窪塚洋介:第8回 家族にとって、癒しであり刺激である存在になりたい
2015年に、元ダンサーのPINKYさんと結婚、2017年6月には、PINKYさんとの間に、長女あまとちゃんが誕生した窪塚洋介さん。14歳になる長男の愛流くんを含め、4人家族となりました。
全8回でお届けしてきた、窪塚洋介さんのインタビューコラムも今回が最終回となりました。窪塚さんの考える「父親の役割」とは? そして、「子育てしやすい世の中」になるためには一体何をすればいいの? 最後までお楽しみください。
家族の中で、父親が担うべき役割とはどういうものだと思いますか?
母親もそうだと思うけど、子どもに安心感を与えてあげられて、なおかつ家族にとって癒しであり刺激である存在であることは、すごくステキだと思うんですよね。
父親としてそういう存在になれたらいいなと思う。うん、そういうものに、私はなりたい(笑)。
「父親」である自分を意識するときは、どんなときですか?
愛流(窪塚さんの長男)が生まれたばかりの頃は、まだ自分が父親になったということを感じられていなかったんですよね。父親ではあったけどフワッとしてたというか、実感があまりなかった。
その後ヨチヨチ歩きの頃の愛流に、初めて「パパ」って呼ばれたときにドキッとして、「あ、そうか。俺はパパなんだ」とはっきり感じた瞬間があって、俺はあの日に「お父さん」になった気がするんです。すごく記憶に残ってるから。
最近愛流に「お父さん」と呼ばれて、そのときも「あっ!」と思ったんだよね。「父親なんだ」と思うとしっかりしようとも思うし、単純にパワーをもらえますね。
子どもはいてくれるだけでいいけれど、気持ちが通じあってきて意思の疎通ができるようになって、かけがえのない存在になっていく過程に立ち合えてるから面白い。ずっと見ていられます。
「母親」になったPINKYさんに対して、夫として感じることはありますか?
彼女が前から持っている良いところが、より強くなったというか……。彼女の持っているものは前と同じなんだけど、レベルアップしたなと感じます。貫禄も出てきたし、まだまだ伸びていくんだろうなと思っています。
子どもたちに対しては、すごく優しい。あまと(窪塚さんたちの長女)が泣いてたら、夜中だって嫌な顔せずにお世話してるし、わからないことはググったりしつつ、ママ友からも情報を集めて我が子のために尽くしている、母親としても女性としてもすごく素敵だなと思います。
窪塚家が家族で楽しむことや恒例にしているものはありますか?
ハロウィンですね。俺、PINKYに出会うまでハロウィンに全く興味がなかったのに、今では毎年仮装してスタジオで写真を撮ってるんですよ。毎回PINKYがプロデュースしてくれていて、今年は家族でピーターパンの仮装をします。俺はフック船長の仮装をする予定です。
愛流は中2で、年齢的にだんだん家族との行事に参加しなくなってきていますけど、今年はまだやってくれるんじゃないかな? そこは無理に付き合わせても仕方ないし、俺もそうだったからね。だんだん、子離れしないとね……(笑)。
(*)編集部注:インタビューはハロウィンより前に行いました。
今の世の中は、「子育てしにくい」と言われることがありますが、「子育てしやすい世の中」になるためにはどうなることが理想だと思いますか?
みんなが「人のせい」「時代のせい」とか、何かのせいにしなくなったらいいだけなのかなという気がします。もっと抜本的なことを言うと、フリーエネルギーになったらいいなと思います。生きるため、お金を稼ぐために働くのではなく、生まれてきたことをあるがままに楽しめるようになればいいと。
これからは自分が本当に好きなことを、あるがままに「want to」で生きられる時代になるような気がするんです。そのために発想のパラダイムシフトをして、みんながそれぞれ得意なことを適材適所でやっていったら、あっという間に良い世の中、子育てしやすい世の中になるのではないかなと思います。
望むものは、信じて頭の中に描いておかないとやってこないんですよ。理想とする世の中を考えられる人がたくさん増えれば、そういう世の中になっていくんじゃないかな。今は
理想を語ることすらバカにされたり失笑されたりするような世の中になっているから、そりゃ悪循環にもなりますよね。
最後に、読者のみなさんへのメッセージをお願いします。
お父さんとお母さんの力は無限だと思います。起こること全部をエネルギーに、力に変えてより良い未来、世界をみんなで作りましょう。
全8回を通して、普段メディアを通してなかなか聞くことができない、窪塚さんの“パパ”として、そして“家族の一員”としてのお話などを伺うことができました。貴重なお話、ありがとうございました。窪塚さんにまたお話を伺える機会を楽しみにしています。
取材、文・上原かほり 撮影:chiai