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卓球界エース・水谷選手の家族への思い「奥さん孝行がイクメンにつながる」

今年もっとも育児を楽しみ・頑張ったパパ=イクメンを表彰する第6回「イクメン オブ ザイヤー」の授賞式が行われ、リオ五輪で日本中を沸かせた日本男子卓球界の絶対的エース・水谷隼選手が、スポーツ部門にて表彰されました。

オリンピック卓球の個人種目において日本に初のメダルをもたらし、一躍スターとなった水谷選手。凱旋帰国のあともテレビ等のメディアにひっぱりだこです。その中でも、2歳の愛娘の話題になると途端に相好を崩し、あの壮絶なラリーを繰り広げた猛々しさから一転、メロメロのパパの顔になるというギャップがとても魅力的で、世のママたちからの支持率も急上昇中なのです。

そんな水谷選手の「パパの顔」をもっと知りたい!と、ママスタを代表してお話をうかがいました。

──水谷選手はリオ五輪での活躍で、一躍卓球界のスターに、といった状況ですが、お嬢さんは、今回の水谷選手のオリンピックでの活躍は認識されてるのでしょうか?

まだ2歳ちょっとなので、全然わかってないですね。テレビに僕が映っていると『あ、パパだ』とか『パパ! パパー!』って騒いでいたらしいですけれど

──娘さんは現在2歳とのことですが、父親になる前と後では、水谷選手自身、変化したことはありますか?

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それまでは自分中心の生活だったのが、娘が生まれてからは家族中心になりましたね。休日もまず家族の予定を確認して、できるだけ娘と遊べるようにしています

──それは「父親らしくしなければ」という義務感や使命感ではなく?

いえ、自分から率先してです。もう娘が超可愛くて……(笑)。娘が生まれた当時は、僕は試合期間中で日本にいなかったんです。生後2か月くらい経ってからやっと会えたんですが、その瞬間は実感がなく、『自分に父親ができるんだろうか』っていう不安のほうが大きくて。でも少し大きくなってきて、周りから僕に顔が似てきたねと言われるようになると『ああ、本当に自分の娘なんだなあ』としみじみと実感が湧いてきたんです。そして、この子のためにちゃんと頑張ろうと思うようになりました

──育児にはどのようにかかわっておられますか。

海外に出ることが多いから、毎日何かをするということはできません。日本にいるときはオムツを替えたりご飯を作ったりもしますが、お風呂と寝かしつけは必ず僕がやると夫婦で決めています。役割分担ですね。その時間だけでも妻がのんびりくつろいでいる姿をみると安心します。もっともっとこういう時間を作って、妻を幸せにしたいなと思いますね

──そんなことを旦那さんから言われたら、ママとしてはとても嬉しいですよね。

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妻は24時間365日育児をしているわけで、それは本当にすごいことですよね。僕、一度だけ娘と二人だけで3日間過ごしたことがあるんですけれど、もう大変で大変で。目が離せないし心配でトイレにも行けなかった(笑)。僕の場合、毎日育児を手伝うことができないので、まず妻が幸せであることを一番に考え、常に感謝の気持ちをもって奥さん孝行を心がけています。それが間接的なイクメンにつながるとも思うんです

──多くのパパがそのことを忘れているんですよね。ところで、お嬢さんが卓球のラケットを持っている写真を拝見しましたが、この先、卓球選手になりたいと言ったらどうしますか。

いやぁ……なってほしくないですね。プロスポーツの世界は甘くないし、でもやるからには上をめざしたいものだし。そうなると辛いことのほうが多いんですよ。ずっと辛いことの連続で、たまに喜びがあるっていう。できれば娘には辛いことよりも喜びのほうが多い人生を歩んでほしいと思います。それでもやりたいと言ったら反対はしませんが……僕は教えません(笑)

──今回メダリストとなって、水谷選手ご自身、生活が大きく変わられたと思います。お嬢さんもこの先「水谷選手の娘だ」といわれることも多いと思いますが。

娘にとってはただのパパですから。特別な感覚を持たないように育てていきたいです。ただ、大きくなったときに『自分の父親って最高!』と思ってほしい。だからそのためにも頑張っていきたいですね

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水谷選手の個人戦銅メダル・男子団体の銀メダルによって、男子卓球への関心や認知度は大きく広がりました。水谷選手だけでなく吉村選手や丹羽選手、さらに海外の卓球事情への興味も高まっています。また、全国にいる卓球少年たちに明確な目標を示し、この先歩んでいく道を拓きました。選手層はどんどん厚くなり、環境も整備されていくなど、水谷選手がもたらした功績ははかり知れません。

そうした活躍の原動力のひとつに愛する家族の存在があったことはまちがいないでしょう。2020年の東京五輪も見据え、しばらくはヨーロッパとの往復生活が続くと水谷選手。
帰国したときには思う存分家族との幸せな時間を過ごしていただきたいと思います。

Text by K.Awata  / photo by 泉三郎