いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

田中裕二:第2回 子育てに一番大事なのは、とにかくパパとママの仲が良いことだよね

10月19日は“イクメンの日”。10(トウサン=父さん)と19(イクジ=育児)の語呂合わせが由来です。毎年この時期に開催される「イクメン オブ ザイヤー」では、その年を代表して、育児を楽しみ、頑張ったパパが表彰されています。
2017年の「イクメン オブ ザイヤー」イクメン芸人部門の受賞者に選ばれたのは、お笑いコンビ「爆笑問題」の田中裕二さん。第二回目のインタビューでは、田中さんの育った環境や、奥さま・山口もえさんとの夫婦関係についてお話をうかがいました。

結婚3年目、2017年5月に3人目のお子さまが誕生し、ますます賑やかになったと思います。田中さんが意識して担当している育児はなんですか?

そうですね。今は赤ちゃんもいて奥さんがそっちにかかりっきりになっちゃうので、上の子たちの学校のことを手伝ったり、休みの日は遊びにつれていったりだとか、そういうことは率先してやっています。塾の送迎もね。

子育ての部分というよりも、お母さんの負担をいかに減らすかの意識の方が強いかな。イクメン、イクメンと言うけど、お母さんの方がずっとすごいですよね。

僕は52歳ですが、僕が小さい頃の育児は母親のみですよ。父親は仕事だけ。父親に育児された記憶はないわけです。あの頃はそういう時代だったし。どんどん時代が変わって、今はお父さんも育児をするというのが当たり前として広まってきていますよね。

田中さんがお父さまに「こういうことがしてほしかった」という気持ちや願望が、今の子育てに影響しているということはありますか?

田中裕二

父親は優しい人でしたけど、いわゆる戦後の高度経済成長期のサラリーマンだったので、毎日仕事に行って、帰ってきてという生活が当たり前だったし、僕は母親にべったりだったので、それはそれで幸せだったんですね。

仲が悪いとかコミュニケーションが取れないとかそういうわけではないんだけど、物心ついてからずっと、父親とはそういうものと思っていたから、「あれをしたかったな」という感覚すらないというか……(笑)。「なんでお父さんは遊んでくれないんだ」みたいな不満はなかったです。

だから今僕が子どもたちにしていることは、自分が求めていたものではなく、自分が子どもたちに好かれたいという感覚でやっているところが大きいかな。やっぱりかわいいからね。

どうしても母親には勝てないんだけど、それでも「パパ~」となついてくれるときに、できるだけ喜ぶことを言いたい、やってあげたいという気持ちはありますね。

子育てに関しての考えを奥さまと話すことはありますか?

しょっちゅう話しますね。もちろん感覚が違うことはあるので、何から何まで同じということはないですが、「こういうときはこうしたらいいんじゃないかな」という話はよくします。

あとこれは夫婦でよく話すんだけど、一番大事なのは、とにかくパパとママの仲が良いこと。子どもたちの前でケンカをしたり、険悪な雰囲気のままでいたりするのは、育児には一番良くないかなと思いますね。とりあえず両親の仲が良ければ、なんとかなるかなと。

そういう会話をご夫婦でできるのはとてもステキだと思います。子育ての悩みを旦那さんに話せず一人で抱えてしまうという方も多いと聞きます。

家庭によってそれぞれあるからね。お互いの性格や環境によって違ってくるから、簡単には言えないんだけど。

お父さんが子どもを心配するにしてもなにをするにしても、少なくとも子どもに無関心でいられることはないと思うんです。一緒に生活してたらイライラもすることもあるだろうし、「なんで今、ここでそんなわがまま言うんだ……」と思うことだってある。それは無関心ではないよね。

あの手この手でお風呂に入れるとか、宿題をやらせるとか、朝なかなか起きないとか、朝ご飯食べないとか……。お風呂に入れるだけでも大変ですよ、子どもはまず入らないですからね(笑)。子どもが明らかにやってはいけないことをやったときでも、怒ったからといってそれが躾の近道じゃない場合もある。対応しているお母さんたちは本当に大変ですよね。しかも毎日ですからね。

こんな風にお母さんが育児を毎日、毎日やっていて大変なんだから、やっぱりお父さんはその大変さを横で見て気づかないとね……。

でも気づいてもらえなかったら、それは奥さんがはっきり言うしかないですね。どれだけ大変かということを旦那さんはなんとなくわかってると思うんだけど、言われないとわからないこともあるからね。

田中裕二

育児を一緒にしたいと伝えると、「俺は仕事をしている」と返されるから言えないという意見も多くありますが、それについてはどう思われますか?

僕の中にも多少ありますよ。「仕事は行かなきゃいけないし」という大義名分ではないけど、まぁそういう気持ちはあってね。「ごめん、俺は仕事だから行っちゃうけど、あとよろしくね」という感じには、どうしてもなります。仕事を休むわけにはいかないし。逃げるわけではないけど。

でも正直育児は奥さんの10分の1もできていないので、「仕事をしている」と言い切っちゃうのはダメだと思っています。

最近では、お父さんたちが育児休業を取得することも話題になっています。田中さんはこの制度についてどう感じていますか?

それはもう、取れる状況なのであれば取っていいと思います。
難しいのは育児休業が取れない会社や仕事もあることですね。育児休業を取れる人はもちろん取っていいと思うんだけど、育児休業取得を責めるような流れになるのはよくないかなと思います。

逆に育児休業を取らないからといって、ひどいわけでもないと思うんです。僕は、現状は無理なので育児休業を取るつもりはないんです。これもね、なかなか難しいですよね。


次回は「育児の楽しみ方」について伺います。お楽しみに!

取材、文・上原かほり 撮影:泉三郎

「イクメンオブザイヤー」のサイトはこちら

関連記事

田中裕二:第1回 僕のイメージする「イクメン」に、僕は全く当てはまってないです(笑)
10月19日は“イクメンの日”。10(トウサン=父さん)と19(イクジ=育児)の語呂合わせが由来です。毎年この時期に開催される「イクメン オブ ザイヤー」では、その年を代表して、育児を楽しみ、頑張った...
田中裕二:第3回 赤ちゃんの笑顔を見て愛おしいと思うのは、今までにはない感覚ですね
2017年の「イクメン オブ ザイヤー」のイクメン芸人部門の受賞者に選ばれたのはお笑いコンビ「爆笑問題」の田中裕二さん。スペシャルインタビュー第三回目は、「子どもの叱り方」や「育児の楽しみ方」について...
窪塚夫妻から受賞コメントも!「第10回 ペアレンティングアワード授賞式」
2017年11月30日、育児雑誌5誌が集結し、その年の「育児のトレンド」を表彰する「第10回 ペアレンティングアワード授賞式」が開催されました。授賞式では2017年に育児業界で話題となった「ヒト」「モ...