<賛否両論>子どもに贅沢な食事をさせるのはダメ?高級なものしか食べられなくなるかも…?
子どもに贅沢をさせるのはよくない。さて、みなさんはどう思いますか? “贅沢”とひとことで言っても受け取り方はさまざま。いいも悪いも正直なところ判断しにくいかもしれません。しかも内容にもよりますよね。今回は食に関する“贅沢”について寄せられた相談です。
『子どもの頃から贅沢なものを食べさせていたら、その後どうなるのでしょう。夫婦で食べることが好きなこともあり、小学校低学年になるわが子も一緒に懐石やカウンターの寿司、イタリアンなどへ連れて行っています。そのせいか、お子さまランチのような子ども向けのメニューには見向きもせず、大人の食べ物を食べたがるようになったのです。これってあまりよくないことでしょうか』
贅沢をさせていることで、わが子は子どもらしい食事を選ばなくなったと語る投稿者さん。もしかすると贅沢を教えてしまったのかと後悔しているのでしょうか? 投稿者さんの語るわがこの食生活に関する疑問、ママたちはどのように受け止めるのでしょう。
大人の食べ物を子どもが食べるなんて贅沢?そんなことない
子どもに贅沢をさせるなんて……といった批判の声が寄せられるのかと思いきや、ママたちの声はおおむね肯定的なものばかりとなりました。
『大丈夫。舌がたしかになるだけだよ』
『味覚の幅が広がるのは別に困らないよ。子ども舌でジャンクなものしか食べられないより断然マシ』
否定的な声ももちろんありましたが、多くのママたちが、小さい頃からいろいろな食材や味を知ることは悪いことではないと話していたのです。とくに目立っていたのは、子どもの頃からよい食材を使って作られた食事をしていれば、味覚(舌)がたしかなものになるという意見でした。
『素材のよいものを選んで食べたほうがいいですよ、身体のためにも。そのためにお店を選ぶことは正解だと思います』
『贅沢の価値観が人それぞれの部分もあるけど、私はいいと思う。お肉もお魚もお野菜も、新鮮でいいものを食べることは食育でもあるから』
大人と同じものを食べたがるようになったと言っても、味の濃すぎるものや刺激の強いものばかりでなければ、なんら問題はないのかもしれません。一般的に子どもらしいと言われるメニューを好まないお子さんもいますしね。大人の食事=味付けが濃い・体によくないというイメージもありそうですが、むしろ懐石料理などになると、子どもには物足りなさを感じるかもしれませんよね。それを喜んで食べているとなれば、素材の味を好んでいるということになりそうです。ママの声にもあるように、これもひとつの食育ととらえ、今のスタイルを貫いてはいかがでしょう。
今後困るかもしれないこととは
『知人の子どもが、お金持ちから転落して生活に困窮したとき、食べ物が口に合わないって言っていたらしいよ』
『贅沢なものしか食べなくなった・食べられなくなった……とかなら問題かもね』
早くから子どもに贅沢をさせてはいけないと言われるとき、よく耳にするのは、贅沢ではない食事を受け入れなくなることではないでしょうか。小さい頃から贅沢な食事をしていると、舌が肥えて出されたものを受け入れられなくなる……そのような懸念もあるにはありそうです。ただそこは、家庭内での食育をきちんとしておくことで、懸念されている問題は解決できるのではないでしょうか。
『将来苦労するかもね。友だちにマウントを取りがちになったり、そのレベルじゃないと満足できなくなったりとか、食に対する偏見が強くなりそう』
出されたものが口に合わなさすぎて食べられないなどは、ある程度は仕方がないのかもしれません。しかし、いわゆる“贅沢”と言われるような食事を続けてきたせいで、誰かを蔑むような発言をしてしまわないかとママたちは心配していました。
『屋台とかフードコートとかに行く人を見て、あんな安っぽいところで食べる人の気がしれないみたいな会話を繰り返していたらおかしくなると思う。そのあたりに気をつけていればいいのでは』
結局のところ、どのようなものを食べさせていようとも、環境次第で子どもはいかようにも育つということですよね。いいものを食べているから優れているとか、いいものを食べていない人はダメだなどといった価値観を子どもに植え付けないようにすることこそが、大切な食育ではないでしょうか。
成長すれば自分で選ぶようになる
いいものばかりを食べさせていたら、給食を食べなくなるとか、友だち同士で出かけたときの食事に付き合えないとか、そのような心配もあるかもしれません。しかしママたちの声を見ていると、子どもたちは成長とともに自分で選べるようになるから大丈夫なようです。
『高校生になるうちの子は、舌は肥えているなと思う。でも回転寿司や学割のある食べ放題の焼肉とかにも行っているよ。友だちと食べたらなんでもおいしいのだろうね』
厳しい制約をしていたら、大人になってからジャンク的な食事にハマってしまうこともあるかもしれません。しかし、まんべんなくどのような食事でもいいと言った雰囲気を作っておけば、そこまで心配することもなさそうです。実際、投稿者さんのお話によると、お子さんたちは親と一緒にグルメな外食に付き合う反面、ファストフードも学校の給食も大好きで“おいしい”と喜んでいるのだとか。このような話を見ると、今はもう何も悩むこともなさそうですよね。
心もしっかり育てられる食育を!
『素材の味を学ぶのはいいと思う。味が濃いものになれてしまうのは将来が心配』
ママから寄せられたこの言葉が、今回の投稿者さんからの質問に対する一番わかりやすい回答かもしれません。大人が食べるものでも、子どもが食べられるものはたくさんあります。逆に小さい頃から食べていると味覚に問題が起こったり、肥満につながったりなど、困った問題につながってしまうケースもあるでしょう。大事なことはバランスが取れているかどうかではないでしょうか。どのような食事であっても、食べるものや味付けだけでなく、心もしっかり育てられる食育を目指していけるといいですね。
文・櫻宮ヨウ 編集・荻野実紀子 イラスト・Ponko
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