登校渋りのわが子。周りからは「親が諦めたら終わり」と言われるけれど……。疲弊したママへ、経験者たちからのメッセージとは?
「待望の学校再開!」のはずが順調な滑り出し……とはいかず、ため息が漏れている家庭もあるのではないでしょうか。ママスタコミュニティに、かなり切羽詰まった様子のママのコメントがありました。
『登校渋りの中学生の子どもがいるんだけど、親が諦めたらすべて終わりだよね……。今までがんばってきたけれど、もう諦めて引きこもりにさせようかな。コロナ鬱かわからないけど、何もかも疲れた』
登校渋りや不登校の原因は人それぞれでしょう。投稿者さんのお子さんもまた何らかの原因があり、休校以前から登校渋りがあったようです。
『2年近く登校渋りで、行ったり行かなかったり。発達障害があって、行きたくない理由も曖昧。「親が諦めたら完全な不登校になる」って周りから言われるけど、何もかも疲れた』
周囲からの言葉にプレッシャーを感じ、押しつぶされそうになっている様子が伝わってきます。登校渋りを解決することも大事ですが、今回は「もう諦めたい。疲れた」という投稿者さんの嘆きに共鳴したママたちからのメッセージを中心に紹介したいと思います。
子どもだけでなく、ママ自身にも休息を
投稿者さんと同じ経験をしたママたちからコメントが寄せられました。
『周りからは、「一度つまづくと不登校になるから、そうならないようにしなきゃね」とか「お母さんもサポートやフォローがんばって!」って言われるけど、その私へのフォローはなんもないわ。高校は通信制とかあるし、もう学校に絶対行かせなきゃとか思っていない。投稿者さんと同じく私も疲れた』
言う方はアドバイスや励ましのつもりでしょうが、ママにとっては「母親ががんばれば、子どもは変わる」と言われているようなものなのかもしれません。けれど親がどんなにがんばっても、子どもが思いどおりになるとは限りませんよね。
『お子さんにがんばらせるのも、投稿者さんががんばるのも一旦やめていいかも。お子さんも投稿者さんも十分がんばって、今、力尽きてるんです。サボっているんではないですよ』
『諦めるんじゃなくて、少し投稿者さん自身がお子さんについて悩むことを休止してみたらどうですか? いつもお子さんのことばかり考えていて、ご自分のことはすべて後回しにしているのは? 自分が楽しんだりするのはダメなことと思ってないですか?』
一度「登校渋りについて悩むこと」を休んでみてはどうかというアドバイスが届きました。「諦めること」と「一旦休むこと」は違いますよね。自分の登校渋りのせいで疲れ切っている親を見るのは、子どもにとっても辛いことでしょう。まずはママ自身が心の健康を取り戻すことを最優先してもいいのではないでしょうか。
子どもの将来を諦める必要はない
登校渋りや不登校の子どもの将来について、具体的な助言もありました。
『我が子も中学校3年間不登校でした。登校渋りの時期、私は必死で学校に行かせたりもしましたが、後々本人は「すごく辛かった」と言っていました。親が諦めたら終わりとか、そんなことはないです。本人が安心して暮らせたり心が十分休められれば、再び動き出す日もきます。我が子は定時制高校に進学しました。毎日通えるようになったし、今は本人なりの学生生活を楽しんでいます』
『小学校や中学校が不登校でも、全日制や定時制、通信制高校に進学し、専門学校や大学に行っているお子さんを知っています。なので諦める必要は全くないと思います。まずは投稿者さん自身の心を休ませてください』
『私の妹も、小3から中3までほとんど学校行かなかった。でも進学はできたし、大卒で東京で就職したよ。彼女の場合は、中学後半くらいから「ずーっと家にはいられないし、どうしようかな」と思いはじめたらしくて、自分が興味持てて不登校でも受験できる高校を親と一緒に探したって。そういう高校には似たような子が集まっていたから、友だちもできて社会復帰していったよ』
家庭の事情や住んでいる地域によっても違ってくるでしょうが、不登校であっても進学先の選択肢はいろいろありそうです。「諦めたら終わり」と悲嘆するばかりではなく、「こんな可能性がある」と前向きな情報を集めてみると、少し気持ちが軽くなるかもしれませんね。
「親が諦めたらすべて終わり」と自分を追い詰めないで
子どもの登校渋りや不登校を経験したママたちからは、「子どもを学校に通わせるのを諦めるのはありだけど、子どもの将来を諦める必要はなし!」という心強いメッセージが伝わってきました。なによりもまず、ママ自身の疲れきった心を休ませる必要がありそうですね。
他にも投稿者さんのコメントに対して「親子でしっかり話し合うべき」「家族以外の誰かと接する機会を持つのはとても大事」「できるだけ外出させて、やりたいことをとことんさせてみては」「勉強だけはしっかりさせておいた方がいい」など、さまざまなアドバイスが並びました。今の投稿者さんには重いものもあったかもしれませんが、どれも親子の将来を思ってのことでしょう。
またママスタコミュニティのママたちから賛同を集めたのが、オンライン授業の普及についてでした。
『新型コロナウイルスを機に、義務教育期間は不登校児のためのオンライン授業を提供するようになればいいのに』
学校に行かなくても学びの機会が保障されれば、学校に行けないことに悩む親子の心理的負担はかなり軽くなるかもしれませんね。不登校児だけでなく、たとえば基礎疾患があり登校が不安なお子さんなどにとっても選択肢が増えることはありがたいのではないでしょうか。自治体や家庭の費用負担などの問題はあるでしょうが、普及が広がるといいですね。
文・千永美 編集・荻野実紀子 イラスト・Ponko
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