<本気のSOS>【後編】「明日休みたい」と言った中学生。不登校が心配なママが知っておくべきこと
前回からの続き。数日前からはじまった部活内でのトラブル。ある投稿者さんは、耐えきれなくなった中学生の子どもが、「明日学校を休みたい」と涙ながらに訴えかけてきたのだそうです。しかしどのように対応すればいいかわからず悩んでいるようです。背中を押して学校へ送り出してやるべきなのか、子どもの意思を汲んで休ませるべきかをママたちに問いかけました。
投稿者さんの話を受けたママたちは、1日ぐらいなら休ませてあげて欲しいと話していました。1日休んだぐらいでは何も変わらないかもしれません。それでもママたちは、子どもの心と体を休ませることが今一番必要ではないかと考えているのでしょう。
休むことで頭をよぎる「不登校」の文字
『うちの子は、言い出したのが金曜日だったから休んでまた週明けから行けばいいと思って休ませた。そうしたら、そのまま学校に行けなくなって不登校ぎみ。今でも何が正解だったのかはわからない。でもあのままムリに学校へ行かせていたら取り返しのつかないことになったような気もする』
『知り合いも、ツラいなら好きなだけ休ませたらいいという考えで、「学校なんて嫌なら行かなくていいよ!」「休めばいいよ!」とか言っていたら、1年で完全に不登校になってしまい悩んでいるみたい』
今回のように、トラブルに耐えきれずツラいと訴えかけてきたことから学校を休ませると、このまま不登校になってしまうのではないかという不安が出てきますよね。しかしムリに学校へ行かせて、更に取り返しのつかないことになったらと考えると、どうすることもできずママは途方に暮れてしまっているようです。
学校へいけなくなった子どもたち。ママたちの体験談
『私も中学の頃、投稿者さんの娘さんと同じでした。父親は学校へ行けとうるさかったですが、最終的には学校を休ませてくれました。あのときは心も疲れていたので、休めてよかったと思います。しばらく休んだら、悪いことをしてきた人たちは何も言ってこなくなりました。
投稿者さんが話しているように、1日では何も変わらないかもしれません。でもイヤな言動をする人たちと顔を合わせたくないと思っているうちに、ガマンの限界がきます。しばらくお休みするのもいいと思いますよ』
『うちの中3の娘が、一時期部活動などの人間関係で悩んでいたんです。休みたいと言われたとき「わかったよ」と、あまり多くを語らず遠巻きに見守ることにしたら、娘は何日間か学校を休みました。そのせいか休みグセが少しつきました。でもそのうちポツポツと学校へ行くようになったんです。
ツラいときは心身ともに休むときがあってもいいと思います。あまり長くなると心配ですが、そうでなければ、と担任もアドバイスくれたので……。
ツラいならムリに学校へ行かせなくてもいいと思います。止まない雨はない、明けない夜はないんです。時間はかかっても少しずつ自分で気持ちの折り合いをつけて歩んでくれればいいですね』
学校や部活動のトラブルのせいで、学校を休むことになったお子さんをもつママたちの体験談。ママたちの体験談を見ると、1日休むとやはり何日も休むようになるのではと不安に感じるかもしれません。しかし適切な休養を取ることで、子どもたちは自らの意思で次の行動へ一歩踏み出しているようです。
不登校と考えると不安しか出てこないかもしれません。不登校と考えず、傷ついた心を回復させるための療養期間と考えることはできないでしょうか? 大きな傷を癒やすためには、時間も気力・体力も必要でしょう。少しでいいので、休む時間と自分で考え・歩き出すための猶予を与えてあげてはいかがでしょう。
学校を休んだその先は?どう対応する?
もし子どもがずっと学校へいけなくなったとしたら……どう対応すればいいのでしょう。まずは子ども本人とじっくり話をすることが大切かもしれませんね。
不登校になったら今後困るかもしれないなど、子どもの不安を煽るような話題は今は避け、子どもが最終的にどうしたいかを聞き出してみてはいかがでしょう。最終目標に向けて、小さなステップをいくつも設定し、ゆっくりゆっくり進めていくといいかもしれませんね。
『休むことはよくないって、一番わかっているのは本人だからね……。それでも休ませて欲しいと言ってくるってことは本気のSOSだよ。私ならまず休ませる。その後も休みが続くようなら学校に相談するよ』
最善の策かどうかはわかりませんが、学校との連携は必要不可欠なことかもしれません。学校側、担任、部活動の顧問などと話をする機会をもち、わが子の声と学校側の声に相違がないかを確認してみてください。学校側の態度や考え方にもよるかもしれませんが、問題解決へ向けた学校側の介入があれば、両者の歩み寄りや、問題解決への道筋が作れるかもしれません。
心の傷は目に見えないからこそ休むことも大切
『子どもの性格にもよるけど、うちの場合は子どもの「休みたい」っていうSOSを見逃さないようにと、休みたいって言い出しやすい雰囲気作りを意識している』
「みんな頑張っているんだから」と背中を押してやることも、大切な親の努めかもしれません。しかし子どものSOSサインを見逃さず、「ムリしなくていいよ」と休ませてあげることも、親が子どもにしてやれる大切な役割なのかもしれませんね。
不登校になったらどうしようと悩む親の気持ちは、筆者もよくわかります。しかし今はまだこの先がどうなるかわからない状態ですよね。まだ見ぬ先のことにばかり悩んだり不安がったりしていては、お子さんからの大切なSOSサインを見逃してしまうかもしれません。
今は目の前のお子さんを見守り、何があっても私たちだけは味方であると伝え、安心させてあげてください。必要であれば医療機関などで心の回復を図ることも考えてみてはいかがでしょうか。
休むことで勉強が遅れるなど、なんらかの弊害はあるかもしれません。しかし休んで回復することは必要なことであり、何も悪いことではないですよね。何もしてやれず歯がゆいかもしれませんが、わが子を信じて見守ってあげてくださいね。
文・櫻宮ヨウ 編集・山内ウェンディ イラスト・Ponko
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