食中毒対策は大丈夫?身近に潜む原因と対策を徹底追及!【朝ごふんコラム】
さっきまで元気に遊んでいたはずの子どもが、急に吐いた、下痢をした、発熱した。こんな症状が出たときは、食中毒かもしれません。大人でもつらい食中毒ですが、とくに体の小さな子どもの場合は、重症化が心配ですよね。家族の食事と健康を預かるママとしては責任重大です。今回は、食中毒の原因と対策、赤ちゃんがいるママへの注意点などについてお話しします。小児科医で「子どもを事故から守るプロジェクト」代表の出口貴美子先生にお伺いしました。
報道されないだけ! 実は家庭でも頻繁に起きている!?
「食中毒」といえば、よくテレビで「飲食店で集団食中毒が発生しました」というニュースを耳にします。でも、届け出がないだけで、実際は家庭の中でも日々食中毒は起こっています。食中毒の原因は2つ。1つは細菌によるもの。もう1つはウイルスによるもの。
細菌性の食中毒は、肉や魚、卵などの中で繁殖した菌が、食品とともに体内に取り込まれることでさらに増殖し、腹痛や下痢、嘔吐、発熱などの症状を引き起こします。
「つけない、増やさない、やっつける」の三原則
まず、細菌性の食中毒を防ぐためには、「つけない、増やさない、やっつける」。この三原則が大事です。それぞれの詳細について説明していきます。
<つけない>
調理をする前には手を洗い、包丁やまな板はしっかり水で洗い流す。食器を拭くフキンも毎日清潔なものと取り換える。
<増やさない>
肉や魚はもちろんのこと、野菜もふくめ、生の食品は冷蔵庫で管理する。同時に、
冷蔵庫の温度が上がりすぎないよう、頻繁な開閉や食品の詰め込みすぎに気をつけること。
<やっつける>
生ものは控え、しっかりと火を通したものを食べること。ただし、火を通したからといって過信は禁物。目玉焼き、卵焼き、ハンバーグなど、肉・魚・卵類はしっかりと中まで火を通すこと。目安としては75度で1分間以上加熱。これで細菌は死滅する。
そして、調理したものはすぐに食べる事。長く常温に放置すると、再び菌が繁殖する事に。
夏場のミルク作り、気をつけるポイントは?
細菌性食中毒で注意したいのが、夏場の哺乳瓶管理。哺乳瓶を洗浄するときは、乳首や瓶との接続部分をしっかりと洗うこと。ミルクの洗い残しがついていると、そこから菌が繁殖してしまいます。使い終わった哺乳瓶はそのまま放置せず、すぐに洗って煮沸消毒までしておくことで、菌の繁殖を予防できます。
1人かかったら家族共倒れの危機! ウイルス性食中毒に要注意
もう1つの食中毒の原因となるのが、ノロウイルスやロタウイルスなどウイルス性のもの。食品からの感染は、二枚貝などの魚介類が原因だといわれていますが、特定できていないものが多数ある(※)ため、はっきりしたことはいえません。
このウイルスの問題点は、空気感染すること。たとえば、家族のうち1人でも感染してしまうと、その嘔吐物などを通して、他の家族にも次々と感染していく恐れがあります。そのため、ウイルス感染が疑われた場合は、しっかりと対策をする必要があります。
吐いてしまったときの対処法
嘔吐してしまった場合は、すぐに吐瀉物を拭きとること。洋服や布団についたときは、バケツに水をくみ、その中で汚れを落として水はトイレに流します。その後、汚れを落とした衣類などは塩素系漂白剤を薄めて洗ってください。ウイルスに感染している子どもが使った食器類は、85度以上のお湯で熱湯消毒。その後、塩素系漂白剤につけておくことで、感染リスクを軽減できます。
夏場の食中毒は、十分に気をつけていても発症してしまうことがあります。万が一、「食中毒かも」と思うようなことがあれば、早めに病院を受診しましょう。とくに体の小さな子どもの場合は、嘔吐や下痢で体の中の水分が足りなくなると、すぐに脱水症状を起こしてしまいます。こまめに水分補給することを心がけてください。
お子さんのためにも、食材や調理器具の管理や調理法を工夫して、食中毒にかからない環境を整えたいですね。
「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとって欲しい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムは、忙しい朝でも5分で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
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