【魔裟斗さん・第4回】「習い事は好きなことをやらせるのが成功への一番の近道」
「子どもは好きなことをやっているときが一番伸びる」というのは、K-1元世界王者の魔裟斗さん。ご自身の経験から、習い事についての考え方を聞いてみました。また子育てを通じて変化したことや、パパ友やママ友の輪などについても、語ってくれました。
スポーツの世界で育ったからこそ言えること
――お子さんたちはなにか習い事などをされていますか?
魔裟斗さん(以下、魔裟斗):娘2人は英語とダンス、塾に通っています。
――格闘技などはやらないんですか?
魔裟斗:最近、息子を見ていると格闘技などを「やりたいのかな?」と思うようなことがありますが、まだ小さいのでわかりません。スポーツはやらせたいなと思うんですけど、僕自身がスポーツの世界で育ってきたこともあって、リスクも知っているわけですよ。
本当は、スポーツをやらせたら自分としてはもっと楽しいかなと思うんですけど、スポーツだけじゃなくちゃんと勉強もさせておかないとキケンだなと思っていて。というのも、スポーツだけやっていて、まったく学校の勉強についていけない。もしくは勉強はやらなくてもいいと勘違いしてしまうと、将来の道を狭めてしまうことにもなりかねません。
――魔裟斗さん自身が「これをやってほしい」という習い事などはありますか?
魔裟斗:スポーツに限らずいえることですが、子どもたち自身に興味があって好きなことをやらせてあげたい。自分が「こうなってほしいからやらせたい」という押し付けはしない。やってみて楽しければ続けるし、あわなかったらやめる。
僕自身もそうでしたが、好きなことってどんなにつらくても続けられるんですよ。結果としてそれが成功への一番の近道だと思っています。
怒るよりも、できたところをほめてこそ子どもは伸びる!
――今、スポーツの指導方法もかわってきていますよね。自分が育ってきた環境とは違っていることで、もどかしさを感じることはありますか?
魔裟斗:僕は、意外と褒められて伸びたタイプなんですよ。だから怒ってもあまり伸びないんだろうなと思っているんです。
――コーチは、魔裟斗さんへの伝え方を工夫されていたんですか?
魔裟斗:どうだろう。僕は怒られるようなタイプじゃなかったんですよ。
――言われたことをきっちりやる感じだったんですね。
魔裟斗:そうですね。僕は、リーダータイプだったこともあり、先生に任されていた感じだったんです。だからそれほど怒られることもなくて。それもやっぱり楽しかったからこそできたのだと思います。今日うまくいったこと、いかなかったことを明日につなげるためにはどうしたらいいか。それを常に考え、実行する。自分で考えて、工夫し続けたことがよかったんだと思います。
子どもに対しても同じだと思います。できないことにばかりに目を向けて怒り、やる気をそぐのではなく、昨日できなかったことが今日できたらそれを言葉に出して伝えてあげる。それによって子ども自身が楽しめるようになれば、試行錯誤を繰り返して自然と伸びていくと思います。
子どもを通じて「パパ友、ママ友」の輪が広がった!
――子育てを通して、自分自身が変化したなと思うことってありますか?
魔裟斗:子どもの送迎で幼稚園や小学校に行ったりすると、子どもの友達のお父さんやお母さんとも話す機会が増えるんですよね。初対面だし、子どもの友達の親御さんなので仲良くもしたい。でも相手のことをまったく知らないから、最初は「なにを話そう」と頭の中で考えるんですよ。しかも、今までだったら絶対に知り合っていなかったような人たちともたくさん会うわけだし。その人たちとの共通の会話を探すのは、最初はけっこう大変でした。
前だったら「話す必要はない」と思っていたかもしれないんですが、今はせっかくのご縁ですしね。僕が子どもの友達のご両親と仲良くすることで、子どもたち同士もっと仲良くなれるんじゃないか。そう思って、自分から積極的に話題をふって会話するように心がけています。
子どもを中心に、パパ友やママ友、また学校の先生たちとの付き合いも含めて、やはり調和を取ることが大事だなと感じたんです。どちらかというと、これまでの僕は調和が乱れていたタイプなので、今は調和を大切にしたいなと(笑)。
――お子さんたちと一緒に魔裟斗さん自身も変わってきたんですね!
魔裟斗:本当にそう思います。子育てを通して自分自身も大きく成長したなと思います。
――一番変わったところはどこですか?
魔裟斗さん:誰とでも話せるようになったことですかね。格闘技をやっていた頃は、誰ともしゃべらなかったです。当時はとがりすぎていたので、誰も自分に声をかけない。声をかけにくい雰囲気がいっぱいだったので(笑)。今は、知らないお父さんにも「こんにちは」と自分から話しかけにいっちゃいます!
――それは自然にできるようになったんですか?
魔裟斗:自然とできるようになっていましたね。最初は「自分から話しかけなきゃ」とか思っていましたけど、今は普通に話しかけられるようになりました。
――パパ友、ママ友付き合いなどもされているんですか?
魔裟斗:していますよ。この間も、軽井沢に仲良し家族と一緒に旅行しました。子どもを通じて仲良くなったんですけど、パパ友がいると楽しいですよね! 子どもを通じて自分自身の世界も広がってきましたね!
子どもと過ごす時間はわずか。子育てを通して楽しいことをたくさん見つけて
――ママスタの読者に対してメッセージをいただけますか?
魔裟斗:子育てって大変なこともあるけど、それ以上にすごく楽しいんですよ。それに子どもがいると世界がすごく広がります。今までとはまったく違う職種の人と出会うし、その人たちとお酒を飲んで語り合うのも楽しいんですよ。子育てって、子どもと一緒にいるのも楽しいし、子どもを通じて知り合う人との出会いも楽しいし、楽しいことがいっぱいあります!
――魔裟斗さんの会話には「楽しい」という言葉がたくさんでてきますね!
魔裟斗:楽しいことってたくさんあるし、当時大変だったことって時間がたつと忘れちゃうんですよ。そのときは大変だなと思っても、振り返ってみるとあっという間だったりするんですよね。
長女が生まれて10年になりますが、思い返してみると大変なことって本当にいっぱいあったんです。でも、今振り返ってみると、どれもいい思い出なんですよね。今、子育てに奮闘しているママたちも「この大変さはいつまで続くんだろう」と思うことってたくさんあると思うんです。
でも、つらいときは長くは続かないし、子どもは日々成長して親の手を離れていくんです。子どもが少し大きくなって、自分で自分のことができるようになってくると、「やっと少し楽になった」という思いと同時に、ちょっと寂しさも感じたりするんですよね。
子育て中は大変なこともいっぱいあるけど、そこを乗り越えて時間的にも体力的にも少しゆとりがでてきたら、また子育てを楽しめるようになると思います。それに、子育てってすごくお金もかかるし、手間もかかるけど、働く原動力にもなります。
――最後に一言、パパとして気をつけていることはありますか?
魔裟斗:なるべく3児のパバと見られないようにしていること。そこはすごく大事です(笑)。
(編集後記)
K-1元世界王者として活躍されてきた魔裟斗さんのインタビューも今回が最終回。読者のママたちはもちろんのこと、魔裟斗さんに憧れているパパたちからしても、魔裟斗さんの子育てにおけるスポーツや、パパ友ママ友に関する考え方は参考になるところが多かったのではないでしょうか。
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取材、文・長瀬由利子 編集・荻野実紀子