<仕事と不妊治療の両立>思い通りにならない覚悟が必要?キャリアを積みたい女性が知っておきたいこと | ママスタセレクト - Part 3

いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

<仕事と不妊治療の両立>思い通りにならない覚悟が必要?キャリアを積みたい女性が知っておきたいこと

840_金のヒヨコ

「仕事を優先するか、妊娠を考えるか」。キャリアと出産の両立に悩む女性は少なくありません。先日「女性が活躍する時代に人生の選択肢はどこまで自由になったのか」をテーマにしたトークイベントが開催されました。今回はその模様を取材しました。

バリキャリ女性が直面する「年齢を重ねると妊娠しにくい」ジレンマ

イベントを主催した株式会社ARCH代表の中井友紀子さんは3児の母。現在は子育てに奮闘しながら、医療や育児、キャリアをワンストップで支援する不妊治療のDXサービスを開発しています。

DSC00542

完全オーダーメイドのウェディングブランド「CRAZY WEDDING」を創設した起業家の山川咲さんも登壇。32歳で妊娠が判明した山川さんは子育て、離婚、再婚を経て、現在は43歳で2人目の妊活を検討中です。

山川さんは20代から仕事を優先してきましたが、その過程で「年齢とともに妊娠しにくくなる」という現実に直面。しっかり働いたおかげで産後は仕事をコントロールできるようになった一方で、キャリアと子育てを両立することの難しさも痛感したといいます。

広告

不妊治療をすれば必ず授かる」わけではないという現実

日本産科婦人科学会によると、2023年に体外受精で生まれた子どもは過去最多の約8.5万人という結果に。9人に1人が体外受精で生まれている計算です。ただ不妊治療であっても、必ず授かるわけではない難しさも知っておかなければいけません。不妊治療クリニック「ORINAS ART CLINIC」の院長で生殖医療専門医であり、4児の父である上條慎太郎先生は、

『女性の社会進出に伴い晩婚化や晩産化が進んでも、年齢とともに卵子の数や質が下がっていく事実は昔から変わらない』

と断言。日本産科婦人科学会による体外受精の年齢別の出産成績を見ると40歳を過ぎると10%を切ることがわかっています。不妊治療の開始年齢の平均は38歳ほどですが、

『35歳くらいから妊娠する力は下がってしまうので、あと数年早くクリニックに来てほしい』

と上條先生は語っていました。

DSC00571

広告

仕事と不妊治療の両立を阻むのは、通院の難しさ

令和5年度の厚生労働省の調査では、不妊治療を経験した人のうち26.1%が不妊治療と仕事を両立できず、離職したり雇用形態を変えたり、不妊治療をやめたりしたこともわかりました。これには「不妊治療における通院の難しさがある」と中井さんも経験者として語ります。

DSC00532

『往復3時間かかるクリニックへ、最低でも月に5回は仕事を休んで行っていました。数日前に「この日に採卵します」と言われたり、朝昼晩と投薬したり。病院に行ってもドクターと話せるのは数分。午後に仕事に戻って、夜は会食の途中に抜けだして当日に決まった薬を打って、36時間後にオペのために有休を取って……。これでも授かれる確率が10%もない絶望と焦燥感がありました』(中井さん)

仕事と不妊治療の両立の難しさは他にもあります。たとえば不妊治療クリニックでは、他の患者さんへの配慮として子どもを連れて行けないケースがあります。第2子の不妊治療の際には、上の子をパートナーやシッターにお願いする必要があるでしょう。

また職場への説明でも困難が。子どもが熱を出したために休める職場はありますが、不妊治療を理由に休める職場はそう多くないかもしれません。たとえ職場が不妊治療に快く送り出してくれたとしても、それが数か月~数年と続けば、「まだ妊娠しないの?」という周囲からの目線や仕事への責任感に、押しつぶされるかもしれません。

『通院頻度や妊娠の不確実性、長期にわたる可能性などへの理解が、家庭や職場により浸透すれば、キャリアを継続しながら不妊治療ができる女性も増えるのではないでしょうか』(中井さん)

不妊治療のやり方はさまざま。パートナーと相談を

上條先生は、不妊治療にもさまざまなやりかたや投薬方法があることを強調。投薬せず自然妊娠に委ねる軽い治療もあります。期待できる結果や目標、お金と時間をどこまでかけるかなどを、パートナーと相談することが大事だと語りました。

『不妊治療は、他の病気の治療とは違い、やらなければいけないものではない。だからこそ自分で調べて、知って、選択していかなければいけない。不妊治療はハードルが高いものですが、知ることで不安や恐怖がなくなり、前向きになれることも多いですよ』(上條先生)

「仕事は何歳になってもできる!」という認識を持ってみて

山川さんは仕事に命をかけて生きてきたものの、娘さんが生まれて初めて、「命よりも大事なものがあるし、長生きしないといけない」と知ったといいます。それを踏まえ、仕事を続けながら妊娠や出産をすることについて、「仕事は何歳になってもできる」という考えを披露しました。

『仕事は1年休めるけれど、妊娠や出産はタイムリミットや不確実性があるから早く取りにいかないといけない。しかし仕事を頑張ってる若い女性に「今妊活したほうがいいよ」と言っても耳に入らない。だから、「仕事は寿命が長い」という認識を持っておくといいですね。20代や30代だと「今が仕事の勝負」と思いすぎてしまうけれど、何歳になっても仕事は続けられるし、どんな業界も人材不足で引く手あまたになる。そう思うと、仕事もしたいけど子どももほしい女性も妊活の勇気が出ると思います』(山川さん)

不妊治療に対する女性側の負担やそれに伴う社会や職場の理解、パートナーの協力など、女性個人だけでは解決しない問題が多い仕事と不妊治療の両立。しかし国や自治体では、不妊治療や子育ての制度が常に変化しています。キャリアも妊娠も思い通りにならないからこそ、自分で調べて早く知り、選択していくことが求められているのかもしれません。

取材、文・AKI 編集・編集部 イラスト・金のヒヨコ

人気連載をイッキ読み!

関連記事

<テイクアウトは手抜き?>子ども2人が同時発熱!仕事抜けて病院へ…バタバタの一日【第1話まんが】
私はサオリ。夫のイッペイ、息子のアオト(8歳)、娘のリカ(4歳)と4人で暮らしています。フルタイムで仕事をしながら子どもを育てる毎日は、目が回るような忙しさです。子どもたちがもっと小さい頃は、近所に母...
<優しい義母のウラの顔>仕事量を減らした私に「根性ナシ」つぶやきは気のせいなの?【第1話まんが】
数年前の話です。私(シノ)は夫のタクヤと結婚しました。義母はとても感じの良い人でした。義父はすでに亡くなっていましたが、優しくて笑顔が素敵な義母は、親戚や近所の方々からも慕われていました。しかしそれは...
<在宅ワークは裏切り?!>2人目出産し家計が不安!焦る私「家で仕事ができたら…」【第1話まんが】
私はツバキ。夫ダイスケとは、長女のシュリ(1歳)を妊娠したことがきっかけで結婚しました。そして出産後はあまり時間を空けずに再び妊娠して、次女のリセ(0歳)を出産しました。可愛い子どもたちと過ごす毎日は...