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悩むたびに救われた本『子どもへのまなざし』の、ママを励ます言葉がグッとくる

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『子どもへのまなざし』という本をご存じですか? 児童精神科医である佐々木正美さんの講演をまとめた育児書です。佐々木さんが保育園や幼稚園、学校、児童相談所、家庭裁判所、養護施設などのいろいろな場所で、親子との出会いを通して感じたことや、子どもたちを豊かに健やかに育てるとはどういうことか、佐々木さん自身の体験を交えながら語られている本です。1998年に出版され今なお読まれ続けるこの本は、家の本棚にもあるよというママも多いのではないでしょうか。

佐々木正美さんが2017年6月28日、81歳で亡くなったというニュースがありました。

そのニュースを知って、筆者も家にある『子どもへのまなざし』を改めて開いてみました。幾度となくこの本のページを開いてきましたが、開くたびに心打つ言葉を発見します。いくつかご紹介したいと思います。

子どものことで悩むたびに、自分を励ましてくれた言葉の数々

「親に手をかけさせる子どものほうが、いい子だと思うのです。」(p.121)

「乳児期に人を信頼できると子どもは順調に育つ」という章では、乳児期に子どもの要求を可能な限り聞き入れてあげることが、子どもが人を信頼し、そして自分を信じていける子になるため必要、という話が出てきます。

「親はライフサイクルのどこかの時期で、いちどは思い切り子どもに、心や手をかけなくてはならないのです。子どものだすサインを正確に読み取ってやれば、子どもは順調に伸びていきます。そして、小さいときに手をかければかけるほど、早くから順調に育っていくものです。」(p.122)

子どもが生まれたばかりの頃、泣いてばかりの赤ちゃんの世話に毎日疲労困憊だった筆者は、自分を励ましてくれているように思えて、涙が出ました。

「幼い子どもが望むことは、何をどれだけやってあげても大丈夫。」(p.138)

子どもの望んだとおりにあれこれ満足させてあげると、過保護になって躾をしそこなってしまうという考え方に対して、佐々木さんは強く反対します。

「親のひざの上にのって、テレビをみたがる子どもがいたとします。いつでも自由にのせといてあげると、いつまでものっているかというと、そうではないでしょう。すぐにあきてしまうのです。安心してあきてしまって、その後、そんなことはめったに要求しない子になるのです。子どもというのは、要求が満たされると、それ以上要求をエスカレートさせてこないのです。」(p.139-141)

子どものイヤイヤ期で、母としてどう対処したらいいのか、そして躾ってどうしたらいいのかと悩んでいた筆者には目からウロコでした。

子どもにだけではなく、ママへのまなざしが温かい

「まず自分自身が幸せでなければ、子どもを幸せにすることなんかできないのですね。」(p.199)

ママは子どもが幸せになってほしいと願うもの。でも、自分自身の幸せって何? この本にすてきなヒントがあります。

「幸せとはどういうことなのか、おなじ条件、おなじ状況であっても、幸せに思える人と思えない人がいます。(略)
「幸せということは、感謝ができること」であろうと思います。(略)私なんかの場合には、仕事から帰って「お風呂がわいていますよ」と妻からいわれて、「どうもありがとう」と、こういう気持ちです。(略)

この感謝が本当に心からできるかどうかということは、日常的な幸、不幸を決めるうえで、とてもだいじなことだろうと思います。それは自分が幸せでなければ、なかなか感謝ができるものではありませんから。あるいは、感謝ができるから幸せだとか、ニワトリと卵みたいなもので、どちらが先かむずかしい問題です。ただし、そういう気持ちをもつというのは、ある程度、心がけて努力をしなければならないのではないでしょうか。」(p.196-199)

慌ただしく過ぎていく毎日の中で、ちょっとしたことについイライラしたり、がっかりしてしまったり。毎日が幸せか、なんて筆者はあまり考えたことがありませんでした。でも、パパが早く帰ってきた、子どもが今日楽しかったことをたくさん話してくれた、それだけで幸せなんだと気付かされました。自分の幸せをちょっと立ち止まって考えてみるって大切なことですね。

筆者は初めての妊娠で産休に入ったとき、この『子どもへのまなざし』を義理の母からプレゼントされました。それ以来、今も時々開いてところどころ読み返します。子育てに悩んでこの本を読んだとき、ポジティブになれた、気持ちが楽になった、そんな経験が何度もありました。この本は子どもへのまなざしだけではなく、佐々木正美さんのママを励ます温かいまなざしにあふれているのですね。

 子どもへのまなざし




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作:佐々木正美
価格:1,836円(税込)
発売日:1998/7/10
出版社:福音館書店

 

文・野口由美子