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専業主婦の家事労働は年収換算でいくらになるのか?

こんにちは、斗比主閲子です。

夫が働いて、妻が家事をする専業主婦世帯で、夫が「誰のおかげで食えているんだ!」と言ったり、妻が「私の家事を評価してよ!」と言ったりするのは、あるあるな夫婦喧嘩だと思います。

専業主婦の年収は300万円?

では、実際、専業主婦の家事労働はいくらぐらいの価値があるんでしょうか。

1997年に、政府の機関である内閣府(の経済社会総合研究所)が家庭内での家事育児などのいわゆる無償労働について、金額換算すると一体いくらになるのかを計算するようになりました。

わが国でも、少子化、高齢化といった経済社会の環境変化が生じているが、育児、介護は無償労働として家計の担っている役割が大きな分野と考えられるため、その貨幣評価額を推計する意味は大きいと考えられる。(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sonota/satellite/roudou/contents/unpaid_970515.html)

別に政府のお墨付きがあるからといって、専業主婦が「私の家事の価値は○万円だよ!」と主張して、その分のお金を夫からもらえるというわけでもないですけど、国がどれくらいで専業主婦の労働を評価しているかというのは気になるところです。

その数字は結論からいえば、大体年間200万円~300万円となります。

どんな風に計算するのか?

この金額を高いと思うか低いと思うかは人それぞれだと思います。

どんな風に計算するかというと、大きく三つの評価方法によるものです。ざっくり説明すると、家事をしている時間他の仕事ができたらいくらになるのか-①、家事を外部に任せたときにいくらぐらいになるのか(それぞれ専門家に任せた場合-②といわゆる家事代行業に任せた場合-③)という考え方です。

要は、家事をしなければ他の仕事ができるんだからそれで評価しましょう、誰かに任せることになるんだからそれで評価しましょうという計算方法です。時給×家事時間で計算するので、①~③は時給部分が変わってきます。

最新の2013年に公表された数字では、①が304万円、②が249万円、③が226万円となりました。全部アウトソーシングしても200万円ちょっとという考え方ですね。

年齢や家事の内容によって変わる

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この数字を見る時に注意したいのは、年齢や家事の内容によっていくらぐらいに評価するかは変わるということです。

どんな家事をしているか、そもそも子どもがいるのか、介護をしているのかで当然家事にかかる時間は変わりますよね。

だから、この数字を使って「私の家事の価値は○万円だよ!」と言うのには使いにくいところがあります。人それぞれな部分があって、この金額はあくまで統計上の数字に過ぎないですから。

あとは、今はまだ女性の給与水準が低いというのもこの数字には影響があるのが注意点です。

①の計算方法は、女性が外で働いたらいくらぐらい稼げるかというものですから、働いている女性の給与水準が上がれば、家事の評価額もそれに合わせて上がるのです。女性の給与が今は男性より低いので、家事労働も女性は低く見積もられることになります。

家事労働がいくらかを家庭内で議論する不毛さ

色々な計算方法がありますが、家事労働が○万円の価値があると家庭内で主張することは避けた方がいいですね。

統計的に使いにくい数字だからという理由よりも、結局、お金で議論している時点で夫婦間でのリスペクトがなくなっている状態だと考えるからです。金銭換算することで解決できる問題じゃない。

専業主婦であるかどうかは関係なく、家事は家庭内で誰かがやらなければならないことです。

夫婦で役割分担として、どちらが家事をやるか決めたのに、それを無視するような形で「誰のおかげで食えているんだ!」なんて言っているのは、ちゃんちゃらおかしいわけです。

家事をしていることは労働をしていることと同じように評価されて当たり前のことなんですよね。

家事をすることを不当に低く見積もったり、感謝を言わないのに対して「家事労働は○万円の価値がある」と返しても相手には響きません。

根本的に勘違いしていることを正したり、家事労働の中身を説明したりするのが基本であって、場合によっては家事のボイコットをしてみたりするものかと思います。

最終的には離婚という選択肢もありますね!

文・斗比主閲子

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