<長男なのに無責任?>【前編】弟が「亡き父のお墓を作りたいならそちらでやって」と言う。なんで?
自身や身内が亡くなったら、みなさんはお墓に入る・入れることを考えていますか? 当たり前にお墓に入ることを選ぶ人もいれば、それ以外の選択にしようと考えている人もいることでしょう。しかしほかの親族と意見が異なることで、トラブルの原因となってしまう場合もあるようです。今回は、最近お父さんを亡くした方からお墓についての相談が寄せられています。
『先日、父が亡くなり四十九日までにとお墓を探しておりましたが、弟嫁が「お墓は子どもたちの負担になるからいらない」と言い出しました。親を亡くされた方、お墓はどうなさいましたか? 「どうしても欲しいのならそちらでやって」と言われました。父は長男でしたが、実家のお墓には定員オーバーのため入れません。ですから母が父をお墓に入れてあげたいとのことで、新たにお墓の購入を考えて見学にいきました。父、母、私、主人、弟夫婦が入れれば良いなと思い、弟夫婦は長男で男の子もいますので先々は弟に守ってもらいたいと思っていました。近くに購入する予定で、お墓を買う資金は全て母が負担します』
相談者さんは、「当然長男である弟夫婦が、先々はお墓の管理をしていく」と思っていたようですね。また、お墓の資金もお母さんが負担してくれると言っていたため、なおさら弟さん夫婦の「いらない」「そちらでやって」との発言が理解できなかったそうです。
お墓は買ったら終わりじゃない!管理が大変
お墓を立てるにあたり課題となるのは、お母さんが負担すると言っている購入費だけではありません。まず金銭的な問題で言えば、一定の管理費用がかかってくる場合もあります。もし遠方に住んでいれば、移動のための費用や時間の問題もあります。
『うちの実家のお墓は管理者に払う年会費がある。あと、お墓参りや清掃など手がかかる』
『墓までうちから片道3時間だよ……はぁしんどい。お墓を作らなくていいならその方がいいよ』
筆者の祖父も毎年、新幹線で遠方にある祖母のお墓参りへ行っていましたが、年をとってからは金銭的にも時間的にもストレスを感じていたようにみえました。そのうえ年を重ねたことで肉体的にも負担が大きくなり、「お墓参りに行かないといけない」「けれども体が思うように動かない」と義務と現実の板挟みになっているようでした。
『お子さんが将来負担と思えば、墓じまいをする。その代金まで含め準備して渡してあげてはどうですか』
また、いまはお母さんがお墓に関するすべての費用を支払ってくれたり、お墓参りなどをしてくれたりするので、子世代に負担はないのでしょう。しかしお母さんが亡くなったら、当然新たに継ぐ人がその責任を負うことになります。もし弟さんが継いだとしても、そのお子さんに継ぐ気がなければ墓じまいで新たに費用がかかるでしょうし、納骨先を探すことにもなります。後々負担になることを考えたからこそ、弟さん夫婦はお墓を拒否したのではないでしょうか。
“長男の義務”は古い話なのかもしれない
昔は当たり前のように耳にした “男だから”“女だから”という言葉。現代では性差別として受けとられることも少なくありません。そう考えると、同じように“嫁だから”“長男だから”と望んでもいない負担を押し付けるのも、差別のひとつなのかもしれません。
『墓のお金を相談者さんたちが出し、墓守代金をきっちり準備すれば、弟さん夫婦も納得しません? 弟のお子さんに墓守を丸投げしようとするから負担がられるんですよ』
お墓に入りたいのなら相談者さんたちが継ぐ、継ぐ気がないのなら自分たちで購入する、どうしても弟さん夫婦に継いでもらいたいのなら話し合いで折り合いのつく場所をさがす。方法はまだまだたくさんあります。「長男として無責任」という言葉だけでは、誰も納得してくれないのではないでしょうか。
文・物江窓香 編集・古川純奈 イラスト・Ponko
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