肌の保湿剤「ヒルドイド」、使っているのは子ども?それともママ?
皮膚の乾燥を防ぐための保湿剤ヒルドイドやワセリン。乾燥肌の子どもを持つママなら、何度かお世話になった方もいるかもしれませんね。これまでヒルドイドなどの保湿剤は保険適応として処方されていたのですが、2018年4月の診療報酬改定で処方量の調整、または単品での処方は保険適応外になるかもしれません。
「え? なぜ? うちの子、乾燥肌だからヒルドイドを単品でもらっているけど、これからお金がかかるということ?」というママもいそうですね。なぜ処方の仕方について検討されているのでしょうか。
ヒルドイド処方の目的は美容のために使われている?
実は、健康保険組合連合会によると、美容意識の高い人たちの間でヒルドイドやワセリンは美容アイテムの1つとして使われている可能性が高いという報告があったのです。
『美容に関心の高い女性の間で、皮膚科等に受診し「乾燥肌(皮脂欠乏症)」等の訴えにより「ヒルドイド」(各種タイプ、後発品含む)を化粧品代わりに処方してもらうことが流行している可能性が高い。
ファッション雑誌や美容雑誌等において、過去10年程度にわたり「ヒルドイド」が 美容アイテムとして紹介されている。
ファッション・美容に関する消費者行動に影響を持ち得る芸能人、モデル、ブロガー、美容形成外科医等により、ブログやソーシャルネットワークサービス (SNS)等を通じて「ヒルドイド」を美容アイテムとして紹介している実態がある。
美容目的で「ヒルドイド」等を処方してもらうことを勧める記事や、処方される方 法を説明する記事も見られる』
ヒルドイドはママのハンドクリームとして使っていいという医師も
ママスタコミュニティでも、以前からヒルドイドの使用について、子どもに処方されたヒルドイドをママが使っているという話が話題にあがっています。
『あっそれ、私の姉がやってたわ~、10本やったかな? 出してくれたみたい』
『シングルのママ友がそのクリームのこと言ってた。タダだし1本あげようか? って言われたけど、私は何のことかわからないし気味悪いからもらわなかった』
『まさにそれ、昨日子どもの皮膚科に行ったときにもらおうかと思ったよ。子どもは別件で行っていらないんだけど。言わなかったけどね。先生、お母さんのハンドクリームがわりに使ってもいいしーって言ってた』
『私と子どもたちは肌が弱いから一緒に診察受けるけど、病院の医者が子ども用にスキンケア出しとくけどお母さんも一緒につかいなーって出せる目一杯の量出してくれるよ。貧乏人ですまんなあ』
年間93億円の薬剤費を無駄遣い!?
こういった現状を踏まえて、健康保険組合連合会はヒルドイドなどの保湿剤に関して、下記の提言をしました。
『外来診療において、皮膚乾燥症に対して保湿剤(ヘパリン類似物質または白色ワセリン)が他の外皮用薬または抗ヒスタミン薬と同時処方されていない場合(※)には、当該保湿剤を保険適用から除外する(中略)。政策を実施した場合に削減が見込まれる薬剤費は、年間約93億円。
※ただし保湿剤であるヘパリン類似物質と白色ワセリンとの同時処方は除く』
つまり、年間約93億円も薬剤費をムダに使っている可能性があるということです。
保湿剤のみの処方をされている年齢構成を見ると男性の53%、女性の32.8%が0歳から4歳までの子どもたちなのです。生まれたばかりの赤ちゃんであれば、乳児性湿疹などの肌トラブルが多いため、処方頻度は多くなることは十分考えらえます。
その反面、医療費が無料などの理由で必要以上に多く処方してもらっているということもあるのではないでしょうか。ヒルドイドなどの保湿剤をはじめ、無料だからといって必要以上に薬の処方を求めていないか、見直す必要がありそうですね。
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