『おしいれのぼうけん』など愛される絵本を生み出した絵本作家、田畑精一さん死去。ママたちからの感謝の声は
2020年6月7日、絵本作家の田畑精一さんが老衰のため亡くなられました。89歳でした。田畑精一さんが書かれた本のうちの一冊に『おしいれのぼうけん』があります。先生に叱られておしいれに入れられてしまった二人の男の子によって繰り広げられる、不思議な世界での”ぼうけん”物語です。絵本のボリュームとしては多め、80ページほどもある厚めの本でありながら、息をもつかせぬ展開が次々と押し寄せてきて、「もっと、もっと読みたい」とページをめくりたくなる本だった、と記憶しています。『おしいれのぼうけん』が発売されたのは1974年、2020年で発売から46年を迎えることになります。自身も子どものころに読んだことがあるというママは少なくないでしょう。今回は絵本作家、田畑精一さんをしのんで、田畑さんの絵本のよさを振り返ります。
『おしいれのぼうけん』、『ダンプえんちょうやっつけた』……。子どもたちに読み聞かせてあげたい田畑精一さんの絵本たち
田畑精一さんが手がけた絵本といえば真っ先にこの2冊を思い浮かべるママも少なくないのではないでしょうか。
『おしいれのぼうけん』--子どもたちが協力しながら”ぼうけん”に挑むものがたり
『おしいれのぼうけん』は二人の男の子が、先生に叱られておしいれに閉じ込められるところからお話が始まります。友達とふたり、というところが大きなポイントです。たったひとりで暗いおしいれの中に閉じ込められてしまったら、きっと子どもは恐怖で泣くばかりだったでしょう。楽しい絵本にはならなかったかもしれません。独りではなかったからこそ、”ぼうけん”に挑んでいけたのではないでしょうか。しっかりと手をつなぎ、協力しながら”ぼうけん”する……。困難な状況が立ちはだかったときに誰かと協力して乗り越えていくことの大切さを、『おしいれのぼうけん』は教えてくれます。
『ダンプえんちょうやっつけた』--子どもたちの”壁”となりつつ乗り越える手伝いもしてくれる大人の存在
『ダンプえんちょうやっつけた』は、ある保育園が物語の舞台です。保育園に通う子どもたちから見たらおそらく平均的な身長の大人の男性であっても”ダンプ”のように大きく見えるでしょう。しかしことさら”えんちょう”は大柄な男性に描かれています。頼りがいがあり、子どもたちを守ってくれる存在だからではないでしょうか。大柄なことで”ダンプえんちょう”と名付けられた園長先生は、毎日子どもたちと全力で向き合い、楽しませています。子どもたちは遊びのなかで”ダンプえんちょう”を倒そうと作戦を練り、なんとか一矢を報いようとする様子が描かれます。わざと負けるのではなく、自らが子どもたちが乗り越えるべき”壁”となりながらも、子どもたちがその”壁”を乗り越えるのを手伝ってくれる……。”ダンプえんちょう”みたいな大人が身近にいてくれたら間違いなく毎日が楽しくて仕方がなかったでしょう。
同じようにおしいれに入って遊んだ記憶はありませんか?
ママたちが子どものころにどんな絵本を読んでいたのか探ってみると、やはりここにも田畑精一さんの絵本のタイトルを見るけることが出来ます。
『子どもの頃に何回も読んだ本、読んでもらった本、大好きな本。すごく印象に残っている本ってある? わたしは『わかったさん』シリーズ、『マイケルのでんぐりがえり』、『おしいれのぼうけん』』
『『おしいれのぼうけん』、『大きい一年生と小さい二年生』好きだった!』
『『三びきのやぎのがらがらどん』』
『『カラスのパン屋さん』! 色んな種類のパンが描かれていて美味しそうだなぁと思っていたよ』
『『大どろぼうホッツェンプロッツ』』
『おしいれのぼうけん』にあふれる子どもならではの不安感とワクワク感は格別です。暗いおしいれのなかで繰り広げられる二人の男の子の”ぼうけん”を手に汗を握りながら楽しんだママたちは少なくないはずです。筆者も『おしいれのぼうけん』にハマった子どものひとりです。『おしいれのぼうけん』を読んで以来、たびたびおしいれに入って遊ぶようになりました。楽しい絵本を読んだ記憶は残り続け、親となってからは自分の子どもに読んであげることもあるでしょう。
『子どもの肌着、おしいれのぼうけん、たまご、マキロン』
あるママの“今日の買い物リスト”にも『おしいれのぼうけん』が挙がっていました。やはり素敵な絵本は読み継がれていくのですね。
自分の子どもにも読んであげよう。子どものころ好きだった絵本たちを
子どものころに好きだった絵本を大人になって読み返してみても「やっぱりこの絵本、好きだ」と感じることってありますよね。大人になって、あるいは親になって新たに感じられるところも出てくるかもしれません。ママが子どものころ好きだった絵本を自分の子どもに読み聞かせてあげたとき、子どもも「この絵本、大好き!」と言ってくれたら嬉しくなってしまいますよね。ママが選んで読み聞かせた絵本の世界をきっかけに、子どもたちは自分なりの絵本の世界を広げていくでしょう。
ぜひ田畑精一さんが手がけた絵本も子どもたちに読み聞かせしてあげてくださいね。
田畑精一さんのご冥福を心からお祈りいたします。たくさんの楽しい絵本を、ありがとうございました。
文・しのむ 編集・blackcat
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