トシ：第3回 僕らがケンカしない秘訣は、僕の器のデカさです！(笑)
トシさんと奥さんの交際期間は16年。
長い交際期間を経て、結婚を決めたのは奥さんからの“逆プロポーズ”だったそうです。
第3回目となる今回は、奥さんの逆プロポーズと結婚式についてのお話です。
トシさんの結婚は奥さんからの逆プロポーズなんですか？
そうです。逆プロポーズです。
僕は、毎月仕事で北海道に帰っているんですけど、あるとき彼女が急に、「今度、北海道に一緒に帰るね」って言って来たんです。
「久しぶりに地元で同級生たちとご飯を食べよう」って言われて、プチ同窓会みたいな感じで十数人で集まったんです。
その食事中に、彼女が僕に「ちょっと立って」と言うから、「なんだよ。いいよ。お前がみんなに挨拶しろよ」って言ったら「いいから立って」と言われ、しぶしぶ立ったら、そこで急に「結婚してください」って言われたんです。
ビックリしちゃって、パッと横見たら、友だちがカメラを回してて「えっ？ なんだこれ！」ってなったんです。
実は、その日集まったメンバーは、僕以外みんなその日に彼女がプロポーズすることを知っていて集まってくれてたんです。
すごい！ 友だち大勢の前で逆プロポーズする奥さま素敵ですね！
いやいや！その状況で断れます？ 断れませんよね(笑)。
もちろん、年齢的にも、気持ち的にも断る理由はないので、「はい、お願いします」と言いましたけど、全部仕組まれてるんですよ(笑)
奥さんからのプロポーズより前に、トシさん自身も結婚を考えていたんですか？
ぼちぼちしようかなというのはありましたけど、何かタイミングが合わなくて「いつしようかな？」と思っていた時に先手を取られたという感じですね。
でも、結果としてよかったですね。
プロポーズから結婚式までは、どのくらいの期間があったんですか？
彼女の逆プロポーズの翌年5月に入籍して、8月に北海道で、11月に東京で結婚パーティーをしました。
北海道でも披露宴の前にウェディングドレスを着て結婚式をして、東京でも明治神宮で神前式をしたので、僕、結婚式やパーティーを4回もしたんですよ。
奥さんはまだやりたいって言ったんですけどね(笑)。「何回やるんだよ！ 神田うのか！」って言いましたよ(笑)
うちの奥さんは、みんなを集めて、わーって賑やかにやるのが好きなんですよ。
だから、北海道と東京でやるというのも、全部奥さんが決めたんです。
トシさんは、奥さんのやりたいことを尊重する旦那さまなんですね。
僕は全部任せるんです。それが揉めない秘訣かもしれないですね。
僕、結婚式の準備だってまったく関わってないですからね。全部奥さんが、北海道と東京を往復して、プランナーさんと打ち合わせして決めてました。
僕が参加したのは食事の試食会くらいかもしれない。
衣装は、知り合いのブランドの人に仕立ててもらったのをプレゼントしてくれてそれを着たので、結婚式の前に僕がやったことは、食事の試食とウェルカムボードの写真を撮りに行ったくらいですね。
だから、結婚式当日まで何をやるのかまったく知らなかったんです。
どんな結婚式だったんですか？
「新郎、新婦の入場です！」と、披露宴会場に入場するところで、突然松山千春さんの「大空と大地の中で」が流れ始めて、ドアが開く寸前に奥さんからマイク渡されて「歌って！ほら！」って言われて、歌詞カードもないのに歌いながら入場したんです(笑)
披露宴は、すべてがずっとそんな感じです。僕は、その日、誰が何をするのかわからないままなんですけど、次々といろんなことが起こるんですよ。
僕は、プロレスの覆面が好きで、集めた物を家のなかに飾ってたんです。でも、披露宴の数日前からそれがなくなっていて、奥さんに「ねぇ、マスクがなくなってるよ！」って言ったら「ちょっと知り合いに撮影で使いたいと頼まれたから貸してる」と言われてたんです。
そしたら、そのなくなった覆面を被った高校の同級生たちが出てきて、「三浦、見とけ～！」って言いながらプロレスを始めて、僕はマイクを持ってその実況をさせられたんです。
そういう演出を全部奥さんが考えてるんですけど、僕は何も知らないのに目の前で起っていることに対応しなきゃいけなかったんですよ。
考えた奥さんもすごいですが、それをすべて受け入れるトシさんもすごいですね。
そうなんですよ！ 僕の器のデカさですよ！
たぶん普通の男性は「なんだよ、これ！ふざけんな！」ってなりますよね。そうなんですよ。
全部僕が受け入れたんですから！
「全部1人で用意した奥さんすごいね」って言う人はいるんですけど、それを全部受け入れた僕のことをほめてくれる人がいてもいいんじゃないかと思うんですよ。
文句ひとつ言わず、それに付き合うんですよ。
僕らがケンカしない秘訣は、僕の器のデカさです！(笑)
トシさんのお話を伺っていると、奥さまにとてもお会いしてみたくなりました。
そして、奥さまがやりたいと思うことを一緒に楽しむトシさんのお話を聞いて、奥さまがとても羨ましくなりました。
次回は、「パパ」としてのトシさんのお話を伺っていきます。お楽しみに！
（取材、文・上原かほり 撮影・白田京子）