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「こども未来戦略方針」が実施されたらもうひとり産みたい?ママが望む少子化対策<ママのリアル調査>

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2023年6月、政府は少子化対策の一環として「こども未来戦略方針」を閣議決定しました。今後3年間は年間3兆円程度の予算を確保し「加速化プラン」として集中的に取り組むとしています。そこで今回ママスタセレクトでは「”こども未来戦略方針”が実施されたら、もうひとり子どもを産みたいと思いますか?」というアンケートを実施。回答に「産みたいと思う」「産みたいとは思えない」「どちらともいえない」の選択肢を設定したところ、3,100人を超えるママたちの声が集まりました。

「もうひとり産みたい!」は2割弱

「産みたいと思う」と答えた人は569人、全体の17.9%のママたちです。

『不妊治療中。可能性があればもうひとり産みたい』

『子ども3人。ひとり増えるごとに大変さも楽しさも倍です。人手と経済力があれば産みたい』

『大変だけど、育児は楽しいから』

「もともと考えていたので、少しでも負担が減るならば是非ほしい」という声もあります。人的、経済的な支援が受けられるのであれば、また子どもを授かりたいと考えているママは少なからずいるようです。とはいえ、今回のアンケートでは全体の2割弱。あくまでも少数派といえそうです。

「支援があっても産みたいとは思えない」その理由は?

「産みたいとは思えない」と答えた人は50.7%と半数を超えました。政府の考えと実際に子育てをするママ・パパたちの気持ちには少なからず隔たりがあるようです。では具体的にどのような理由から「産みたいと思えない」と考えるのでしょうか。

世帯収入が不安定だから

『国がいくら補助してくれても、世帯収入が低いので産んでも育てられない』

『自分たちの給料があがらないと、やっていけないから』

今の生活でさえ不安を感じるママ・パパたちにとっては、子どもをもうひとり産み育てるのはハードルが高いと感じるようです。多少の補助があっても、そもそもの世帯収入が低い、生活水準があがらない生活では難しいと感じるのも無理はないのかもしれません。

学費への不安は大きい

『1番のネックは教育費。高校・大学や留学など子どもの背中を押してあげられるのか不安』

『すべての大学を無料にしてくれないと無理』

もっとも多く寄せられたのが、学費を含めた教育費への不安の声です。なかでもママたちが頭を悩ませているのは大学費用の問題。「せめて国公立大学の学費は無料にしてほしい」とのコメントも少なくありませんでした。

子どもを取り巻く社会への不安

『消費税や物価、年金額と先々の不安しかないので無理』

『子どもを受け入れる社会になっていない。泣いたら舌打ちされ、ベビーカーでバス・電車に乗りづらいようでは……』

子どもがのびのびと育つ環境にないと感じている子育て世代が多いのかもしれません。さらには公共交通機関でのベビーカー問題など、周りに遠慮しながら子育てをしてきたママたち。「もうひとり育てたい」と思えないのも正直な気持ちといえそうです。

「どちらともいえない」と答えるその理由は?

「どちらともいえない」と答えたママは1,001人、31.4%いました。その理由は大きくわけて2つあるようです。

働く環境が整っていないから

『病児保育や放課後の児童クラブも地域格差が大きい』

『出産育児からの社会復帰、キャリアを取り戻すのは大変すぎる』

『子どもが熱を出して仕事の休みの連絡をすると「他の人に頼めないの?」と言われるから』

女性が産後に社会復帰することを考えると、子どもを安心して預けられる場所や環境を整えていくのは急務なのではないでしょうか。

ママ自身のメンタルの不安も

『子どもの人数が増えると、心の負担も増えそうだから育てる自信がない』

『旦那の育休が取れないため子育て中の自分の精神がもたない』

育児書通りにはいかないことの多い子育て。わが子の成長にともない、悩みや迷いが増えるといっても過言ではないかもしれません。そんなママたちの精神面をサポートしてくれる人や機関が増えることも必要なのではないでしょうか。

国の施策や動向にシビアなママたち

「子どもをもうひとり産みたい」と思うためには、「経済的な支援」と同時に「子育てを取り巻く環境の変化」が必要だと多くのママが答えました。しかし実は「子ども未来戦略方針」にも、経済的支援のほか、若い世代の所得を増やす戦略や社会全体の構造や意識を変えるためのプランが盛り込まれています。「ここからの6~7年が少子化傾向を反転させる最後のチャンス」だと述べており、国が悠長に構えているわけではなさそうです。

それでも多くのママが「もうひとり産みたいと思えない」と回答した現状からは、あらゆる面においてギリギリの状態で子育てに臨んでいる様子が伝わってくるのではないでしょうか。同時に、国の施策や動向にシビアになっている様子が見てとれます。子育ての当事者であるママたちが「安心して子育てができる世の中だ」と認識できてはじめて、少子化に歯止めがかかることになるはず。今回の施策が机上の空論で終わることなく、着実にそしてスピーディーに実現されることを願ってやみません。

【アンケート概要】
総回答数:3,182票
調査方法:インターネット
調査月:2023年6月
調査・分析:ママスタセレクト編集部

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文・編集部 イラスト・わたなべこ

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