古坂大魔王:第5回 ご飯をつくらなくてもいい、掃除もいらない。夫婦はお互いに過ごしやすければいい
毎日一人で慣れない育児に奮闘し、帰ってきた旦那さんに子どもの世話を任せたくても疲れているのを見たら何もいえない。でも自分も疲れているからモヤモヤする気持ちは消えない……世界的ヒットとなったピコ太郎さんの楽曲『PPAP』の生みの親であり、2018年6月に第一子が誕生したタレントの古坂大魔王さんの家庭でも、同じ理由で奥様がモヤモヤをため込んでいたといいます。そんなとき、古坂さんは夫としてどのようにこの問題を解決したのでしょうか。
出会って6年目。奥さんとは一度もケンカしたことない
――今年で結婚2年目。育児中はなにかと夫婦の間に亀裂が入りやすい時期ですが、大丈夫ですか?
奥さんとは、付き合っていた頃も入れると約6年一緒にいることになりますが、これまで一度もケンカしたことがないんですよ。基本、彼女は不満があってもあまり口に出さないタイプだし、育児の愚痴などもそんなに言わないんです。でも、初めての育児だから、わからないことだらけだし、疲れるし、当然イライラしますよね。ただ、僕が仕事で疲れているのも知っているから、子育てのために仕事を減らせということも言えないじゃないですか。それで少しずつ不機嫌になっていくんですよね。
――奥様はどんなことを不満に感じているんですか?
子どもがギャン泣きしているのに、僕が全然起きなかったり……。僕、すごい眠りが深いんですよ。最高30時間寝続けたこともあります。いくら僕が仕事で疲れているからといっても、奥さんだって24時間子どもの世話でまともに眠れていなかったら、イライラもしますよね。
ご飯を作ってくれる人がほしくて結婚したわけじゃない
――お互いにイライラしているときはどうするのでしょうか?
彼女がイライラしているのを見たら、子どもをお風呂にいれておむつを履かせるなど自分ができることはやって、あとは奥さんに「お風呂に入れたよ」といって子どもを渡す。それで自分の部屋にこもってお互いの感情を落ち着かせる為に一旦距離を置きます。
お互いにモヤモヤを抱えたままだとよくないから、結局は話し合うんですけど、その前に一旦気持ちを落ちつけることが大事なんですよね。気持ちが熱いままだとケンカになって、お互いに嫌な思いをするだけだから。
奥さんに伝えたことは、「ご飯をつくらなくてもいい、掃除もいらない。ただ単にお互いに過ごしやすければいい」ということです。「何度も言うけど、ご飯を作ってくれる人がほしくて結婚したわけじゃないから。無理してつくらなくていいから、大変だったら外食にしようよ」って。がんばりすぎない。お互いに相手に求めすぎないことが大事だと思うんです。
育児疲れからくるイライラはケンカの原因に。そんなときは……
――よく「オレが稼いでいるから家のことをして」「私だって大変なんだから手伝ってよ」ということでケンカになる夫婦も多いですが、古坂家は大丈夫ですか?
それを解消するのはお金と時間。奥さんには「今は仕事がまわっているから、お金は快適に過ごすために使おう」と言っています。とはいえ、ベビーシッターを頼もうと思うと高いんですよね~! だからうちは子どもを預ける時は全部託児所です。
――「お金を渡しているんだから、それでやりくりして」という旦那さんもいると思います。古坂さんのように一緒に考えてくれるのはいいですね。
うちは近くに頼れる人がいないので、託児所に預けるしかないんですよ。託児所もそれなりにお金はかかる。でも、「ちょっと待て。ケンカしたとき、疲れたときのギスギスした3週間についてはお金で解決できる」と考えたら、託児所の利用料金に7000円払うというのは意外と安いかもしれないと思ったんですよね。それに、子どもを預かってもらっている間ゆっくり休めたり、気分がリフレッシュできたりするのなら、使った方がいい。僕は飲み会にはほとんどいかないけど、よく行く人だったら2回ぐらいがまんすればいいわけだし。
必要なお金は使うべき。それが稼ぐモチベーションにもなる
――奥様は育児に関するお金についてどのように考えていらっしゃるのですか?
基本、無駄遣いはないと思います。むしろ、「疲れているならタクシーを使っていいよ」といっているのに「バスのほうが安いからバスでいいよ」というくらい(笑)。「お金で育児疲れが少しでも解消するなら使おうよ。そしたらがんばって稼いでくるから」と伝えているんですけどね(笑)。
これから先、子どもが大きくなると、パパの収入も増えるし、ママも働けるようになってそれなりに収入は増えてくると思います。育児にはお金がかかりますが、お金を使うことでまた入ってくるから、必要なところには使った方がいいなと思います。
子どもが小さいときは、育児疲れから夫婦ケンカが多くなる時期。イライラしたら一度クールダウンをする、全部を完璧にしようとしない、疲れたら託児所を使うなどして、心と体を休めてみるのもよさそうですね。次回は古坂さんの子ども時代についてお伺いします。
取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ