下の子どもが生まれても「赤ちゃん返り」なし?と思ったら1年後にやってきた長女の話
妹が泣けば慌ててママに知らせてくれ、おっぱい後のゲップや、沐浴、おむつ替えも積極的に参加。うつ伏せができるようになれば、自分も同じ目線になって一緒に遊び、お座りができるようになれば後ろから抱えて抱きしめ、離乳食がはじまれば当然与えてくれる。今、彼女の持っているであろう小さな「母性」の全てを妹に注ぎ込んでいる……そんな風にも見えました。
「あぁ、うちの子は赤ちゃん返りがないタイプの子なんだな」なんて、ホッとしていた私ですが、長女の「赤ちゃん返り」は次女誕生からちょうど1年後にやってくるのでした。
そう、長女はまるっきり「赤ちゃん」に戻ってしまったのです(涙)。とにかく「歩かない」。家の中では常にハイハイで過ごし、おしゃべりもほとんどしません。するとしたら「バブー」と赤ちゃんの真似をするくらいです。ご飯も食べさせないとたべなくなったし、オムツは外れていたのにオムツをはきたがる。もちろん常にママにベッタリで、「抱っこ! 抱っこ!」の連続です。
うーん……これはどうしたものか……。ただでさえ、まだ次女に手がかかる時期です。このうえ長女まで赤ちゃんに戻られたら、手が回らない~! と、最初こそ付き合った「赤ちゃん返り」ですが、一週間以上も続くとイライラしてきてしまいます。
「自分でできるでしょ!」この言葉が喉の奥まで出かけたとき、たまたま遊びに来ていた母が……。
思い返せば、一番大変であろうと覚悟していた一年を、長女のおかげで順調に過ごすことができた私の姉妹育児。本番はこれからなんだな……と、身が引き締まる思いになりました。
結局、長女の赤ちゃん返りは約2週間ほど続き、次第にもとの生活に戻れるようにはなりました……が、歩き出してちょこちょこと邪魔してくる次女に対し、少し手厳しくもなりました(当たり前ですが)。しかし根底にある「妹が大好き」は変わらない模様です。
そんな二人を眺めながら、どうか末永く助け合える姉妹でいてほしいと願うのでした。
脚本・渡辺多絵 イラスト・いちと