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小学生のお子さんを持つママを悩ます「比べる病」の正体とは【親野智可等さん・第1回】

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みなさんは勉強や習い事において、わが子とお友だちを比べてしまった経験はありますか? もしかしたら不安に思うあまり、「子どもの子育てをリセットしたい」「自分はダメ親かも」と悲観しているママもいるかもしれませんね。教育評論家で親力アドバイザーの親野智可等さん(以下、親野さん)は、「小学生のお子さんを持つお母さんは、ほかの子と比べる『比べる病』に陥りやすい」と言います。それは一体どういうことなのでしょうか。親野さんに、小学生の子育てについて伺いました。
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小学生のママが陥る「比べる病」とは?

――子どもが小学校に上がると子どもの至らなさに目がつき、「うちの子はこのままで大丈夫なのか」「もう手遅れなんじゃないか」と心配するママもいるかと思います。ママたちはなぜ、自分の子育てに自信が持てなくなるのでしょうか。

親野さん:子どもの成長に個人差が出てくることが大きいですね。未就学児の頃は「できなくて当たり前」と思っていたものが、小学校に上がると「なんでほかの子はできるのに、うちの子はできないんだ」や「これくらいできて当たり前」と親の見方が変わってしまうんです。

――小学生になると勉強面で不安に感じることもありそうです。

親野さん:未就学児と小学生の子育ての最大の違いは、勉強面でしょう。テストは数値化されるため、どうしてもわが子の至らなさに目が向いてしまいます。すると親御さんは「このままで大丈夫なのか」と不安になり、一生懸命情報を調べるんですね。「何歳までに○○ができる」「○歳までに算数力を身につける」といった情報も溢れていますから、さらに心配になってストレスを抱えてしまうんです。私はこうした状態を「比べる病」と呼んでいます。

――親の「比べる病」は、子どもに悪影響を与えそうです。

親野さん:子どもも「私は国語が好きだけど、算数が苦手」や「ほかの子は跳び箱を3段飛べるのに僕は飛べないや」と、自分の得意・不得意が気になりはじめます。これは、認識能力の基本中の基本なので仕方がないことですが、親も一緒になって気にしすぎてしまうとよくありません。親が気にしすぎると、子どもは余計落ち込んでしまいます。ですから、親御さんはあまり気にせずに、子どもを落ち込ませないようにしてほしいですね。

自分の子育てを否定せず、自分で自分を褒めよう

――「比べる病」にならないために、ママが心がけるべきことはなんですか。

親野さん:まず自分の子育てを否定しないことですね。「こんな子に育ってしまったのは私のせいだ」と思わないほうがいい。自分を責めると、余計苦しくなってしまいます。まずは自分を自分で褒めましょう。お母さんは、子どもを産んだだけでもたいしたものなんです。私は総理大臣や博士よりも、お母さんの方が貴重な存在だと思っていますよ。ですから自分を否定せずに褒めてほしいですね。

――「子育てはやって当たり前」といった風潮があるなか、なかなか自分の子育てに自信を持てない人もいると思います。自信を持つためにできることはありますか。

親野さん:自分の子育てに自信が持てないお母さんには、私がプロジェクトリーダーを務める「ほめ写」をおすすめします。「ほめ写」とは、スマートフォンに眠っている子どものスナップショットや七五三などの写真をプリントして、リビングやトイレに貼るプロジェクトです。写真を目にする機会が増えると、子どもたちは「お父さんやお母さんに大切にされて愛されている」と実感できますし、親御さんも「あの頃は夜泣きで大変だったな」「がんばって子育てしてきたな」と自分の子育てを振り返り、自分を肯定できるようになるんです。

――親の自己肯定感が高めることが大事なんですね。

親野さん:そうです。ほめ写プロジェクトのメンバーで東京家政大学教授の岩立京子先生(発達心理学)の研究でも、親の自己肯定感が高いと子どもの自己肯定感も高くなることがわかっています。ですから、お母さんの自己肯定感を高めるためにも、ぜひほめ写をやってみてください。

【編集部後記】
小学生に入ると、勉強や習い事など活動範囲が広がる一方で、ほかの子と比べて、わが子の至らなさに目がいってしまうんですよね。子どもの自己肯定感を高めるには、まずは「ママが子育てに自信を持つことが大切」だと親野さんは言います。親野さんがおすすめしてくれた「ほめ写」はもちろん、パパやママ友などとお互いを労う時間を設けてみてもいいのではないでしょうか。お互い褒め合うと気分がいいですし、自分の自信につながりそうです。ぜひいろんな人と励まし合って、ありのままの自分を認めてあげてください。

第2回へ続く。

取材、文・安藤永遠 編集・荻野実紀子 イラスト・マメ美

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