花粉による「肌荒れ」。医師が教える対策法とは?
そろそろやってくる花粉の季節。早いと1月下旬から症状が出てくる方もいらっしゃるかもしれません。花粉症はくしゃみや鼻づまり、目のかゆみなどを引き起こすことはよく知られていますが、花粉が肌荒れの原因にもなることをご存じですか? 春先に肌荒れに悩まされる方は、皮膚科専門医の先生が教える、花粉による肌荒れ対策法をぜひ参考になさってみてください。
花粉が肌荒れの原因とわかっているのに、その「対策方法」がわからない女性が多数
スキンケアブランド「d プログラム」が行った「働く女性の花粉による肌荒れとスキンケア方法」に関する調査結果によると、春先に肌荒れなどを経験したことがある女性は64.3%にものぼりました。
また、春先の肌荒れを経験した女性の約半数の方は、その原因を「花粉などの微粒子だと思う」と回答。多くの女性が、花粉はくしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状だけでなく、肌荒れの主な原因のひとつだと感じていることが分かりました。
また、春は新生活がスタートする時期ということもあり、45.6%の女性が「環境変化や人間関係によるストレス」が肌荒れの原因と回答。春先はストレスを感じる女性が約半数いることが分かりました。
しかし、花粉が原因で肌荒れしていることを認識しているにもかかわらず、約7割(67.5%)の女性は「普段とは違う特別な対策はしていない」と回答。その理由は、「花粉による肌荒れの対策方法がわからないから」ということもわかりました。また、34.5%の人は花粉が肌荒れの原因のひとつだと知らない人もいることが分かりました。
花粉による肌荒れの対策は早めにスタートして!
花粉が肌荒れの原因になると考える方が多いようですが、銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子(けいだともこ) 先生によると、「肌のバリア機能の低下」が問題なようです。
『花粉は大きな分子なので、肌のバリア機能がしっかりしていれば、普通は影響を与えることはありません。しかし、肌のセラミド(角質細胞間脂質)が少なすぎたり、保湿不足や生活習慣の乱れで、肌のターンオーバーが悪い状態になってくると、バリア機能が壊れてしまいます。これはまるで肌が穴のあいた傘をさしている状態のため、花粉が肌に付着してアレルギー反応が起きてしまいます』
皮膚は通常、皮脂がつくる皮脂膜やNMF(天然保湿因子)、セラミドなどがバリアを作り、ホコリや細菌などの外部刺激や花粉などのアレルゲンから肌を守っているとのこと。この働きのおかげで肌内部の水分が蒸発しない仕組みのことを「バリア機能」と呼ぶそうです。花粉に負けない肌にするためには、どうすればいいのでしょうか?
『十分な保湿ケアでバリア機能をしっかり整える、もしくはバリア機能のある化粧品などで肌をブロックすれば、刺激性皮膚炎(花粉や大気汚染物質、ホコリなどが原因で起きる肌荒れなど)を防ぐことができます』
しっかりと水分を保持できる肌を保ち、バリア機能を整えることが、肌荒れを防ぐ方法なのだそう。慶田先生は、花粉が少しずつ飛び始める1月ごろからその対策を始めた方がいいとおっしゃいます。
『花粉は1月上旬から少しずつ飛び始めるので、その時期から肌に花粉が付着するのを防ぐことが大切です。先手を打って、花粉を肌にふれさせないようにし、皮膚炎を起こさないようにすることが重要となります。当院でも、花粉のピーク時期頃に肌荒れなどの症状を実感してから来院する方が圧倒的に多いのですが、皮膚炎を起こしてしまうと、バリアは更に低下し悪循環を招きます。 症状の程度によっては、薬を使って症状を抑える必要があったり、治りにくくなったりします』
肌荒れを悪化させてしまうと皮膚炎を起こし、肌が治りにくくなるそう。マスクやメガネで肌に花粉が付着しないような対策をすることはもちろん必要ですが、その前に化粧水やクリームなどを使って保湿をしっかり行い、バリア機能を低下させないようにすることが大切だそうです。
花粉に負けない肌を今から作って、今年こそは肌荒れに悩まされない快適な春を過ごしたいですね。
調査期間:2017年12月7日(木)〜8日(金)
調査方法:インターネット調査
調査対象者:全国の20〜30代の働く女性(化粧品/医薬品関連従事者を除く)