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大腸がんのリスクを高めるって本当?子どもが大好きな「ハム・ソーセージ」との関係


朝食時やお弁当など、調理も楽で気軽に食卓に登場する加工肉。ハムやソーセージ、ベーコンなど好まれるお子さんもいらっしゃいますよね。しかしながらママたちの中には、「加工肉」は身体によくないのではないか、というイメージを持っている方もいるかもしれません。

ママたちの加工肉(ハム・ソーセージ等)・赤肉(牛・豚)の摂取に対する、不安の声が寄せられています。

「ソーセージ」「ハム」「べーコン」は身体に悪い!?不安なママたち

『よくはないよね。子どもに食べさせてる人多いけどうちはあげない』

『ほぼ食べてない。たまにお弁当に入れるだけ』

『おいしいのに体に悪いんだね』

『加工肉がダメと言われたら、毎日の献立が思いつかなくなる』

『毎日食べたら死ぬとかはないだろうけど、人によっては癌になったりするんじゃないかな』

子どもには食べさせない、もしくは最低限の摂取を心がけているというママたち。パンやごはんだけでなく、様々な食材との相性が良い加工肉が使えないとなると、料理を行う上で不便に感じるママもいるようです。

「加工肉・赤肉」と「発がん性」との関係

世界保健機関(WHO)の下部機構である「国際がん研究機関(IARC)」が「加工肉・赤肉の摂取により大腸がんのリスクが増加すること」について研究結果を発表しました(2015年10月26日)。日本でもマスコミによって広く伝えられ、報道を目にした多くのママたちが不安に思われたことでしょう。その後IARCの発表にともない、日本の「国立がん研究センター」は、赤肉・加工肉の発がんリスクについての見解をあらためて発表しました。

大腸がんのリスク上昇は「加工肉」の摂取ではなく「肉類全体」の摂取が原因

国立がん研究センター 予防研究グループは「赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて」の調査を行い、肉類の総量や赤肉(牛・豚)、加工肉(ハム・ソーセージ等)の1日当たりの摂取量を少ない順に5グループに分け、その後に生じた大腸がん(結腸・直腸がん)の発生率を比べました。その結果、赤肉の摂取量が多いグループで女性の結腸がんのリスクが高くなり、肉類全体の摂取量が多いグループで男性の結腸がんリスクが高くなりました。また男女ともにおいて、加工肉摂取による結腸・直腸がんのリスク上昇は見られませんでした。

さらに詳しく紹介していきます。

男女別、「肉類」の摂取量と「結腸がん」のリスクとの関係

調査によると、肉類全体の摂取量が多いグループ(約100g/日以上の群)で男性の結腸がんリスクが高くなります。また赤肉の摂取量が多いグループ(約80g/日以上の群)で女性の結腸がんのリスクが高くなりました。男性においては、赤肉摂取量によるはっきりした結腸がんリスク上昇は見られませんでした。

「赤肉摂取」と「大腸がん」の関係について

赤肉による大腸がんリスク上昇のメカニズムは、動物性脂肪の消化における二次胆汁酸、ヘム鉄による酸化作用、内因性ニトロソ化合物の腸内における生成・調理の過程で生成される、焦げた部分に含まれるヘテロサイクリックアミン(発がん物質)等の作用が指摘されてきました。これらの作用は、牛・豚肉といった赤肉に限らず、肉類全体の摂取を通してももたらされる共通のものとして捉えることができます。

今回の結果では、赤肉摂取による直接的な大腸がん発生リスク上昇は男性において観察されませんでしたが、牛肉・豚肉は肉摂取量全体の85%程度を占めることから、男性でも赤肉摂取による結腸がんリスク上昇の可能性は否定できないでしょう。つまり肉類全体の摂取量と結腸がんリスク上昇の関連が見られる以上は、牛肉や豚肉も含めて食べ過ぎないようにする必要があると考えられます。

ただし「加工肉・赤肉」の摂取は、日本人の一般的なレベルなら「大腸がんリスク」とならない

調査では男性・女性のいずれにおいても、加工肉摂取による結腸・直腸がんのリスク上昇は見られませんでした。ただし、加工肉摂取量をもう少し細かく10グループに分け調査したところ、男性の最も摂取量の多い群で、結腸がんリスクの上昇が見られました(摂取量の少ない下位10%の群と比べ、上位10%の群では発生率が1.37倍)。つまり日本人が一般的に食べるレベルでは、はっきりとしたリスクにはなりません。しかし通常よりもはるかに多量に摂取する一部の男性では、結腸がん発生リスクを上げる可能性は否定できません。

また調査から分かった「赤肉の摂取量」の目安は週に500g未満です。2013 年の国民健康・栄養調査によると日本人の赤肉・加工肉の摂取量は一日あたり63g(うち赤肉は50g、加工肉は13g)とされています。そのため肉類の過剰な摂取に対しては、改めて見直す必要があるものの、通常の食事量であればさほどリスクではない、ということになります。

※摂取量の推定値について: この研究で用いられている食物摂取頻度アンケート調査は、摂取の相対的なランキングには適していますが、それだけで実際の摂取量を正確に推定するのは難しいのが実情です。また、年齢や時代・居住地域などが限定された対象集団の値を、全ての日本人に当てはめることも適当とは言えません。ここで示す摂取量は、あくまでも参考値としてご理解ください。

消費生活アドバイザーの古谷 由紀子先生も「害かどうかは量との兼ね合い。添加物の量は一生、毎日取っても体には影響がないという基準が定められているので、添加物の摂取は心配しなくて大丈夫」と発言しています。

特定のものにこだわって過剰に摂取するのではなく、多種多様な食品をバランスよく食べることが理想的な食事なのかもしれませんね。

文・編集部 イラスト・Ponko

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