<イヤミ超えて侮辱>「ネイルしない女は女じゃない」って誰が決めた?他人をカテゴライズしたがる人の心理

ママ友との何気ない会話で、思いがけず傷つくことがありますね。しかも名指しされたわけではないと「その発言って私のことを指している?」と、あとになってモヤモヤしてしまうこともあるのではないでしょうか。ママスタコミュニティのあるママから、こんな投稿がありました。
『ママ友3人で話していて、私以外の2人は美容やネイルに興味がある人。私はまったくネイルをしない(2人とも知っている)。ネイルの話になって、私はよくわからないけれど「うんうん」と聞いていたら、「まあ最近はみんなネイルしてるしね。今どきネイルしていなかったら女じゃないよね!」と。みんなでアハハハハーって笑っていたんだけど、私に言っていたのかな? 私、女じゃない?』
投稿者さんは44歳、ママ友は50歳と53歳とのこと。さらにマツエクやマツパの話でも「していない女はいない」といったニュアンスの発言があったそうです。自分がどちらもしていないと知っている人たちから言われたら、「それって私のこと?」と思うのも無理はありません。こちらのお悩みに、ママスタコミュニティのママたちからたくさんのコメントが寄せられました。紹介します。
「女じゃない」嫌味どころか侮辱では!?
『ガッツリ嫌味』
『デリカシーのない人だなと思う』
『嫌味は嫌味だけど、その人たちの、いい歳して配慮できない空気の読めなさが気の毒』
コメント欄では、ママ友たちの発言に厳しい声が相次ぎました。なかには、「嫌味」という言葉では軽すぎるという意見も。
『これを嫌味だと思える投稿者さんの度量の大きさに感心しちゃった。明らかに名指ししていないだけで、本人にもすぐにわかるから、嫌味の次元を超えているでしょ』
『「ショートの人って女を捨てているよね」って目の前にショートの人がいるときに言わないよね。嫌味どころか侮辱だと思う』
『「え……それ、私のこと言ってる?」って聞いちゃうわ、私なら』
その場で言い返してもよかったのでは、という声もありましたが、投稿者さんは、
『「ひどーい!」って言えたらよかったですね。「え……?」ってなって、固まってしまいました』
と振り返っています。突然自分を否定するような言葉が飛んできたら、「今のは私に言ったの?」と考えているうちに会話が進んでしまうこともありますよね。
ネイルをしないと「女じゃない」…誰が決めたの?
『仕事でしない人もいるのにね』
『仕事柄ネイルはしていないけど女だよ! ネイル=女とか浅すぎて!』
そもそもネイルをしない理由は人それぞれ。興味がない人もいれば、仕事柄できない人、家事や育児の都合でしない人もいます。それをわざわざ区分けするのは、明らかに投稿者さんへの当てつけと受け取られても仕方がないでしょう。
またネイルを楽しんでいる人からも、こんな声が寄せられました。
『私は年中セルフネイルしているけど趣味だし、人がしていなくても何とも思わない。そんなの当たり前でしょ』
そもそも「女であること」は、何をもって判断するのでしょうか。
ネイルやメイク、服装など、外見には「女性らしい」とされてきたわかりやすい記号があります。しかし、その人が自分をどう捉えているかは、外見だけでわかるものではありません。「女であること」と「女らしく見えること」は、本来別の話でしょう。
そしてこれは女性に限りません。「母親なら子どもを優先する」「いい歳をした大人なら家を持つ」「仕事のできる人なら身なりにもお金をかける」。本来、その人がどんな母親なのか、成熟した大人なのか、仕事ができるのかといったことは、目に見える条件だけではわかりません。それでも私たちは、ときどき目に見えるものを手がかりに、「◯◯な人」と判断したくなることがあります。目に見えないものほど、目に見える記号で確かめたくなるのかもしれません。
「私はネイルが好き」「マツエクをすると気分が上がる」なら、単なる好みの話です。それが「していない人は女じゃない」となった途端、自分の好みを基準にして他人を分類する話になります。
他人を勝手にカテゴライズして安心したい?
では、なぜわざわざ「◯◯する人・しない人」という境界線を引くのでしょう。
「いい母親」「立派な大人」「女らしい人」といったものには、はっきりした形がありません。だからこそ、目に見える条件で「自分はちゃんとこちら側にいる」と確認したくなることがあるのかもしれません。たとえば、「ネイルをしている私は女らしい」「私はまだ女を捨てていない」と考える。そして、自分が「こちら側」にいることを確認するために、「あちら側」を作る。「ネイルをしない人は女じゃない」と線を引くことで、自分の立ち位置を確かめている可能性もあります。
40代、50代と年齢を重ねれば、若い頃とは外見も生活も変わっていきます。「女性として自分はどう見られているのだろう」と意識する人もいるでしょう。今回のママ友たちがそんな不安を抱えているかどうかはわかりません。ただ、もしネイルやマツエクを「女であるための条件」にするなら、それらをやめざるを得ないときはどうなるのでしょう。
誰かに「あなたは女じゃない」と言うことは、一見、その人の女性らしさを否定しているように見えます。でも別の角度から見れば、「私はまだ女の側にいる」と自分に言い聞かせているとも考えられます。「女じゃない」と言われて不安になった投稿者さん。けれど、「女ではなくなること」を怖がっているのは、言われた側ではなく、言った側なのかもしれません。
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文・安藤永遠 編集・有村実歩 イラスト・ごぼふく
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