子どもに戦争の話をする義母に困惑。怖がっていても幼い頃から教えるべき?
夏になると、多くのメディアで戦争や原爆について取り上げられるのを目にすることでしょう。命の大事さや戦争の悲惨さを改めて考えさせられますね。戦争のことを子どもにどう伝えればよいのか、と考えたことがあるママも多いのではないでしょうか。6歳と小1の娘さんをもつママからこんな悩みの声が届きました。
『私は会社で仕事、旦那は在宅勤務をしています。夏休み中の娘たちを見てもらうために義母を呼んでいますが、義母は娘たちに原爆や戦争の話を延々としているらしいのです。戦争のドキュメンタリーや映画を見て、娘たちは「怖い、怖い!」と嫌がっています。無理やり見せたくないのでやめてほしいのですが、義母は「日本人なら知らないとだめなのよ」と言います』
投稿者さんが仕事の間、義母が娘さんたちの面倒をみてくれているようですね。戦争について知っておくべきだと考えている義母とやめて欲しいと考えている投稿者さん。ママスタコミュニティのママたちは、両者の言い分をどのように判断したのでしょうか。
怖がっているのならかわいそう……
まずは投稿者さんの気持ちに共感したママたちのコメントからご紹介します。戦争の悲惨さを伝えることは大事だけれど、嫌がっているならかわいそうとの意見が届きました。
『来るたびに戦争の話ばかりされているのかな? 来るたび毎回だったらキツイよね』
『反戦の気持ちや史実を伝えていくのは大事だから話くらいならいいと思う。でも怖いって言っているのに無理やり映像を見せ続けるのはかわいそう』
『子どものころに平和学習で映画や写真など見る時間があり、とても怖くてトラウマになりました。道徳の教科書の話も今でも覚えています。「怖くて残酷で誰も幸せにならないから戦争はダメ」は、大事だけど……。嫌がる子には無理強いして映像を見せるものではないと思います』
『私も戦争の話は苦手だし怖い。被爆国として知っておかないといけないのは分かるんだけど。亡くなった祖父が戦争経験者で戦争の話をしてくれたんだけど、怖いから聞きたくないって言ったら「そうだね、ごめんね、もうしない」って言ってくれたよ。嫌がる子に無理やり聞かせたり見せたりするのはトラウマになる』
戦争の話は知っておくべきとした上で、娘さんの気持ちを考えない義母の言動には非難の声があがりました。子どものころ同じような経験をしたママたちは、大人になった今でもトラウマになっているとの声も届きました。
義母に賞賛の声!戦争の話は聞いておくべきと考えるママたちも
義母の言動は迷惑だと判断したママたちがいる一方で、「戦争の話は聞いておいたほうがいい」と考えるママたちもいました。その理由を伺ってみましょう。
『戦争は怖いもの、それは大人も子どもも同じ』
『義母さん素晴らしいと思うよ。小1なら、広島や長崎では平和学習としてガッツリ習いはじめるよ。決して年齢的に早いとかではないよ』
『私は広島に住んでいますが、幼稚園のころから平和学習はしていました。怖いけど知らなきゃいけないこと、語り継がなきゃいけないこと』
『私も小学校のころに平和学習で戦争の映画や話や写真を見せられて怖くて嫌だったけど、大人になった今ではそれを見ていてよかったと思うよ。怖くてもそれが現実で、当時の子どもたちは実際にそんな目にあっていたのだから』
広島や長崎で生まれ育ったママたちが、「幼稚園のころから平和学習をしてきた」と教えてくれました。「怖いけれど知らなきゃいけないこと」という考えは、とても印象的ですね。
またママスタコミュニティのママたちのなかにも、子どもが幼くとも戦争の悲惨さは積極的に伝えたいと考えているママたちもいました。
『うちの子は小1と4歳。今年原爆ドームに行こうと思っていたけれど、コロナの影響があったので来年に延期した。日本に生まれたのだから、悲しい記憶はつらくても知っておくべきだと思う。なんの先入観も持たずに素直に人の話を聞ける今だからこそ、伝えておきたいと思うよ』
『うちの子は2歳のときに曽祖父の実体験を聞いた。そこから興味が湧いたらしく、帰省したときは「ひぃじぃちゃんの家に行きたい!」って乗り気だよ。歴史が好きになったし、悪いことばかりじゃないと思う』
義母にはどう伝えればよい?
ママスタコミュニティのママたちの意見も真っ二つに割れ、どちらの考えも間違っていないように感じますね。しかし投稿者さんのお子さんたちが怖がっているのもまた事実。投稿者さんは、親としてどのように対応すればよいのでしょうか?
ママも一緒に聞く機会を
『お子さんが怖がっているなら、投稿者さんが一緒に話を聞いてみれば?』
まずは投稿者さんがいるときに、改めて学ぶ機会を作ってもらうのはどうだろうという意見が届きました。ママがいない状況では、お子さんは余計に恐怖を感じてしまうかもしれません。ママが不在のときは寂しさを払拭するように楽しい時間を、ママがいるときに戦争について学ぶ時間を設けてもらいたいと伝えれば、義母も理解してくれるかもしれませんね。
柔らかい表現や内容にしてもらう
『大人はそこから色々考えたり思ったりすることもあるけど、小さい子どもにはただただ恐怖心しか残らないよね。義母さんに「ソフトな内容にしてくれるなら」って条件で話してもらったらどうかな?』
絵本やアニメなど、子どもでも理解しやすい内容のものもあるでしょう。義母の話やドキュメンタリーなどは怖がってしまうことを伝え、内容や表現を変えてもらう方法はいかがでしょうか。
旦那さんから義母に伝えてもらう
『お子さんからお父さんに「怖すぎて、もう見たくない」って言わせてみたら?』
子どもから旦那さんへ怖いという気持ちを伝え、旦那さんから義母に伝えてもらうのはどうだろうという意見もありました。旦那さんは義母の息子ですが、お子さんのお父さんでもあります。両者の意見を上手くくみ取ってくれることを期待せずにはいられませんね。
心の準備ができるタイミングはそれぞれ
幼くとも戦争を知るべきと考える義母と今じゃないと考える投稿者さん。ママたちも我が子に置き換えて考えるきっかけとなったようです。
『うちの子は嫌がらないから、戦争のお話しできるし原爆資料館にも連れて行けるけど、嫌がっているならもう少し大きくなってからでもいいかもね。大事なことだから、娘さんが興味を持ったときにはお話ししてほしい』
『怖いと言っているうちは受け取る準備ができていないと思う。無理に聞かせなくても、知る準備ができて、その子にとって知っておいた方がいいことは自然と学べる機会がくるはず』
戦争体験者は年々減っていきますので、実体験を聞くことはとても貴重なことでしょう。そうなると義母の考えを真っ向から否定することもできません。
戦争を経験していない私たち世代が、子どもたちにどのように伝えていくべきなのか……、まずは夫婦で話し合ってみてもいいかもしれませんね。きっと家族の数だけ、正解があるはずです。その考えを義母に説明し、お子さんの成長に合わせた形で伝えていけたらいいのではないでしょうか。
文・荻野実紀子 編集・山内ウェンディ イラスト・Ponko
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