかったでしょうね(笑)。興味があることといえば、習い事についてはいかがでしたか?
山本さん:僕が興味を持ったことは何でもやらせてくれていました。ピアノを少しやって、飽きたら次の習い事に変えるなど、僕の興味に合わせて柔軟にサポートしてくれていましたね。
自宅で親と一緒に早押しクイズ大会
──素敵ですね。ちなみに、家でクイズの勉強や練習などはどうやって行っていたのでしょうか。
ふくらPさん:僕は、クイズの勉強はテレビなどを見てやっていました。早押しクイズの場合は、クイズ番組を録画して、わかったところで一時停止していました。テレビだと視聴者はテロップで問題が読めますが、クイズに答える人にはテロップが表示されないんです。そのため目を閉じて問題を読み上げる声に集中していました。
山本さん:大学生の頃の話になりますが、僕は家で早押しクイズの練習をしたくて、母親に問題を読んでもらったことがあります。早押しクイズの練習をする場合、自分が問題を読むと早押しにはならないから、問題を読んでくれる人が必要です。それで親に頼んで読んでもらい、わかったらボタンの代わりに親の肩をたたくという練習をしていました。ただ問題数が多すぎるから、全部は付き合ってもらえなかったんですけど(笑)。
クイズと学校の勉強、実は似ている!?
──さてQuizKnockのメンバーになりたい子どもはたくさんいると思います。小学生時代にしておいたほうがいいことはなんですか?
ふくらPさん:僕はやっぱりテレビのクイズ番組を見るのが一番いいと思います。一週間いろんなクイズ番組を見ていると、「このクイズは別の番組でも出題されていたな」などと気づくことがあります。また、ちょっと難しい問題にチャレンジして、それが正解したときはすごくうれしくて、また別の問題に挑戦したくなってきます。
──成功すると、次に挑戦する気持ちが生まれるのは、なんでもそうですよね。
ふくらPさん:実は、このクイズを解く体験は、学校の試験勉強と似ています。クイズも試験も、出題範囲をよく読んで高得点を取るのは一緒です。クイズに挑戦することで、ここを予習すれば効率が良い、ここは予習してもあまり意味がないというように、学校の勉強をするコツもつかめると思います。僕自身、クイズ番組を見る習慣は、僕自身のキャリアにとっては重要だったなと、改めて思います。
疑問を持ち多方面から調べることで知識アップ
──山本さんは小学生のときにやっておいてよかったことはありますか?
山本さん:僕は「○○の100の疑問」というようなタイトルの本が大好きで、よく読んでいました。疑問と答えという形で掲載されていたので、「なぜ」という問い方の視点を学べると思ったんです。そもそも疑問は、なかなか浮かんでこないものですよね。でも、本を読んで問い方の種類を知ることにより、いろんな角度から物事を見られるようになりました。
自分自身の経験から言えば、疑問を持ち調べることで、知識や経験が増えると感じます。
小学校の頃にやっておけばよかったこと
──逆に、小学生の頃にこれをやっておけばよかったと思うことはありますか?
山本さん:図鑑をもっと読んでおけばよかったです。僕は動物や昆虫、植物は好きでしたが、自宅にある図鑑しか見なかったんです。図書館で借りるなどして、もっといろんな図鑑を見ていたら、知識の幅が広がったかもしれないと思います。
学校の勉強は、頑張ればテストで成績が上がるなど、結果がわかりやすいものです。それに対して図鑑は、筋トレのようにだんだん力を底上げしていくもの。即効性がないのもあって、次第に興味関心が図鑑から薄れていきました。あのときもっとたくさんの図鑑に触れていたら、今以上に立派なクイズ王になれていたかもしれません(笑)。
疑問と興味を持ち、調べて、考える癖をつけていこう!
──興味深いお話をありがとうございました。最後に、クイズ王を目指すお子さんに対してのメッセージをお願いします。
ふくらPさん:もし、クイズ王になりたいと思ったら、今日から見るクイズ番組を増やしてみてください。クイズを通して、好奇心を持ち続けて、疑問があればすぐに調べる。子どものうちから調べたり考えたりする癖をつけておくと、大人になってからもいろんなことに好奇心を持ち続けられます。
聞くこと、調べることはなぜか大人になるとだんだんできなくなっていくので、子どもたちには、好奇心を忘れずにいてほしいです。
山本さん:好きなことをとことんやることと、なるべく多くのことに触れること、この2つが大事かなと思います。まずは、好きなことを1個でも10個でもいいので極めようとしてみてください。1つのことを探求していくと、そこからどんどんいろんな知識や経験がついてきます。ただし、それ以外のことをやらなくなると視野が狭くなってしまうので、なるべく多くのことを少しずつ触れてみることも大事です。僕もクイズを始めてから知ったことがたくさんありましたが、小さいころに知っていれば、将来の選択肢が変わったかもしれません。自分が何に興味があるかわからなくても、まずは興味があるものを探すことから始めてみると楽しいと思います。
<編集後記>
QuizKnockのふくらPさんと山本祥彰さんのインタビューをお届けしました。お二人とも好奇心を持ち続け、親御さんもわが子の「好き」をよく理解してサポートされていたことがうかがえました。私たちも、子どもの好奇心を深められるように、親としてサポートしていきたいですね。
取材・編集部 文・長瀬由利子
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