ポイントは「気候」お雛さまを来年も美しく飾るための片付け方
みなさんは、お雛さまをどのタイミングで片付けていますか? この時期になると、「お雛さまを早く片付けないと、お嫁に行けなくなる」という話を聞いて、幼いながらも「早く片付けなければ」という気持ちになっていたことを思い出します。
ママスタコミュニティでも、お雛さまの片付け方についてのトピックスには同じような意見がたくさん投稿されていました。
『ひなまつりを終えたら早く片付けないと嫁に行き遅れるんだよ』
『すぐ片付けないと行き遅れるって言うよね』
『旦那が「早く片付けないと結婚できなくなるぞ~」と毎年子どもに言うから子どもが早く片付けてとうるさい』
「行き遅れる」というのは迷信ですが、これには、「片付けができないようでは、家事もきちんとできるはずがないので嫁に行くのが遅れる」「身代わりとなり厄を払ってくれるお雛さまが、長く飾っておくことで再び厄を拾う」などの説があります。
行き遅れるのかどうかはともかくとして、人形をいい状態で片づけるための気候があるようです。
ベストなのはお天気の良い乾燥した日
『節句の本来の意味からは季節の節目で早めに片付けるのも良いでしょう。
昔から早く片付けないと、縁が遅くなると言われていますが、これは迷信です。
お雛様のためには、お天気の良い乾燥した日にお片づけください』
参照:京都 桂甫作 安藤人形店
具体的に「いつ」ということはなく、節句が終わったら早めに、お天気のいい日に片づけるというのがお雛さまにとっては一番良いようです。
*地域によっては、旧暦でお雛さまをお祝いする場合もあります。その場合は4月3日頃まで飾るご家庭もあります。
プロが教える、お片付け・お手入れのポイント
お雛さまは、一度片付けると約1年後まで段ボールの中に入れたままの状態にもなり得ます。来年の節句にもきれいな状態でお雛さまを飾るため、片付けるときには細かな注意が必要。三段飾りや七段飾り、現代の住宅に合うコンパクトなお雛さまなど片付けの手順にはいろいろありますが、ここではすべてに共通するお手入れについてご紹介します。
片づけに必要な道具
今まで素手で片付けをしていた! という方も多いと思いますが、繊細なお人形なのでお片付け時には布手袋が必須です。
•布手袋
•羽根バタキ
•細筆
•人形用防虫剤
•人形を包む布・やわらかい紙
①まずはお天気をチェック!
お雛さまを片付けるのは、天気が良く、空気の乾いた日にしましょう。
②布手袋を装着
人形の頭や手足に、直接手を触れないようにしてください。というのも、直接触れるとシミがつくことがあるからです。布手袋を使いましょう。
③お人形、小道具のほこりを払う
羽根バタキでやさしくほこりを払い、細かい箇所は細筆などを使って丁寧に行ってください。髪や衣裳についたほこりは、毛ばたきか柔らかな小型の洋服ブラシがおすすめです。
④紙や布で丁寧に包む
お人形の頭や手足は柔らかい白紙で包みます。強く包むと型くずれの原因になりますので、やわらかい紙がおすすめです。小道具もそれぞれしっかり紙か布で包みます。
⑤防腐剤の入れ方
箱に入れる防虫剤は少なめにしてください。人形の持ち物・台・お道具セット・ぼんぼり・桜・橘などで樹脂製のものは、ナフタリンが溶けることがあるので使用しないでください。
⑥仕舞う場所も重要
片付ける場所は、極度に乾燥したり、湿気の多かったりするところは避けましょう。納戸や押し入れの上の段など高い場所で保管することで、カビ・シミ・変色が防げます。
ちなみに、2018年の桃の節句は土曜日です。翌日がお天気のいい日曜日になれば、片づけ日和になりそうですね!
文・鈴木じゅん子 編集・しらたまよ
※京都 桂甫作 安藤人形店さんのホームページに掲載されているものを許可を得てご紹介させていただきました。