窪塚洋介:第5回 33時間の出産を頑張り抜いてくれたPINKYに感動しました
俳優業のみならずレゲエDJ「卍LINE」のほか、ミュージック・ビデオ監督、カメラマン、モデルなど、さまざまな分野へ活動の幅を広げている窪塚洋介さん。2015年に元ダンサーのPINKYさんと結婚され、2017年5月には、女の子が誕生しました。インスタグラムでは、パパの顔をした窪塚さんに抱かれる娘さんがたびたび登場します。
インタビュー第5回目は、PINKYさんの妊娠期間中のこと、初めての女の子育児について、たっぷりお話を聞かせていただきました。お腹の中の子が女の子とわかったときの気持ちは、世のパパたちと同じだったようです。
PINKYさんの妊娠がわかったときのことを教えてください。
PINKYはずっと「子どもが欲しい」と言っていたので、妊娠がわかったときはすごく喜んでました。俺はもちろんすごく嬉しいんだけど、「もう一人子どもが増えるのか」という現実的な気持ちにもなったんです。
それまでは仕事の移動もPINKYと一緒だったから、「子どもができたら今みたいにPINKYとくっついて歩けないよな」とか、「基本的にはPINKYは家にいるようになるのか……」と、環境が変わることに少し寂しくなったというか……。
一度仕事でトルコに行ったときに、「なんでここに、PINKYも愛流(窪塚さんの長男)もいないのかな」と思ったことがあったんです。いろんなものを家族で一緒に見たいという気持ちや、それができない物足りなさが自分の中にありました。
でも今は、いつか家族で一緒に行けるようになることを楽しみにするのもいいなって思いますね。
妊娠中に性別がわかったそうですが、女の子のパパになるとわかったときの気持ちを教えてください。
「あー、お嫁に行っちゃう」と思いました(笑)。「いつか、離れていっちゃうんだな」って。まだお腹の中にいるときで、会ってもないのに寂しい気持ちになったんです。これは息子のときにはない感情だよね。
PINKYさんは、どんなマタニティライフをすごしていらっしゃいましたか?
つわりもなく特にトラブルもなく、臨月までハッピー! な感じで過ごしていました。
記念にマタニティフォトの撮影もしたんですよ。このまま元気に安産で出産するんだろうなと思っていたら、「いざ出産!」というときがとても大変でした。
出産時に何かあったのですか?
家で破水をして、病院に行ったらそのまま入院になったんですけど、そこからなかなか陣痛がこなかったんですね。
俺らには「自然分娩で出産したい」という希望があったので、病院側もギリギリまで付き合ってくれました。「あと1時間で陣痛が来なかったら、促進剤を使う」というところまでいったんだけど、そこから急にお産が進み、希望通り自然分娩で出産できました。
結局33時間くらい分娩室で過ごし、俺は2回寝落ちしてるので、安産とは感じなかったですね。
出産に立ち合ってPINKYさんに感じた気持ちを教えてください。
愛流が産まれるときも立ち合ったんだけど、そのときはすごく早かったんです。だから娘のときは、PINKYが死んじゃうんじゃないかってすごく不安でした。赤ちゃんの方はずっと心拍数が安定していたので、病院もそれでこちらの意向を尊重してくれたんです。
一生懸命頑張って新しい命を産もうとしているPINKYの姿をずっとそばで見ていて、すごく感動しました。この先PINKYとケンカをしたとしても、ちょっとのことなら俺が折れようという気持ちになりましたね。(笑)
娘さんには「あまと」と名付けられました。その名前に込められた意味はなんですか?
俺のレーベルが「AMATO RECORDZ(アマト レコーズ)」という名称なんです。レーベル自体は2006年からあるのでそちらが先なんですが、「あまと」という言葉が持つ響きが好きで、もし次に子どもが生まれたらこの名前をつけようと思っていたんですね。
それをPINKYに相談したら、「すごくいいね」と言ってくれたので、「あまと」と名付けました。
子育てが始まって、男の子と女の子の育て方に違いを感じますか?
全然違いますね。男の子は安心だったというか、多少ラフでも育っていくんだろうという気持ちがあったけど、女の子はそうはいかないもんね。
抱っこの感触からして違うでしょ? 男の子は比べれば固いしガッチリしてるけど、女の子は大福天使みたいな感じがするから、柔らかく優しく育てるんだろうなというのは直観的に感じました。オムツを替えるときも最初は「うわぁ、どうしたらいいんだろう……」と戸惑っていたくらいだったから、女の子を育てる方法はPINKYに聞きながら学んでいくしかないですよね。
「三つ子の魂百まで」と思うから、うんち漏らしても褒めて、怒らないようにしようと思ってます(笑)。
あまとちゃんには、どんな女の子に育ってほしいと思いますか?
聡明な子になりそうだなという予感がするというか、そうなってほしいなと思いますね。
しなやかに、美しく、優しいから強い、元気で豊かな女の子になろうね~。と呪文のように話しかけることもありますよ。
PINKYに似てほしいなと思うところはたくさんあります。ただ文武両道な子にもなってほしいので、運動音痴なところだけはPINKYに似てほしくないけどね(笑)。
お子さんの話をする時の「パパの顔」の窪塚さんも、とってもステキでした。
次回もお楽しみに。
取材、文・上原かほり 撮影:chiai