前回からの続き。私（ミツキ）は、夫と長女のユウナ（中1）、長男のイツキ（小4）の4人家族です。夫のシゲルとは結婚して15年。夫は仕事、私は家事育児とお互いに役割分担をして平和に暮らしてきました。ところがある日、夫から「これからは子どもたちの親として“だけ”仲良くしたい」と言われてしまいます。原因は、産後に30キロ太ってしまった私の体型。今の体型は、ひとりで家事育児を担ってきた苦労とストレスのせいです。そのことに気が付きもせず、結婚して15年も経つのに、まだ外見のことについてとやかく言ってくる夫に私はガッカリ。しかしパート先の先輩であるマリコさんから、太ったこと以前に、私が夫の想いを蔑ろにしてきたせいなのでは？　と言われて気が付いたのです。だからこそ、今度は本気でダイエットに取り組んだのでした。そして1年が過ぎて。

ダイエットをはじめてから1年が過ぎました。私の体重は84キロから64キロに減っていたのです。
痩せてから気が付いたことがたくさんありました。身体が軽くなることで、外出もしやすくなり、気持ちも明るくなりました。

それから、夫はずっと私のことを心配してくれていたんだということにも気が付けました。もちろん見た目の好み的なところで「痩せた方がいい」と言っていたところはあったとは思いますが、食べることをストレスのはけ口にし、どんどん太り続ける妻を、いったいどんな気持ちで見ていたのでしょう。
何を伝えても聞き入れない妻を、辛抱強く見守ってくれた夫。その辛抱が限界に達し、仮面夫婦を申し出てきたのでした。
本当に申し訳ないことをしたな……いまでは素直にそう思えるのです。

去年、仮面夫婦になりたいと夫に言われてから一年が経ちました。
あれから私はすごく反省して……ダイエットも頑張ってきました。
長い間苦しめてしまったことも……夫に謝りたかった。
そして、勇気を出してもう一度夫に言ったのです。
「仮面夫婦だなんて言わないで、シゲルとちゃんと「夫婦」になりたいです。お願いします」
夫はしばらく考えていました。沈黙が続いた後に……言われた言葉は……？

私にはきっと、おごりがあったのだと思います。
仮面夫婦としてでも夫婦を続けたいと思ってくれている夫のことだ。
私が過去の言動をちゃんと謝罪してダイエットを成功させれば、きっと許してくれる。
痩せさえすれば何もかも元通りになる。
心のどこかで、そんな風に思っていたのです。
それくらい今回のことを「軽く」見ていたのでしょう。
しかし夫は違っていました。
長い沈黙の後に彼の口から出てきた答えは「ごめん」だったのです。

【第11話】へ続く。（明日配信予定）

原案・ママスタコミュニティ　脚本・渡辺多絵　作画・よしはな　編集・石井弥沙