<ワンオペ育児の原因>「もっと家事育児に協力して!」とママから懇願されてもできないパパの事情とは
自分の身支度さえも一人ではままならない乳幼児のお世話って、本当に大変ですよね。一人でも手がかかるのに、きょうだいが複数いれば起床とともに戦闘が開始されると言っても過言ではありません。育児に熱心だったり楽しんだりするパパたちの姿も珍しくなくなりましたが、「参加」や「手伝う」感覚の人もまだまだ健在です。ママたちの負担はいつ軽減するのでしょうか。
投稿を寄せてくれた2児のママは、旦那さんが家事や育児に協力的でないと嘆いています。
『旦那は週に2日は仕事で帰宅が遅くなるときがあり、それ以外の日に子ども2人をお風呂に入れて下の子を寝かしつけます。週末は上の子と公園などへ外出し、たまにオムツ交換とご飯を食べさせますが、これ以外のことを何もしてくれません。みなさんは旦那さんにどのように家事や子育ての協力をさせていますか?』
みなさんの旦那さんの家事や育児について聞いてみましょう。
家事や育児は誰の仕事?
旦那さんたちの育児の度合いは千差万別ですが、投稿者さんの旦那さんについては今でも十分「協力している!」との声が寄せられました。
『うちもこんなもんだよ。あとは上の子がパパとゲームをしたがるから付き合っているくらいかな。仕事をしていたらこれが限界じゃないかなぁ。専業主婦の旦那にしてはやってくれていると思っているよ』
『うちの旦那は家事を一切しないし、お風呂はたまにしか一緒に入らない。ただ日曜日の休みは子どもを外に遊びに連れて行ってくれるから、それだけでも助かっているよ』
『具体的にお願いしないと男性はやらないですよね。やってくれたら必ず感謝する。ふだん仕事で疲れているのがわかっているので、「あれもこれもやって! 何でやってくれないの!? はダメだと思っています』
本来育児は夫婦で協力し合うことが望ましいですが、仕事から帰宅して疲れた様子の旦那さんにあれもこれもと頼むのは気が引けるママもいるようです。いつも多忙だからこそ、たまに子どもと関わってくれたら「ありがたい」と思って感謝することが大切であると説くママたち。逆の立場なら、気づかってもらえることは嬉しいですよね。
仕事で帰りの遅い旦那さんたち
旦那さんの帰宅時間が遅いため、育児にそもそも関われない旦那さんもいるようです。
『うちは子どもたちとお風呂なんて月に一度あるかないかって感じ。帰宅は21時ごろだから寝かしつけなんてしたことがない。土日休みでもないから、公園もほぼなし。育児という育児なんて、何にもしていないわ』
『うちの旦那は、平日は仕事が多忙で帰ってくるのは子どもが寝てからだったから、週5回でやってもらえるなら楽できるわー』
『寝かしつけ&風呂に入れてくれるなんて神! ウチの旦那は自営だから週末も仕事だし』
乳幼児期だけでも旦那さんが早く帰宅し、お風呂や寝かしつけを担ってくれたら助かりますよね。しかし実際は通勤に多くの時間を費やしたり長時間労働を余儀なくされる職場もあったりと、物理的に難しい状況のようです。ママたちの「ワンオペ」状態の育児事情はなかなか改善されていないようですね。
仕事関連に費やす時間の多い父親たち
仕事で忙しくて育児の時間を取れないパパもいるようですが、パパたちの労働時間はどれくらいなのでしょうか。国立成育医療研究センターによる調査をご紹介しましょう。
調査は、夫婦と未就学児の末子がいる核家族で仕事を持つ父親3,755人を対象にした「仕事のある日」の1日の生活時間についてです。1日の時間を、「仕事関連時間(仕事と通勤に要した時間)」、「家事・育児関連時間」、「1次活動時間(睡眠や食事、入浴など身の回りの用事)」、「休息・そのほかの時間(娯楽・自由時間など)」の4つのカテゴリーに分類しています。
その結果、「仕事関連時間」が12 時間以上である父親の割合が全体の 36%を占めて最も多く、10時間以上では69%に達することがわかりました(図2)。
政府は「(2020年に)6歳未満の子どもをもつ男性の1日あたりの家事・育児の時間を150分にすること」を掲げています。それを達成するためには、父親の「仕事関連時間」を 9.5 時間未満にする必要があると国立成育医療研究センターは分析しています(図1)。
仕事関連時間が減らないと家事育児への参加が難しいということが、この調査から推測できます。とは言うものの、現実には仕事関連時間を急激に減らすことは至難の業かもしれません。会社によっては出世に響く心配がありますし、会社に期待してもなかなか変化は起こらないでしょう。かといって夫婦ともに睡眠やゆとりの時間などを短縮して家事や育児に励んだ結果、過労に至ってしまうことは何としても避けたいことです。
参考:国立成育医療研究センター|父親が家事・育児をする時間を確保するには仕事関連時間を9.5時間以内にすることが必要
①末子が未就学児、②夫婦と子どもの世帯、③就業している条件を満たした父親3,755人
1日の生活時間を「仕事関連時間(仕事と通勤に要した時間)」、「家事・育児関連時間」、
「1次活動時間(睡眠や食事、入浴など身の回り用事)」、「休息・その他の時間
(娯楽・自由時間など)」の4つのカテゴリーに分類
※国の基幹統計調査として総務省が実施している社会生活基本調査1の2016年の調査票Aのデータを使用
旦那さんが今すぐに仕事の時間を削減することが不可能で、ママの負担が大きいままならば、家事や育児における「するべきこと/しないですむこと」をリストアップすることも一つの手です。労働に対する対価が支払われることのない家事や育児内容を視覚化することによって、不要な家事などを減らしてママの負担も軽くなるかもしれず、また旦那さんもママの負担する家事が決して楽ではないと認識してくれるかもしれません。誰でも「自分のほうが大変」と思ってしまいがちですが、相手のことも認めて尊重することは大切です。夫婦が協力し合って互いに自由な時間を提供することは、お子さんにもよい影響を与えるのではないでしょうか。
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