いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

抱っこ紐で転落事故!?パパにも伝えたい使用時の注意点【朝ごふんコラム】

抱っこ紐①

横抱き、前抱き、後ろ抱き、と抱っこもおんぶもできて、とっても便利な抱っこ紐。実はちょっとした配慮が足りなかったり、使用方法を間違えていたりすることで、子どもの転落事故につながってしまうのです! ママは大丈夫でもパパはどうですか? 今回は、パパたちにも安全に使ってもらうため、今一度注意点を確認しましょう。小児科医で「子どもを事故から守るプロジェクト」代表の出口貴美子先生にお伺いしました。
出口小児科医院院長 小児科専門医 出口貴美子先生の紹介画像

抱っこ紐の3つの注意点。慣れないパパには事前に伝えてあげて

①横から子どもが転落
一時期、抱っこ紐を使用中での事故が注目されました。その抱っこ紐は取り付けが簡単で便利ですが、わきの部分が大きくあいていたため、物を拾おうとしたときにわきのすきまから落ちて事故になるというケースが多くありました。
しかも、事故を起こしているのは実はパパが多かったり……。普段、抱っこ紐を使う機会が少ないパパの場合、片腕で子どもを支えることなく下に落ちているものを拾おうとしてしまうのです。そのため横から子どもがストーンと落っこちてしまうのです。
赤ちゃんは1メートルほどの高さからの転落になるため、頭部外傷です。赤ちゃんの頭はやわらかいため、大きな事故につながってしまいます。まずは不用意に物を拾うとしないこと。拾うときは、必ず赤ちゃんの体を支えて、腰を下ろしてから拾うようにしてください。
使用前には、「こんなときに事故が起きやすいから、気をつけてね」と、一言添えてあげるといいかもしれませんね。

②抱っこ紐を正しく使っていないとき
通常、抱っこ紐は背中のうしろで留め、両肩にかけた紐がずり落ちないようになっています。しかし、使用しているママたちをみていると、けっこう高い確率で背中の部分を留めていないことがあります。それによって肩から紐がはずれ、子どもが下に転落してしまうということがあります。

③前抱きからおんぶにするとき
子どもを抱っこする場合、前に抱きかかえて抱っこ紐をつけ、そのまま後ろにずらして前で留め具をつけるというやり方をする場合もあると思います。実は、この前から後ろに移動させる時にも、転落事故が起きているのです。
本来、手順書通りやれば問題ないことも、意外とママたちはここを見落としがちで、自己流でやってしまう方もいます。それによって事故が起きてしまうのです。今一度、お手元にある抱っこ紐の使用方法を確認することをおすすめします。

日本小児科学会では、『抱っこ紐からの転落による頭部外傷』の報告(障害速報)を行なっています。参考になさってください。

スリングは短時間での利用を心がけて

抱っこ紐②
よく抱っこ紐を使っているママから「足をすごく開くタイプのものなんですが、大丈夫ですか?」と聞かれることがあります。足を開くのは問題ないのですが、反対に股関節の硬い赤ちゃんは注意が必要です。赤ちゃんの足は、M字型になっているのがいいのですが、足がまっすぐになってしまい、結果的に股関節脱臼につながってしまう場合もあります。
股関節に問題がない赤ちゃんの場合は使用しても大丈夫かもしれませんが、使用方法をよく確認してご利用ください。
その他、すっぽりスリングの中に子供を入れて抱っこしているうちに、窒息で亡くなったというケースがあります。常に顔が見えて、変化に気づける様に抱っこする様に心がけてください。
https://www.jpeds.or.jp/modules/injuryalert/index.php?did=21
赤ちゃんとのお出かけや家事、夜泣きの時など、なにかと活躍する頻度が高い抱っこ紐。だからこそ、赤ちゃんを安全に守ってあげましょう。

「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとって欲しい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムは、忙しい朝でも5分で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。

ほかにも、ベランダ・エスカレーターでの事故 などの生活に役立つ記事は『朝ごふん』ページで読むことができます
朝ごふんコラムを読む