いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

シングルマザーの子育て。大切なのは外にネットワークを作ること【花まる学習会 高濱先生】

IMG_1339シングルマザーで子育てをしていると、「片親だから子どもがちゃんと育つか心配」「仕事ばかりしていて、子どもに寂しい思いをさせているんじゃないか」と不安になることがあります。片親でも子どもはちゃんと育ちますか? 「花まる学習会」代表の高濱正伸先生にお話を伺いました。
takahama_masanobu

哺乳類は母親だけで子育てをする

シングルマザーの悩みはいろいろあるけど、やっぱり不安は大きいと思います。無意識のうちに「両親は2人揃って完璧」と思う人も多いと思うんですよ。基本、哺乳類というのはだいたいは母親だけで育てているんです。つまり、「両親2人そろっていないといけない」ということはないのです。父親、パパの役割は「ママをどれだけニコニコにさせてあげられるか」です。パパがいるかいないかよりも、子育てにとって大事なことは、ママの気持ちが安定していることです。

「ママの気持ちの安定」が子どもを育てる

ママの気持ちが安定していると、子どもに対して「かわいい~!」と思えるでしょ。逆に、不安定だとついネガティブなところばかりに目が行きがちです。その結果「さっきいったよね!? なんでまだやってないの!」ということになってしまうのです。
これはシングルであろうが、両親が揃っていようが一緒です。そもそも夫と妻とが分かり合えれば良いのですが、100%というのはたいてい無理です。だからママたちは、外に「安定」を求めています。

職場でもママ友でも「こんなことがあって大変だったのよ」といって「そうだったの。それは大変ね!」と共感してもらうときが一番スッキリするんです。ましてや同じ母親同士だったら共感度合いが同じだから、子どものイタズラからイライラしたことまで、話して笑って、終わり! それでスッキリするんですよ。

あとは先輩ママの存在。ちょっと心配なことがあったら相談すると「あー、わかる、わかる。子どもってそうだよね」と言ってくれるから、それだけで気持ちがすごく楽になるんです。

ママは子どもと一緒にいられないことを罪深く思うもの

シングルマザーの人が気にするのが「いつも仕事ばかりで、子どもと一緒にいる時間が短い」ということ。働くママもそうですよね。その不安に思う気持ち、わかりますよ。ママという生き物は、子どもと一緒にいてあげられないことを罪深く思う生き物なんです。基本はみんなそうです。ただ、子育ての目標を「子どもをメシが食える大人に育てること」、つまり“自立”だとすれば、毎日一緒にベタベタしている必要はまったくありません。

1日中一緒にいてあげられなくてもいい。そのかわり1日5分でもいいから、毎日必ず子どもを膝の上に乗せて話を聞いてあげること。それだけでいいんです。その5分があれば子どもは残りの23時間55分を頑張ることができるのです。もちろん、できるだけ一緒に過ごす時間を作ってあげると子どもも嬉しいと思いますが、どうしても忙しいときはそれだけでもいいのです。

子どもからしたらその5分間の抱っこは、かけがえのない感覚です。「ほらね。ママはぼくのことが大好きなんだ」みたいな。それをしてあげることで、子どもは愛されていることを実感できるし、それが将来にわたり自信になるのです。

取材、文・間野由利子 イラスト・ななのぶ

間野由利子の記事一覧ページ

関連記事

「男の子はカブトムシだと思え」。大らかな気持ちで見守ることが大切【花まる学習会 高濱先生】
男の子を持つママたち、公園に行くたびに棒を持って走りまわったり、高いところから飛び降りたりと、目が離せませんよね。なぜ男の子は、危ないことをしたがるのでしょうか?「男の子ってわからない!」と思うママ、必見です。男の子の育児について「花まる学習会」代表の高濱正伸先生にお話を伺いました。
夫は犬だと思えば腹も立たない!?【花まる学習会 高濱先生】
「なんで私がこんなに忙しくしているのに、夫はスマホを見ながらゴロゴロしているの!」と思うこと、ありませんか? そんなときはこの言葉を思い出しましょう。「夫は犬だと思えばいい」。これは「花まる学習会」代表高濱正伸先生の言葉。いったいどういう意味なのでしょうか。
がんばっても成績が悪かった子が伸びたワケとは?【花まる学習会】
明るくて思いやりがあって、ニコニコして、笑顔がとってもかわいい男の子。でも、彼は勉強がまったくできず、テストの点数はいつも0点。本来なら親や先生に怒られて、自信をなくしてもおかしくないところですが、最...