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赤ちゃんの短すぎる人生、父親の言葉に涙

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筆者は毎年、冬の一番寒い時期、雪が降る頃になると思い出す出来事があります。

近所に住んでいたご夫妻の赤ちゃんのお葬式に参列した日のことです。筆者が思いつく出来事の中でこれほど悲しいことは他に思いつきません。

そのご夫妻の赤ちゃんは10万人に1人の割合で発症する、治療法が確立していない難病で、生後2ヶ月で亡くなったのでした。

赤ちゃんの「お別れ会」

当日筆者は会場に着いたものの、そのママに何て声をかけたらいいかもわからず、ただ立ち尽くしていました。

「由美子さんも〇〇(赤ちゃんの名前)に会って行ってくれる?」

筆者の到着に気がついたママの方から声をかけてくれ、控え室に案内されました。目に入ってきた棺があまりにも小さすぎて、ショックを受けました。

葬儀は仏教やキリスト教の形式ではなく、ご夫妻の考えたスタイルのお別れの会でした。

パパからのお別れのメッセージ

赤ちゃんのパパが読み上げたお別れのメッセージは今も筆者の心に残っています。

〇〇は、私たちに親になる機会を与えてくれました。そして私たち夫婦の絆をより強いものにしてくれました。私たちは精神的に辛い日々が続き、難しい決断を迫られることもありました。しかし、お互いの意見が割れることはありませんでした。私たち夫婦が深く理解しあっていることに改めて気付かせてくれました。私たちは〇〇に感謝したいです。

最後のとき、〇〇は非常に勇敢でした。あんなに小さな〇〇が、いかにして苦難に立ち向かうかを私たちに教えてくれました。

〇〇が生まれたとき、私は〇〇にとってのヒーローでありたいと思いました。でも短い人生で〇〇が見せた勇敢な姿を思い出すたび、〇〇が私のヒーローであり続けるでしょう。

このメッセージを聞きながら、私は恥ずかしいくらいに号泣してしまいました。涙が止まらなくなって、大人げなくわあわあと声を上げて泣いてしまっていました。

「自分はこのご夫妻の苦労を何もわかっていないのに、2人とも気丈に振る舞っているのに他人の私がこんな泣いてしまって恥ずかしい」

と思っても、涙を止めることができず、会が終わるまで泣いていました。

「由美子さん、今日は来てくれてありがとう」

と最後にそのママが筆者に声をかけてくれ、またママと抱き合って泣いてしまいました。

家族の大切さを思い出させてくれる

筆者は毎年、この日のこと思い出すと、自分自身を親にしてくれた我が子たちと、一緒に親としてやってきてくれている夫のことを思います。普段は当たり前すぎて考えもしないのですが、家族の大切さに気付かされます。

ただのご近所さんでしかなかった筆者にとっても、このご夫妻の赤ちゃんの人生が教えてくれたことはとても大きいです。

ちなみにこのご夫妻はその後、新天地で生活をスタートし、新しい命を授かりました。元気な男の子が産まれたと聞いたときは本当によかったと思いました。今はその子の元気な写真をシェアしてもらうのが楽しみです。

 

文・野口由美子 編集・木村亜希

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