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「仕事をがんばるお母さん」が子どもの誇りになるワケ

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「子どもを預けて働く」ことに罪悪感を感じるお母さんたちに対して「母親とは、子どものそばにいてあげられないことを罪深く思う生き物です」と語るのは、「花まる学習会」代表の高濱正伸先生。「お母さんの帰りを家で待つ子ども」の視点を中心に、働くお母さんについてのお話を伺いました。
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母親は、子どものそばにいられないことに「罪悪感」を持つもの

子どもを預けて働くことに罪悪感を持つ。これはお母さんだったら少なからずそう思うものでしょうね。母親は、子どものそばにいてあげられないことを寂しく、罪深く思う生き物なのです。これは母親としての本能です。ただ、子育ての最終目標が「将来、自立できるようにすること」だとすれば、24時間べったりそばにいなければいけない、なんてことはまったくありません。

よそのお母さんやおばあちゃんたちが集まると「子どもを預けて働くなんてかわいそうよ」という人もいますが、子どもの自立を考えたら、預けて働くのは全然問題ありません。お母さんは罪悪感を覚えるかもしれませんが、大きくなった子どもたちに聞いてみると「がんばっている母の姿」は子どもにとって大好きな姿なのです。

「僕たちのために、毎晩走って帰ってきてくれた」それが子どもたちの誇り

ある青年から見た、働くお母さんの話をします。彼の家は両親が共働きで、いつもお母さんの帰りは夜の8時過ぎだったそうです。学校から家に帰っても誰もいないなか、彼は弟と一緒に、お母さんの帰りを家で待っていたそうです。

夜8時くらいになると、走ってくる足音が聞こえます。それがお母さんの足音だったのです。家に着くと、鍵をガチャガチャと開けて「ごめん、ごめん!」といいながら部屋に上がり、急いで晩ご飯を作ってくれる。その姿を見て彼は「お母さんは、僕たちのために走ってきてくれる」と思い、自分たちに対し絶対的な愛情を感じ、がんばっているお母さんが誇りだったそうです。

お母さんからしたら「子どもに寂しい思いばかりをさせてしまっているんじゃないか」と思うかもしれません。しかし、子どもが成長して振り返ってみたとき、働くお母さんは誇りに感じているのです。

1日5分の「だっこ時間」があれば子どもは頑張れる

「仕事や家事で忙しくて、子どもの面倒を十分に見てあげられない」。そんなときは、1日5分でいいので、毎日同じ時間にしっかりと子どもと向き合って話を聞いてあげてください。それだけで子どもは安心します。
たとえば、毎朝7時から7時5分。「この5分間は、ママは絶対に家事を全部やめて僕のところにきてくれる。そしてずっとお話を聞いてくれる」。5分終わったら「はい。今日は終わりね」といって離して大丈夫です。それだけで子どもは23時間55分、平気で頑張れるのです。その5分の間で「ママはあなたのことがとっても大事だよ。でも、生活のために仕事もがんばるからね」と伝えてあげるのです。

小学生以降は、週末の買い物やドライブがおススメ

1日1回。兄弟がいたら1人5分ずつ。膝のうえに乗せてギュッと抱っこしてあげて、スキンシップを取りながら話を聞いてあげる。「あなたのことを忘れてないよ」ということを伝えてあげるだけでいいのです。逆に「今日は忙しいから、また明日」「ちょっとだけね」といって、たった5分の時間を作ってあげなかったり、親の都合で時間をいつもよりも短くしてしまったら、子どもは「もっと遊ぼう」といって、無限に時間を取りにきます。

子どもが小学生になって「抱っこは恥ずかしい」という場合は、土曜日の午後はお兄ちゃん、日曜日の午後は妹のために時間を取ってあげる。車で30分ほどドライブしたり、近所のスーパーへ買い物に連れていくのでもいいのです。そうやってきちんと子どものために予定を入れてあげるだけで、子どもはお母さんからの愛情を受け取ることができるし、それを糧に頑張ることができるのです。

取材、文・長瀬由利子 編集・北川麻耶

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