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子どもの食事、栄養バランスよりも気をつけたいことは?【朝ごふんコラム】

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子どもの安心・安全について気を付けたほうが良いことを「朝5分」で家族で話し合う「朝ごふん」プロジェクト。今回話し合って欲しいテーマは、食事を通した子どもの心と体の成長について。朝は時間に追われてバタバタ。子どもにだけ食べさせ、自分は支度に追われているなんてことはありませんか? 朝ごはんを一緒に食べる習慣は、その後何年にもわたって、子どもといい関係が築ける基礎作りになるそうです。消費生活アドバイザーの古谷由紀子先生に伺いました。

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食事では「何を食べるか」だけではなく「誰と食べるか」も大切に

――子どもの食事ですが、毎日ちゃんと栄養がとれているのか心配です。

古谷:「子どもにはしっかり栄養を摂って、健康に育ってほしい」、よくわかるわ。ただ、栄養素の話の前に、今回は「心と体の栄養の大切さ」についてお話するわね。私も働きながら子どもを育てたからわかるけど、子どもにとって食事で一番大切なことは楽しく食べること、家族みんなで一緒に食べることなのではないかしら。

――朝は忙しいから、ついつい子ども一人だけで食べさせていました。

古谷:子どもが一人で食べる食事、やむをえず「孤食」になることもあるけど、子どもにとっての食事は体の成長だけではなく、心の成長にも関わるの。たとえば、食事の時間は、食べ物について知るいい機会でもあるの。たとえば、にんじんを食べるとき、その栄養素を取るというのではなく、にんじんという野菜はだれがどのように作っていて、どんな栄養があるのか話をしながら食べてみて。一度に全部教える必要はないけど、食事をしながら会話をすることで、自分が今食べているものに興味を持つきっかけづくりとなるわよ。

嫌いなものがあっても無理強いさせない。そのワケは?

――にんじんといえば、苦手な子もいますよね。古谷先生のお子さんは、好き嫌いはなかったのでしょうか。

古谷:うちの娘は野菜嫌いだったのよ。でも、私は娘に「野菜を食べなさい」と無理強いしたことはないの。無理やり食べさせられても楽しくないでしょ。だから小学校に上がるまえくらいまで、野菜はあまり食べてなかったかな。

――どうやったら食べるようになったんですか?

古谷:娘以外の家族が、娘の嫌いな野菜をおいしそうに食べていたのを見て、娘は「おいしいのかな」と思うようになったらしく、いつのまにか食べるようになったのよ。今では誰よりも野菜好きよ。

とにかく野菜を食べたがらない場合、無理しても食べさせた方がいい?

――人によっては子どもの偏食が気になって、嫌いな野菜を細かく刻んだりすり潰したりして、料理に混ぜてしまったりする場合もありますよね。

古谷:それって栄養的にはいいかもしれないけど、その子は「苦手なものを食べた」という実感が持てないわけでしょ?それでその子が将来、野菜を食べるようになるとは思えないわ。

――にんじんだけだったらまだいいけど、野菜を一切食べない子だったら困りますよね。

古谷:まわりの人が豊かな食事をすることが大切よ。教えるのではなく、興味をもてば、いつの間にか食べられるようになるのじゃないかしら。

偏食OK。手作りじゃなくてもOK。楽しい食事こそがたいせつ

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――口を開けて食べさせたり、「苦手な野菜を食べないと、デザートが食べられないよ」というのはどうですか?

古谷:無理やりはよくないわよ。だってそんなことをしたら食事の時間が楽しくないじゃない? まじめなお母さんほど、「こうじゃなくちゃ」と思ってしまうけど、少しづつ食べられるものが多くなっていくのが子どもの成長でもあるのだから、それをお互いに喜んでいくというのはどうかしら。私の場合は「偏食OK! 手作りじゃなくてもOK! お母さんが明るく、元気なのが一番!」という感じで、むしろ楽しい食事を心掛けたかな。子育ては長期戦だから、長い目でゆったり構えることで、かなり大きく変わってくると思うわよ。

子どもとの会話は朝の食卓から始まる

――忙しい朝、子どもと一緒に朝食を食べられる工夫はありますか?

古谷:私は手の込んだ料理よりも一緒に食べることを優先し、料理は簡単に作れるものにしたわ。片付けも簡単にしたいのでお皿数を少なくもしましたね。またある程度子どもがお手伝いもできるようになれば、一緒に料理を作って、一層楽しい食事時間になるんじゃない? 朝、家族で食卓を囲んで会話をする。そんな『朝ごふん』を大事にしてね。

「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとってほしい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムでは、忙しい朝でも親子で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
ほかにも、「カロリー表示について」などの生活に役立つ記事は『朝ごふん』ページで読むことができます。ぜひご覧くださいね。

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