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【災害対策:第3話】大規模災害に備える!小さな子どもがいる家庭で準備すべきアイテムは?

pixta_25390016_M地震や豪雨などの災害が起きた場合、避難所に行かず自宅で過ごすという選択肢もあります。その場合、気になるのが食料品の備蓄。「行政では一週間分の食事を用意するよう呼びかけていますが、10日以上の備えが必要です。特に小さいお子さんがいる家庭では備えを万全にしておくことが必要です」と語るのは、『マンション防災の新常識』(合同フォレスト)の著者であり、マンション防災士の釜石徹さん。長年市民防災活動に取り組み、防災コンサルタントとしても活躍する釜石さんに詳しくお話を伺いました。
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避難所に行くとは限らない!まずは10 日間のキャンプに必要なものを揃える

――子どもの年齢や年代によって備えておくといいものはなんですか?

子ども用、老人用、女性用などの備えは何が良いか、という質問をよく受けます。しかし、一人ひとり生活様式は異なりますので、ひとくくりにしてもあまり役に立たないようです。 そこで私がいつもお伝えしているのは「10日間のキャンプに必要なものを考えてみてください」ということ。

災害時に避難所に行く人ばかりではなく、自宅で過ごすこともあります。たとえば「新型コロナウイルスによる集団感染が心配だから自宅にいたい」という人もいるでしょう。

このとき「自宅で籠城する」と考えると気分が滅入りますよね。ですので「自宅キャンプ」をしていると考えてみてください。ただし、このキャンプは寝るところは屋根付きで布団も着替えもありますが、電気・ガス・水道・通信が使えません。こんなところでキャンプするとしたら、何を用意しますか?

離乳食を必要とする子どもがいる場合は特に注意!そのワケは?

「ガス、電気、水道、通信が使えない中で、自宅で10日間過ごす」ことを考えたら、必要になる物は予想以上にたくさんあるでしょう。たとえば、小さい子どもがいる場合、今自宅に粉ミルクや液体ミルク、冷えピタ、おむつ、おしりふきなどは足りていますか? 幼児や小学生、中学生なら、普段から食べ慣れているチョコレートやクッキー、飴などのお菓子などがあるといいかもしれませんね。

――子どもがいると、備蓄品にはとても気を使いますね。

1つ付け加えておくと、停電になったら当然冷蔵庫も止まります。そうなると冷凍食品はすべて解凍されてしまい、2日と持ちません。冷凍食品をメインに生活している人は防災力が非常に弱くなります。この点は、特に注意してください。離乳食を冷凍して使っている場合は、子どもの離乳食がなくなる可能性があるのです。

――おむつに関してはどうしたらいいですか?

おむつに関しては、自宅にいることを前提に考えれば、非常用持ち出し袋にしまう必要はありません。そのため、今履いているものを10日間以上用意しましょう。おむつに限らず、備蓄品は最低でも10日分が残るようにして、先買いするようにしてください。

自宅避難を前提に考えれば家全体が備蓄品の保存場所に

――台風・地震など災害別で必要になるものに違いはありますか?

10日以上籠城する備えをしておけばどんな災害にでも対応ができます。要は、どんな災害であっても自宅から一歩も外に出なくても暮らせるようにしておくことが大切なのです。

――防災グッズの置き場所はどこがオススメですか? バッグはどのようなものがいいですか?

どこかへ持ち出そうとしているのでしょうか。避難所には行かない覚悟が大事です。以前から決して安心できる場所ではなかった避難所ですが、新型コロナウイルスの影響で3密対策も難しい場所になりました。避難所を頼りとしないで自宅で籠城をする準備をすることです。そうすれば防災グッズの置き場所は、家の中のどこでもOK。どんなバッグでもOK。バッグでなくてもなんでもOKなのです。

大規模停電を想定して準備をしておくこと

――ところで、なぜ食料備蓄品は10日分なのでしょうか。行政からは「3日分の備蓄、できれば7日分用意してください」と聞きました。

「できれば7日分用意してください」といっても、正直ほとんどの人が用意しませんよね。ついでにいうと、正直いって保存食は一週間では足りないと予測しています。というのも、東京湾沿岸に火力発電所が集中しています。もしも、東京湾沿岸が震源地だとすると、震度6から6強の地震が起きる。そうなると火力発電所が全部止まる可能性があります。そうなったら関東全体がブラックアウト(大規模停電)になります。

北海道で大規模停電が発生。いつ自分が被災するかわからない

――東京中心にブラックアウトするとなったら、かなり怖いですね。実際にブラックアウトしたところはありますか?

2018年9月6日、北海道で地震が起きたとき、震度6弱で北海道電力・苫東厚真火力発電所が損傷して北海道全域がブラックアウトしました。その際は水力発電や本土からの融通電力で停電は発生から2日程度で回復しましたが、復旧までにはしばらく時間がかかっています。

苫東厚真火力発電所の1号機は9/17、4号機は9/25、2号機は10/10に運転再稼働しています。 1・2・4号機のすべて、すなわち苫東厚真火力発電所が完全復旧したのが10/10なので、復旧まで1カ月以上かかったといえます。

このように、大規模災害のことを考えると、備蓄品は10日以上用意しておいたほうが安心でしょう。想定外といわないようにするためには、10日以上自宅で籠城することを前提に備蓄対策を考えなければいけないのです。

――となると、備蓄品は3日分では全然足りませんね。

その通りです。3日ではまったく足りない可能性があります。この話をすると、やっと防災意識に目覚めて備蓄品を揃える人が増えてきます。大人だけなら我慢もできますが、小さい子どもがいる場合は、特に注意して備蓄品を揃えておくことが大切です。

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タイトル:『マンション防災の新常識』
発行:合同フォレスト
著者:釜石徹
発売日:2020年11月7日

取材、文・間野由利子 編集・山内ウェンディ

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