3児のママになったhitomiさん新曲は、『みんなのうた』のあの曲
昨年10月に第3子を出産した、歌手のhitomiさん。2月2日に配信リリースされた新曲は、現在NHK『みんなのうた』2-3月の曲としてオンエア中の「夢運んだランドセル」です。
今回は楽曲や最近のお子さんたちの様子について、さらにhitomiさん流の子育て・ファッションについてお話をうかがってきました。
息つく間もない毎日。子どもが3人いる重みを感じています
──8歳、2歳、0歳と3人のお子さんがいる毎日は……お忙しいですか?
はい(笑)。文字どおり、息つく間もない毎日です。子どもたちそれぞれで大変なところは違うんですけど、中でもいちばん大変なのが真ん中の息子で。
──イヤイヤ期、ということですか?
まっさかりです。2歳なので伝えたい気持ちは強いのにうまく伝えられない、っていうジレンマがあるみたいで。お姉ちゃんのときはイヤイヤ期みたいなものがあまりなかったので、今回典型的なのを目の当たりにして”これか!”って。コップに牛乳を入れてあげるとミニカーを突っ込んでみたり、バシャン!ってぶちまけてみたり(苦笑)。”今日このテーブルを拭くの何度目だろう……?”ってため息をつきながら片づけてますね。
──そんな毎日の中、子育てで意識されていることってありますか?
やっぱりコミュニケーションは大事だなと思います。忙しくても、ちゃんと話は聞くように。とくに娘とは意識していますね。今一番ダイレクトに甘えてくるのが、真ん中の息子なんですよ。お姉ちゃんはその6歳上だから控えてはいるようなんですが、”あれ? 何か甘えたいのかな?”って感じることはあって。そういうときはちょっと話をするだけでも落ち着いてくれる子なので、助かっていますね。
休日は家族みんなで出かけることが多いです。私も主人もアクティブに動いているほうが好きなので。まぁ、夕方になる頃にはヘトヘトですけど(笑)。やっぱり子どもが3人いる重みは日々感じますね。私はその司令塔になって、「こうして!」「あれやって!」と一日中叫んでいる感じ(笑)。
ちょっとでもおしゃれしたりする”潤い”が、ママ業には大事
──どんな服装でお出かけされるんですか?
テイストが合わせられそうなときは、合わせますよ。私はついついボーダー柄が多くなっちゃうので、気づけば家族全員ボーダーで合わせていたりとか(笑)。
──ママになってから、服装に変化はありましたか?
今は授乳中なので、着るものがどうしても限られてきますよね。今年1年ワンピースはあきらめようと思ってます。今回は出産してから体重が落ちるのがこれまでで一番遅くて、ボトムがまだキツいんですよ。なので普段は買わないような少し太めのパンツを買ったりしています。この時期だからと割り切って。インナーもカップ付きのキャミソールなんかが増えましたね。
──「子どもがいるから」と、服装でガマンしていることはありますか?
なんだろう? ロングスカートなんかは階段でつまづきそうになるので”赤ちゃんを抱いていると危ないな”とは思いつつ、はいちゃいます。そのときはもちろん、より慎重に動くように注意して。あとはまだ寒いのでニットも着るんですけど、主人が「赤ちゃんの口に毛が入ったら、かわいそうだ」って。私よりも細かいんですよ(笑)。なので授乳のときはカーゼ布を当てて対応したり。そう考えると、あんまりガマンはしていないかも。
──好きな服装でいると、自分の気持ちも上がりますもんね。
そうそう。母親でいることは大事だけど、責任をあまり背負い込みすぎないほうがいいんじゃないかな?って。それは自分に対して思うときもあります。ちょっとした潤いを持ったほうが、笑顔でいられる時間も長くなると思う。一日に30分でもいいから、お茶を飲みながらファッション誌を眺める時間があればいいんですけどね。そういう時間を持てないことが続くと、どうしてもストレスが溜まってきちゃう。買わなくても、素敵なお洋服を眺めているだけで気持ちがぜんぜん違うんです。
あまりに忙しくてトイレに行く時間もなかったり、子どもたちの世話をしていたら一食抜けていた、とか。でも授乳もしているからそれじゃ困ると思って、立ったまま何かつまんだり(苦笑)。私もそんな毎日です。ただ、頑張りすぎると気持ちの余裕をなくしちゃうから、その辺はパパにも協力してほしいなって思いますね。
──上の子を連れて公園に出かけてくれるだけでも、ありがたいですよね。
そうですよね。うちはまだ協力してくれるほうだと思うんですけど、たまに「どれだけ洗面所(鏡の前)にいるの?」って言われるんですよ(笑)。でもちょっとでもお化粧したりとか、そういう潤いがママ業には大切だなって思います。
──赤ちゃんのいるママに、おすすめのファッションは何かありますか?
インナーさえ授乳用とかであれば、その上にはおるものは意外となんでもいけるかなって思います。産後お腹周りがまだ気になるママも多いと思うので、ふわっとしたAラインのトップスはおすすめですね。授乳の時にパッと赤ちゃんが中に入れるし。あとはこの時期限定と割り切って、コストパフォーマンスのいいものを選ぶ。「ユニクロ ユー」のパンツとか、私も狙ってます(笑)。
自分の小学生時代と娘の今を重ねて作った新曲
──新曲「夢運んだランドセル」が『みんなのうた』でオンエアされていますね。
我が家もEテレはよく観ているので、”こういう場面で自分の歌が流れていたらいいな”と思うことが昔とは違う感覚で自分の中にあって。『みんなのうた』で流れたらうれしいなという希望をスタッフを通してお伝えして、それがかなった形ですね。いわば逆オファー(笑)。曲のテーマにNHKの方も賛同してくださり、それから正式に委嘱を受けて曲を完成させました。自分ひとりではなく、身近な人と一緒に聴く音楽ってどんなものかな?ということを考えながら作りました。
──その中で出てきたテーマが「ランドセル」だったんですか?
娘がこの春で小学3年生になるんですけど、入学したときに本当にウキウキしながら踊ったりしていた姿が自分の中に焼き付いていて。小学校って6年間と長いので、印象的な思い出がたくさんできる時期だと思うんですよ。楽しいこともあれば、お友達とケンカすることもあったり。自分の小学生時代を思い出しつつ、そこに娘の今の成長を重ねてできた曲なんです。
──タイトルにある「夢」という言葉には、どんな思いが?
子どものころに描く夢が、将来につながっていることも多いですよね。サッカー選手や技術者とか、毎日そんな夢を描きながらランドセルを背負い歩いていく姿をイメージしました。親との関係でも小学校入学当初は「ママ、パパ」ってしょっちゅう言っていたのが、いつのまにかお友達のほうに気持ちのウエイトが移っていったり。6年の間にはそういう変化もあると思うので、夢や気持ちがどんなふうに変わっていくのかな? という楽しさもありますよね。
──未来を感じるタイトルですよね。娘さんに将来の夢は何か?
私はずっと”歌手”が夢だったんですけど、娘は「自分が何になりたいのか、わからない」って言ってます。でも”夢を持たなきゃダメ”っていうのもおかしな話だと思うし、あせることはないかなって。いろんな好奇心が積み重なって、そのうち目標みたいなのが定まってくればいいなと、気長にみてます。
──そうですよね。『みんなのうた』オンエアをご覧になった感想は?
アニメーションのストーリーと曲がとてもうまくハマっていて、より素敵なものに仕上げていただいた印象です。一緒に観ていた娘に「どうだった?」って聞いたら、「いいんじゃない?」って生意気な言い方をされましたけど(笑)。
お子さんたちとのドタバタな毎日を、前向きに突き進んでいるhitomiさん。「夢運んだランドセル」は、第3子を妊娠しているときに制作されたそうです。家事や育児に忙しい手を休めて耳を傾けてみると、疲れていたママの心にじんわりしみ込むはずですよ。
[配信シングル] 夢運んだランドセル
詳細はこちら
http://hitomilovelife.net/discography/
取材、文・鈴木麻子