宿題のおともは「オッケー、グーグル!」?子どもを積極的に勉強に向かわせるためのスイッチはある?
「オッケー、グーグル、今何時何分?」
このセリフだけ聞いても何ら違和感をもたない時代。ですがこれが、いざ宿題を始めようとする子ども(小2)のセリフで、グーグルが彼の家庭教師代わりとなり、彼のやる気を引き出してくれていると言ったら、皆さんはどう感じますか?
解決策が見つかりにくい、わが子が宿題をやらない問題
我が子が宿題になかなか取りかかってくれない、やりはじめても時間がかかりすぎて困るというのは、親がときに抱える悩み。また本人がその気になってくれないといつまでたっても解決策が見つけられない問題でもあります。
ママスタセレクトママスタコミュニティ内でもあちこちでママたちの悲鳴があがっていました。
『全国各地で子どものやる気を出すスイッチが作動しない、スイッチがどこにあるかわからない等の報告が多数あります。勉強環境に問題はないか、おなかは空いていないか、ただゲームをしたいだけなのか、詳しい原因を調査中です』
『宿題やらない、片付けしない、連絡帳もプリントも出さない。もう怒りすぎて疲れた。もうほんとうんざり。ご飯作る気すらうせた。さらにできないことを人のせいにしてくる』
『うちの息子、そろそろ6年間が終わるけど、いまだに言わなきゃ宿題やらない、制服脱ぎっぱなし、プリント出す、出さない以前に学校に置き忘れてくるよ(笑)』
『好きな宿題はやるけれど、漢字とかは1時間たっても1ページ終わらなくて、いつも寝る時間になっちゃうから、最近はこちらも諦めている』
子どもを積極的に宿題に向かわせる有効策はないのでしょうか?
株式会社小学館集英社プロダクションが、全国の小学生の子を持つ父母330名を対象に実施した、インターネットによる宿題に関するアンケートの結果があります。
「子どもを宿題に取り組ませるためにどんな対応をしているか」という問いかけに対する答えを見ると、特筆すべき有効策がなく、どのご家庭でも四苦八苦しているであろうことが想像できます。
最も多かったのは「はじめる時間を決めさせる」で全体の34.5%、次いで「やらないとゲームができないなどマイナスの条件を出す」28.8%、「ご褒美などプラスの条件を出す」28.5%、「とにかくやりなさいと言い続ける」27.6%、「何も言わない」が17.3%。日々私たちの家庭内でも繰り広げられている不毛な戦いと重なるようで、身につまされますね。
自発的に宿題に取り組ませるのに成功したママの方法とは
そんななか、少なくとも筆者の周辺ではたったひとり、子どもを自発的に宿題に取り組ませるのに成功したママがとった対応策が、冒頭のグーグルに家庭教師代わりを務めてもらうというものでした。
そのママも、宿題や塾の予習をまったくやろうとしない長男(小2)に手をこまねいていました。どんなに声がけをしても両親のスマホで動画を見たり、ゲームをしたりすることを優先してしまうのです。それならば……と、はじめは学習の楽しさをおぼさせるため、スマホの教育アプリを開いて、遊ばせたりしたそうです。でも早々に飽きてしまい、宿題をやろう! と学びへの意欲を引き出すまでに至りませんでした。
そこで思いついたのが「オッケー、グーグル!」です。ドリルにかかる時間を計らなければいけないときにスマホを差し出して、「グーグルに時間を計ってもらったら?」と言ってみたのがきっかけだったそうです。
すっかりはまってしまった、その長男。それからは「オッケー、グーグル、ストップウォッチは?」とか「オッケー、グーグル、魚という字がつく漢字を教えて!」などとグーグルにサポートしてもらいながら、宿題をこなす日々。みずから机について、宿題にとりかかるようになったそうです。
宿題が終わったらゲームをやっていいとかテレビを見ていいなど、ご褒美でつるという作戦が賛否両論を呼ぶように、このグーグル作戦についてもいいか悪いか、判断に迷ってしまうところですよね。でも、「楽しい」「面白い」「嬉しい」スイッチがオンにならない限り、勉強に向かわない傾向がある子の場合、ご褒美でつるのもグーグルを使うのも、入り口としてはいいように筆者は思うのです。
ご褒美やスマホの先に続く、その子なりの学びに期待
2020年の教育改革以降は、これまで以上に子どもたちは、学びに向かう力や思考力・判断力・表現力などが求められるようになっていくでしょう。
そうだとすると、「グーグルに問いかけながら宿題をやれば楽しいんだ」というその子なりの気づきの先に続く歩みには個人的に注目したいところです。
その中身や出来もさることながら、やらなければいけない課題があればこなす、優先順位をつける、約束や締め切りは守るなど、宿題や学習習慣から身に着けてほしいことは様々あります。子どもにとってそれがごく自然にできるようになるまで、まだ道のりは長い。時に付き合い、時に放っておき、途中喧嘩にもなることでしょう。
ですから、これはと思えるメソッドはなんでも試してみようじゃないですか!
余談ですが、前述の彼をまねて、ある日、筆者の長男(小2)もスマホに向かって「オッケー、グーグル!」と呼びかけました。でも相手はSiriで。「面白い冗談ですね」とか「それはアシスタント違いですね」とやんわり叱られていましたので、ご報告しておきます。
文・blackcat 編集・しらたまよ