「育てやすい子だね」はNGワード?私たちが味わった”心外”な気持ち
ママスタコミュニティに、先日このようなお悩みが投稿されました。
『うちの子は「育てやすい子」と身内や保健師さんたちに言われ、疲れます。1人目で、私はこの子しか知らない、悩みもある。でも、まるで「あなたはラク! 甘えるな!」と言われているようです……』
何を隠そう、筆者の7歳の長男も昔からおとなしいタイプ。「育てやすい」と言われたこともありました。だから、投稿者のママが”心外”な気持ちになるのは分かる気がします……。今回は、このように「育てやすい子」と言われ、合点のいかないモヤっとした気持ちを抱いたママたちの経験談を見ていきます。
「はげしく同意!私も似た経験あります」
『分かる……「私、頑張ってないんだ」、「シンドイと思っちゃいけないのかな」って思っちゃう。一日中見てるわけじゃないくせに、言わないでほしい』
『「育てやすい子」、その言葉大嫌い! わが子は内弁慶で、家では別人なのに。身内以外によく言われるけど、あなたに何が分かるのってイラっとする』
『旦那に言われるのが、いちばん腹立つ(笑)! 3人目を産んだのだけど「いちばん育てやすいんじゃない?」とか言われて。「は? 私、夜は寝られないし、昼間はグズグズされて大変なんですけど。あなたはいっさい育てていないくせに!!」っていう気持ちを、毎回飲みこんでいる自分を褒めてあげたい』
『うちは四兄弟で、4人とも育てやすいと言われる。自分ではどの子も育てやすいと思ったことないから、たまに困惑する。育てやすいらしいけど、イライラする自分は何なんだろうって……』
『分かる。育てやすいからラクしてるって言われている気がする。外面しか見ていない人が何が分かる? それに、逆に育てにくかったらかわいそうなの? 外野はうるさいよね』
「育てやすい」と口にする側は、他意がないにしても……「育てやすい」という言葉によりママの心の中は、怒り・寂しさ・自己嫌悪など、さまざまな感情が渦巻くようです。「育てやすい=育児がラク」という解釈になり、日々育児に奮闘しているはずのママは突き放され、傷ついたような感情を味わうのかもしれませんね。
「育てやすいと言われても……私だって育児で悩みます」
「母は強し」とは言うけれど、育児で悩まない、なんていうママは存在しませんよね。「育てやすい子」と言われる子のママも例外ではありません。世間的には良しとされがちな「育てやすさ」ゆえの悩みを抱えていました。
『夜泣きもイヤイヤ期もなくて、育児の悩みが周りと違うことに不安で仕方なかったよ』
『おとなしいから人に迷惑かけることはないけど、それなりに愚図るし、わがまま言うし、すぐ泣くし、繊細だし、食べないし、グイグイ行かないし……悩みはいろいろあるよね』
『うちも、一時期おもちゃとられても何か邪魔されても、何も言わず何もし返さず、黙ってたときがあってね、「穏やかな子だね、いいね~」って言われたけど、それはそれで、もう少し自己主張しなくていいのかな? この先損する人生なんじゃないかな? って本気で悩んだよ』
”自分が”大変と思うなら、それが自分にとって真実。「頑張る自分をいたわってあげて」
『人ひとり育てるのに努力していない人なんていないよ』
今回、こんな深いひと言が残されていました。どんな子であっても、子どもひとり育てあげることが、どれほどの大仕事であるかをママたちは経験上知り尽くしているようです。ママたちから寄せられた、ねぎらいコメントの数々のご紹介です。
『大事なのは言葉や言い回しじゃないんだよ。疲れてるときに「頑張れ!」って言われることさえ、「今の頑張りを認めてもらえない」と感じて辛くなるように、投稿者のママさんは今ただただ疲れているのよ』
『お疲れさま。育児中って「わが子をよその子と比べるな」ってアドバイスされるのに、「よその母親」と比べられること多いよね。とりあえず温かいもの飲んで休憩して』
『「育てやすい」とか「育てにくい」とか知らないけど、とりあえず目の前の生き物を生かすので精一杯! っていうときに言われるの、きついよね。「うちより育てやすい」という気持ちもあるかもだけど、正直よそが大変かラクかどうでもよくて、単純に”自分が”・”現在”・”この子”に大変だったから、それを「育てやすい」にまとめないでほしい。でも、いい大人だから実際「よそよりラクなのかも」という意識もあったからこそ、きつかった』
『そもそも、育てている人以外が「育てやすい」って表現、謎だよね』
いっそポジティブに!?「育てやすい子」を、ホメ言葉に受けとってみる
ママスタコミュニティでは「育てやすい子」発言問題で、気持ちのいい明るさを見せてくれたママがいました。つまるところ、自分たち親子が幸せを感じて暮らせているなら、それで万事OKかも? な~んていう前向きな気持ちが湧いてくるようなコメントの数々をご紹介します。
『うちも言われるよ。四六時中見てる私からすると「いやいや……夜中なんて」とかモヤモヤはする。でも、「育てやすい=手がかからない」ってプラスにとらえるようにしてるよ!』
『私も毎度ストレスだったんだけど、学生時代の友達で人をけなしたりしなくて、むしろ褒めてくれるタイプの子に「わぁ!」みたいな明るいテンションで言われたときは、嬉しかったな』
『「育てやすい」は「賢いね」と同等のホメ言葉だと思います。「甘えるな」なんて全く思ってなくて、悩みを聞くと「うちの子より高度な悩みだな……賢い子は賢い子なりに悩みがあるのね」って思っています』
『うちは逆に「大変だね」って言われていたから、嫌な気持ちになったことがあって。単純に育てやすそうで羨ましいと思って、言ってしまうことあるかも。気をつけます!』
お互いの子どものタイプが違うと、誤解が生まれやすいのかもしれません。筆者がホメ言葉のつもりで発した言葉も、どこかで相手のママを傷つけていたかもしれないと思うと、いたたまれない気持ちになります。
育児の世界は、子どもと親の色とりどりの個性であふれていますね。それぞれに違う人間ゆえ、誤解が生じたり、思わぬところで相手を傷つけたり……。ちょっとしたすれ違いを完全に避けることは難しいとしても、相手のママの気持ちを慮れる自分を目指したいです。
文・福本 福子 編集・山内ウェンディ イラスト・松本うち