<高校行かない!>「声優専門学校に行きたい」と言い出した中学3年生。夫は無責任に背中を押すけど
かつては裏方とされていたのが信じられないほど、最近では声優という仕事にスポットが当たるようになりました。ドラマやバラエティ番組に登場したり、歌手として大きなステージに立つ人も。声優になるための専門学校まであるほどです。ママスタコミュニティにも、声優志望の息子さんを持つ方からの投稿がありました。
どこまで本気?声優への道は、高校進学よりもずっと険しいのに
『中学3年生の息子が、突然「声優専門学校に行きたい」と言い出した。「もっと考えたほうがいいんじゃない?」と私が言うと、「いや、俺の夢だから!」と聞く耳持たず。夫は「いい夢じゃないか!」などと無責任に言います。私のほうがおかしいの?』
意見が分かれている様子の投稿者さん夫婦。「声優専門学校に通っている知り合いがいる方、参考までにご意見ください」といいます。
周囲に声優志望者がいる方、自身も声優を目指した経験がある方からのコメントが寄せられました。声優に憧れる人はこれほど多いのかと、驚くほどです。かつては「オタクっぽい」と揶揄(やゆ)されることもあったアニメが今はメジャーになったこと、華やかな活躍をする声優が増えたことも背景にありそうです。
『「やめておけ」としか言えない。声優専門学校に通っていた私の知人で、なれたのはゼロ。全員もれなくフリーター』
集まった中に「周囲に声優になった人がいる」というコメントは、ほぼありませんでした。「オーディションを受けまくったけど全然ダメで、30歳手前で諦めたそう」「声優専門学校を出たものの仕事がひとつもなく、バイトを掛け持ちして時間だけが過ぎた」といった、せつない話が目につきます。
『高校卒業後の話かと思いきや、中卒で? それはない。受験から逃げているのでは』
いくら夢でも高校ではなく専門学校に行くのは、かなりの賭けではないでしょうか。通ったことで資格を得られて、それをもとに働ける職種でもありません。将来本当になれるかどうか、保証がない職業。中学生ということで、この先気が変わらない保証もありません。「普通に考えれば、高校に行くより声優学校に行くほうが何倍もしんどいのに」という声も。
実力もビジュアルも求められる世界。中卒で挑戦して、大丈夫?
声優業の現状を教えてくれた方も何人もいました。
『息子さんのビジュアルは? 最近は声優も見た目を求められる。映画の吹き替えも、アイドルや俳優が仕事を取っていく。そしてベテラン声優はずっと現役』
『今は声だけでは無理。プラスアルファの何かがなければ、ただの記念入学になる。声だけで演じるのは普通の演技よりさらに難しく、他業種からも流入している昨今の業界は栄枯盛衰も激しい』
声優がメディアに登場する機会が増えたことで、一般人にも業界の事情が漏れ伝わるようになった様子。くわしい方も少なくありませんでした。実力が必要なのはもちろん、「新陳代謝の遅い業界だから、アイドルや俳優で成功するより難しいと思う」「今の若手声優は、アイドル売りできないと難しい」といったコメントもあります。
『芸能系は学校を出たからといって、その職業に就けるわけではない。「行きたいなら高校卒業後に働いて、自分で貯めたお金で行きなさい」と言うかな』
多くの方がこうした意見でした。みなさんのコメントを見ていると、声優を目指しても途中で挫折してしまう人が圧倒的に多いよう。息子さんもそのひとりになる可能性は大いにあります。その後に他の職業に転向しようと思っても、「中学校卒業」では選択肢が限られてしまうのでは?
投稿者さんが息子さんに賛成できないのも、同様に現実の厳しさを想像してしまうからでしょう。しかし、投稿者のダンナさんは違うようで……。
『夫がすごく厄介。息子の夢について、よく知りもしないくせに肯定ばかりする。わが子の人生の分岐点だから、もっと真剣に考えてほしいのに』
投稿者さんにとっては、これもまた悩みの種のようです。
無責任に応援するパパ。現実を教えるためにも、まずは情報集めを
無責任に息子さんを応援するダンナさん。このままでは息子さんが「ママはダメ、応援してくれるパパが正しい」と、自分にとって楽なほうに流れてしまいそうです。では、ママはどうすればそれに対抗できるか? それは情報ではないでしょうか。
『声優がどんな下積み生活やレッスンをしていたか、今は簡単に検索できる。自分で調べさせてみれば? わが子も「声優になる!」と騒いだときがあったけど、「調べて、よく考えてから進路を決めなさい」とやったら、すぐ諦めた』
どれだけ厳しい世界なのかを知る、きっかけになりそうです。ダンナさんはそれらを知ったうえでも、まだ安易に息子さんを応援できるのでしょうか。
とはいえそうした厳しさも覚悟の上で、どうしても声優を目指したいというのなら。それについてのアドバイスも複数寄せられました。
『高校に進学したうえで、声優オーディションにエントリーしてみたら? 毎年開催している商業施設もあるよ』
他に声の現場で働いている方からのコメントもあり、「まずはオーディションで現実を見せてあげて。本気なら、声の使い方の練習からスタートを。高校卒業後の専門学校でも十分です」とのこと。たしかに息子さんが自分の実力を知りたいなら、その第一歩としてオーディションに参加するのがよさそうです。
『私は演劇系の学科がある大学に通っていた。そういう進路はダメなの?』
進学先として演劇部や放送部が強い高校、芸術系の大学などを挙げる声も。たしかに”それ”だけを目指して専門学校に行くよりも、その先の選択肢が増えそうです。今活躍する声優さんの多くが、事務所の養成所や劇団出身者であることを教えてくれた方もいました。
『高校に通いながらレッスンに通い、その後に専門学校進学を提案してみては? レッスンに行くうちに向いていないと気づいたら、大学進学に切り替えればいい』
息子さんの夢を頭ごなしに反対するのではなく、叶えるための方法をたくさん提示してあげる。これが今の投稿者さんにできる、最善策ではないでしょうか。まずはそのための情報を、いろいろ集めましょう。「何も知らないパパよりも、よく知っているママのほうが頼りになる」と、息子さんの信頼を勝ち取りましょう!
文・鈴木麻子 編集・佐藤さとな イラスト・Ponko
次の連載へ
関連記事
※<甘やかす義両親>義母「毎日うちに来たら?」引っ越しに喜ぶ中学生娘。新生活への心【第1話まんが】- 参考トピ (by ママスタコミュニティ)
- 息子が声優専門学校に行きたいと言い出した