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クリスマスってそもそも何のためのもの? #今さら聞けない基礎の基礎


なんとなく知ってはいるけれど、実際どんなものかよくわからない、そんな子ども絡みのイベント・行事って多いですよね。「クリスマスって何? なんでツリーを飾るの?」と子どもに聞かれても、結局由来のようなことは何一つ出てこず……。

今さら聞けない基礎の基礎「クリスマス」について、最近のトレンドも合わせてお届けします。

クリスマスは、イエス・キリストの誕生を祝う祭

クリスマス(Christmas, Xmas)は、キリスト教の救い主であるイエス・キリストの誕生を祝う祭です。12月25日がイエス・キリストの誕生日と思われていますが、実は誕生日は不明。誕生日については古代よりさまざまな研究がなされていて、12月25日が誕生日と宣言した偉い人もいます。確かなのは、12月25日は「誕生を祝う日」ということです。

クリスマスを祝う方法は、クリスマスツリーやリースを飾り、プレゼントを用意し、ご馳走を食べて大切な人と過ごす……というイメージがありますが、当日の過ごし方や具体的な記念日は世界の国々によって様々です。

たとえばイギリスやアメリカ、フランスなどでは、クリスマスは家族とともに過ごす日です。24日のクリスマスイブの夜は家族とともに夕食を取り、深夜はクリスマス・ミサに出かけるのが一般的。
オランダやドイツの一部地域などでは、聖ニコラウス(サンタクロースのモデル)の日である12月6日にプレゼントをもらいます。

キリスト教では復活祭(イースター)の方が重要視されていますが、昨今ではクリスマスも力の入った行事となっているのですね。街も華やかに彩られます。

日本ではキリスト教の行事としてではなく、冬の楽しいイベントとして定着しています。

サンタクロースとは

良い子にプレゼントを持ってきてくれるサンタクロース。白の縁取りを施した赤い服をまとい、クリスマスプレゼントがたくさん入った大きな袋を担ぎ、トナカイが引くソリに乗る、かの有名な白ヒゲのおじさまです。

サンタクロースのモデルは諸説ありますが、カトリック教の聖職者・ニコラウス(ニコラス、ニコラオス)がその一人です。彼は恵まれない人たちに贈り物をしたり、無実の死刑囚を救ったりと、人々に崇められるような行いをしていました。キリスト教では聖人であり「聖(セント)・ニコラウス」と呼ばれていたのが、セントニコラウス→サンタクロースの音に変化したという話もあります。

国によってはサンタクロースに代わって魔女や男の人がプレゼントを配るのだとか。良い子へのプレゼントだけでなく、悪い子には罰を与えることもあるそうですよ……。

サンタが存在するかどうかは子どもたちの想像にお任せするところですが、実際に大人がサンタになれる団体もあります。

1957年にはグリーンランドに「グリーンランド国際サンタクロース協会」が設立されました。協会が認定する公認サンタクロースは世界中にいて、世界サンタクロース会議を催したり、クリスマスに自宅で過ごすことができない子どもたちを訪問したりしています。

フィンランドの街・ロヴァニエミにはサンタクロース村があり、サンタクロースはここから世界の子どもたちへ手紙を届けています(有料)。

日本でも、誰でもサンタクロースになれる「チャリティーサンタ」という活動がNPO法人によって行われています。

クリスマスツリー、リースの意味

クリスマスツリーの由来は諸説あり

クリスマスツリーは、旧約聖書の『創世記』に登場する知恵の樹(善悪の知識の木などとも)をモチーフとした木です。知恵の樹とは、最初の人間アダムとイブが蛇に唆されて食べたという禁断の果実を実らせていた樹のことです。

クリスマスツリーの由来は、
1. 8世紀のドイツにて、幼児をいけにえに捧げていた宗教集団を止めるために、彼らに崇拝されていた樫の木を切り倒したところ、モミの木が生えてきた伝承による
2. 神学者マルティン・ルターが、木々の間に無数の星が輝いていた様子を見て、自分の家でも飾り付けをした
3. 古代ヨーロッパの祭り「ユール」で樫の木が飾られる風習が元。樫の木がモミの木に変化
と諸説あります。

ツリーに使われる木は常緑の針葉樹で、日本ではモミの木やエゾマツなどが使われます。一年中緑の葉を茂らせる木の様子は、“強い生命力”、ひいては“永遠”を表しています。ツリーに飾るのはリンゴやろうそく、雪を模した綿、ボールオーナメントなどです。ツリーの一番上に飾る星は、キリストが生まれた場所へ東方の博士(賢者)を導いた、“ベツレヘムの星”を表しているんですよ。

クリスマスプレゼントは、クリスマス当日までツリーの足元に置かれることもあります。

クリスマスリースの意味は“永遠”

クリスマスリースの「リース(wreath)」とは、花輪や花冠といった輪状のものを意味します。リースの由来はまたしても諸説ありますが、古代ローマ人にリースを飾る風習があったことが由来のひとつです。

リースの輪は“永遠”を表します。幸せがいつまでも続くようにという願いが込められているのですね。リースの緑色には“農作物の繁栄”などの意味もあります。

日本でのクリスマス

明治時代の1900年代からクリスマス商戦が始まり、イベントとして定着しだしました。時代が下るにつれ、クリスマスツリーやサンタクロースが登場します。第二次世界大戦中はさすがにはばかられたようですが、戦後に復活、今では日本の冬を代表するイベントとなりました。特にキリスト教と関係なく、プレゼントを何にするかで盛り上がったり、恋人たちが愛を語ったりするのが、現代日本のクリスマスの特徴です。

世界のクリスマスグルメ・スイーツ


日本ではチキンにケーキと相場が決まっていますが、世界ではいろいろなクリスマス・グルメがあります。

七面鳥、ローストビーフなど

アメリカではクリスマスには七面鳥を出す……というイメージがありますが、七面鳥は11月末の感謝祭に出されるごちそうでもあります。クリスマスディナーでは七面鳥を出すご家庭もありますし、ローストビーフ、ハムなどの場合もあります。

ブッシュドノエル(ビュッシュ・ド・ノエル)

フランスで生まれた、丸太の形をしたケーキです。ブッシュドノエルには「クリスマスの薪」という意味があります。

シュトーレン

ドイツの菓子パンです。クリスマス前に作り、クリスマスまで毎日、1枚1枚スライスして食べます。

クリスマスプディング

イギリスのクリスマスには定番のスイーツ。日本のいわゆるプリンとは異なります。ドライフルーツや卵、小麦粉、アルコール類などを混ぜて蒸し上げ、長時間熟成させるという手間暇かけた一品です。

アドベントって知ってる?

「アドベントカレンダー」をご覧になったことはないでしょうか? アドベントとは、救い主であるイエス・キリストの誕生を待ち望む時として設けられる期間のことです。

期間は11月30日に最も近い日曜から4つの日曜日を含む約4週間です。

この期間の日曜日には、日曜日ごとに1本ずつ、合計4本のろうそくを点灯する「アドベント・クランツ」が行われます。

最近日本でも定着しつつあるのは、クリスマスまでの日を1日ずつカウントダウンしていく「アドベントカレンダー」です。カレンダーの窓を1日ずつ開けて、クリスマスには全部開くという仕掛けになっています。チョコレートや飴などのお菓子をカレンダーを潜ませたり、積み木のような立体的なカレンダーだったりと様々な商品がありますよ。

クリスマスに関する小さな疑問

Q.なぜクリスマスカラーは緑と赤なの?

緑は常緑の樹を使うクリスマスツリーでも象徴されているように、永遠を表します。赤はイエス・キリストが私達を救うために十字架上で流した血、神の愛を表しています。

他にもクリスマスには、純潔や清められた魂を表す白、高貴さを表す金が使われていますね。

Q.ページェント(降誕劇)ってなに?

キリスト教主義の学校や幼稚園の多くで行われるのが、ページェント(降誕劇)です。マリアがお告げを受けてイエスを身ごもり、夫ヨセフとともに旅へ出て、粗末な馬小屋で出産、動物や天使たちが救い主が産まれたことを喜びとともに触れ回る……というのが大まかなストーリー。一般的な学校や幼稚園で行われる学芸会の代わりとなることもある、れっきとした礼拝です。

文・しらたまよ イラスト・水戸さゆこ

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