「息子にクソババアと言われた!」。現役小中学生の子ども新聞記者が答える本音は?
毎日「ママ大好き!」と言ってくれていた子どもももう中学生。このごろは悪態をつくようになってきて……なんて思っていたら……。
『中1の息子に「クソババア!」と言われ、ショック! これからこういうことが増えていくのでしょうか』
こんな大人のお悩みに真正面から答えてくれるのが、京都にある「かめおか子ども新聞」の子ども記者たちです。子どもたちの回答は?
辛辣すぎてクセになる!大人の回答に子どもが答える「子ども相談室」
京都府亀岡市にある「かめおか子ども新聞」は、子どもたち自身が記事を書き、それを大人たちが読むという、なかなか珍しいタイプの新聞です。中でも人気のコーナーは、大人の悩みを子どもが解決する相談コーナー。さきほど紹介したお悩みも、実はこのコーナーを集めて書籍化した『はい!こちら子ども記者相談室デス!』の一部を抜粋したものです。このお悩みに対する子どもたちの回答はコチラ。
ママ悲鳴!「1000%クソババアって言われます」
『はい、間違いなく増えます。だってほんまにお母さんは「クソババア」だからです。でも、優しいところもあるから、常日頃は「ババア」で、たまに「クソババア」です。たぶん、「勉強したんか」とか「あーせー、こーせー」とグチャグチャ言うてませんか? そんなことを繰り返していたら1000%クソババアって言われますよ!』
現在、小さくてかわいいさかりの子どもを持つママからしたら「このかわいい子がクソババアっていうなんて信じられない!」と思うかもしれませんが、100%どころか1000%「クソババア」と呼ばれるそうです(笑)。
書くのが子ども、読むのが大人。「かめおか子ども新聞」を始めたワケ
ところで、この「かめおか子ども新聞」は、なぜ子どもたち自身が記事を書くことになったのでしょうか。編集長を務める唯一の大人、竹内博士さんに聞いてみました。
『「かめおか子ども新聞」を始めたのは2016年です。元々私自身が新聞記者をやっていたので、その関係でやってみようかなと思ったのがキッカケです。新聞を作るためには、どんな記事を書くのか企画を考えたり、取材対象者を見つけて話を聞いたりします。その中で質問力や傾聴力、まとめる力、書く力も必要になってきます。これらの能力は、将来的に役立つもので、取材の中にはそれが全部入っていると感じました。それが体験できる場所があったらいいなと思って、子どもが書いて、大人が読むという新聞を作りました。
最初は、知り合いに相談していたんですがその人のお子さんが活動に参加することになりそこから「私もやりたい」という子が増えていきました。「まずは新聞を作るというよりも、街のパン屋さんなど気になっているところに行ってインタビューをしてみようというノリだったんです。取材をしたら記事になるねということで、自宅のパソコンで新聞を作って飲食店に置いてもらっていたんです』
最初は子どもが読んでくれたらいいなと思っていたけど、蓋を開けたら読者層は大人が多かったといいます。プリントした新聞をお店に置いてもらうなどして発行から約1カ月ほどたったあと、地元の京都新聞から連絡があり、とんとん拍子で話が進み、新聞の折り込みに入れてもらうことになったといいます。
「子どもに相談したい」大人は実はたくさんいる!?
あっという間に、地域に浸透していった「かめおか子ども新聞」ですが、なかでも人気なのが大人の悩みを子どもが解決するコーナー「はい!こちら子ども記者相談室デス!」。毎月1個の悩みについて子どもたち自身が回答していますが、このお悩みコーナーがタイトルそのまま本になったのです。
書籍ではこのお悩みが山盛り。「子どもを保育園に預けるか、仕事をやめて幼稚園に通わせるか迷っている」「小さい子どものケンカはどこまで見守ってあげたらいい?」「いいお母さんってどんなお母さんだと思いますか? いいお父さんってどんなお父さんだと思いますか?」など、「それを子どもに聞くの? しかも子どもが答えるの?」というような質問まで載っていて、大人顔向けの回答が寄せられています!
この回答については、ぜひ書籍を見てほしいのですが……。1つ言えることは、「子どもって正直すぎるっ!」ということ。そして、ストレートでとっても辛辣。そしてどこかクスっと笑えます。「子どもの本音が知りたい」というママたち、ぜひこの1冊を手に取って読んでみてください。シュールで辛辣、かつ的確な回答にハマります!!
著者:かめおか子ども新聞
発売日:2019年5月29日
価格:1080円(税込)
出版社:新潮社
取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ