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大きな画用紙にドングリ2つ……。子どもの工作作品にガックリしたママの「声の掛け方」とは?

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あるママから、子どもの工作についてこんな声が寄せられました。

月に1回通っている幼児向け教室で、5歳の長男が工作の作品を作ってきました。事前に先生から落ち葉や木の実を拾うよう連絡があったため、できるだけきれいなものを集めて持たせたのですが、仕上がった作品を見てびっくり! 白い大きな画用紙にドングリ2つがテープで留められただけのものでした。まわりの女の子たちは、売り物になるくらいステキな作品に仕上げているのに、うちの子は何をしていたんだろうと思います。こんなとき、息子になんて声をかけてあげたらいいのでしょうか?

「花まる学習会」の代表、高濱正伸先生にお話を伺いました。
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「どんぐり2つ」でも、子どもにとっては最高の作品

ママは、子どもの作品をすごく楽しみにして待っていたのでしょうね。「落ち葉をきれいにかざれたかな? どんぐりの数は足りたかな?」など、どんなものができるのかワクワクして。にもかかわらず、予想に反して画用紙にどんぐり2つ……。ママからしたら「せっかく拾い集めた葉っぱや木の実はどうしちゃったの!?」という感じでしょうね。
こんなとき、ママはついつい子どもに「もっと頑張れたよね?」といってしまうかもしれません。しかしそれは言わないほうがいいですよ。ママからしたら「画用紙にただテープで留められたどんぐりが2つついているだけのもの」ですが、子どもからしたら最高な作品かもしれません。

子どもの作品が期待値よりも低かったときは、正直に聞いてみること

子どもの作品が期待値よりも低かったとき、思わずコメントに詰まることがあります。「ほめてあげたほうがいいんだろうけど、いったいどこをほめたらいいの……」と。こんなときは正直に「もうちょっと貼ったほうがよかったんじゃない?」といえばいいのですよ。または「なんでこういう作品になったの?」と聞いてあげるのもいいですね。ただ、男の子の場合は作品について質問しても、「忘れた」「どんぐりが好きだから」くらいしか返ってこないかもしれません。男の子は目の前にあることには夢中でやるけど、終わったあとは興味が薄れて、別のことに頭がいってしまうのですよ。

ママの「もったいない」が1番危ない

実は、ママの「せっかくお金を払って行かせているんだから、ちゃんとやりなさい」的な感じが一番危ないです。その「もったいない」という感覚、ママは気をつけたほうがいいですね。そういうママは、たとえば子どもが作文を書いたとき「ほかの子はいっぱい書いているのに、なんであんたは『サッカーしました』だけなの? ほかに書くことあるでしょ!」と言い出す可能性が高いです(笑)。

女の子は「振り返りが得意」男の子は「今が大事」

男の子は、基本的に「今」が大事だから、終わったことには興味ないのです。だから1日を振り返って書く日記には書くことが思い浮かばないのです。
それに対して女の子は、振り返りが得意だし、作品作りのときに「かわいく」「きれいに」仕上げようとします。さらに女の子の場合は、まわりをよく見ているので、隣の子の作品と自分の作品を見比べて、いいと思ったところはどんどん取り入れていきます。そのため、上手にしあがるのです。ただ隣の子の作品を見ることは、「地獄の一丁目」と呼んでいて、他人の模倣になる可能性があります。ママも女性だから、すぐに我が子とほかの子を比較してしまうのでしょうね。

自分が感じるままに作ればいい

子どもの作品に関して不安を感じたママは、『成長する絵画』展を見てみるといいかもしれません。『成長する絵画』展の絵は、脳性麻痺の子どもたちが描いているものですが、とても感慨深いです。指導者の先生は「これをやろう」とか「こうしたほうがいい」ということは一切言いません。

何の絵を描いたか、きれいに描いたか、写真のように上手に描いたか、というありふれた価値観のものが多くあります。スケッチでも似ていると「すごい!」といわれるでしょ。しかしアートはそういうことではありません。自分が感じるままに表現すればよくて、そもそも点数もつけられません。

だとすると、工作教室にいって画用紙に2つのどんぐりを張りつけた子どもの作品は、彼なりの意味があったのだと思います。ママがいいと感じたところをどんどん子どもに伝えてあげましょう。それによっていろんな作品が生まれてくると思います。

取材、文・長瀬由利子 編集・北川麻耶

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