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【後編】知的障害ボーダーの4歳の子育てがツライ……。限界を迎えそうなママへのアドバイス

知的障害ボーダーの4歳の子育てがツライ……_後編
4歳の知的障害ボーダー(境界領域)をもつお子さんの育児に疲れ果てた投稿者さん。今にも限界を超えてしまいそうな状態をなんとかするべく、ママたちからのアドバイスを元に、支援の手を差し伸べてくれる相談先を考えてみましょう。

公的機関への相談

『専門的な所へいって協力して貰うのが一番。知人に自閉症の子がいるけど、専門の先生に出会ってからかなり変わったよ』

『児童発達支援をしている幼稚園や保育所はないかな? 市区町村のホームページとかを見たら、独自に子育て相談を受け付けていることもあるから、直接電話してみて!』

投稿者さんはすでに連絡済かもしれませんが、まずはお住まいの市区町村の公的な窓口がいいかもしれません。どの窓口に連絡したらいいかわからない場合は、お住まいの市区町村のホームページや、広報などに記載されている「子ども支援」や「保健センター」へ電話をしてみてください。

公的な窓口へ助けを求めることで、医療につなげてもらえるケースもありますし、別の窓口を案内されるかもしれません。連絡をしてみるだけでも価値も意味もあるはずですので、ぜひアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。

専門の医療機関への相談

『すぐにでも発達外来を予約してください。何カ月先の予約になっても、必ず予約をとってください。そうでないとお母さんが潰れてしまいます』

『うちの子は、役所の子育て相談では「すぐ療育に行くほどではない」と紹介してもらえなかった。でも療育施設に直接電話をして面談をしてもらい、そこで療育を受けたいと申し出たら、何とか入れてもらえたよ』

『とりあえず病院に発達相談とかしている? 必要なら投薬もあるし、投薬してくれる病院に相談してみなよ。療育は早ければ早い方がいいから』

公的な機関への相談もありますが、限界を感じるほどの状態であれば、医療機関への相談を行うのも1つの手です。最初はかかりつけの小児科でも構いません。まずは相談することが大切なアクションとなるはずです。

電話だけでは伝わらないことも多いため、可能であれば子どもと一緒に相談に行くことも一つの方法です。現状を見てもらうことも支援につながる一歩となる可能性もあります。どうしてもお子さんを連れて行くことが難しければ、その旨を電話で伝えてみることも試してみてください。

投薬によるアプローチもある。筆者の経験談

投薬と聞くと「小さい子どもに薬なんて……」と悩むかもしれませんよね。しかし投薬にしても療育にしても、周りの目や聞こえてくる声を優先するよりも、子どもにとって何が必要かを優先して考えてあげることが大切かもしれません。

筆者の子どもの場合は、発達障害からくる衝動(癇癪や他害・自傷など)を抑える薬を主治医から提案されました。結局わが子の体質には合わず、倦怠感や強い眠気などの副作用が出てしまい投薬を断念することに。しかし投薬治療を試したことで、わが子には別のアプローチで解決策を探せばいいという結果にたどり着けたことは、大きな成果となりました。

集団生活に向けた専門家のサポートも重要

ママの声にもあるように、子どもへのサポートは早いほうがよいという考え方も一理あります。先々で待ち構えている集団生活に向けた対策なども、ママや家族だけでは難しい部分があります。専門家の手を借りて、子どもたちが少しでも毎日を楽しく送れるようにサポートしてあげたいですね。

ママのケアまではなかなかたどり着けない現状

『療育先など相談できるところはありますが、子どものことは相談できても、なかなか自分がツライという相談はできていませんでした。話したら泣き出してしまいそうで。児童相談所へは電話だったので、顔が見えないから何でも話せて、泣きながらツライことは言えたのですが、「上の子を抱きしめてあげて」、「二人の時間を作ってあげて」と言われ、「散々してきました……」ってなぜか絶望してしまった。子どもを救えるのは私しかいないのかな……。もうムリだって』

投稿者さんの絶望や、相談すると泣き出してしまいそうになる気持ちはよくわかります。子どもの状況を説明しているうちに感情があふれ出し、涙がどんどんこみ上げてきてしまうんですよね。弱い部分やツライと思っていることを誰かに吐き出すことは、非常に勇気が必要なことかもしれません。

しかし誰かに話すことで少しでもママの気持ちが楽になるなら、人前で泣いても構わないのです。我慢し続けて気持ちや感情を押し殺して限界を超えてしまうぐらいなら、思い切って感情をあらわにしてみてもいいのではないでしょうか。そうすることでママのツライ現状を、誰かに訴えかけられるのですから。

『お母さん自身の相談は、地域の子育て支援センターとか、保健所でできるからしてみてね』

ママ自身へのケアやサポートはまだまだ行き届いていないかもしれませんが、エリアによっては一時的に子どもを預かってもらい、ママの心身をケアするサポートが行われているケースもあります。周囲の目や家族のことなど問題はあるかもしれませんが、頼れるものにはどんどん頼って、ママの疲れた心や体を少しでも回復させることも必要でしょう。

子どもの成長はこれから。多様性を認め・受け入れ、ムリしない子育てを目指そう

『いろいろな個性や特性をもっている子と過ごせるのもいいところがあるかなと感じています。投稿者さんのお子さんが通う幼稚園でも、そう思うタイプのお母さんもいると思うよ。違う幼稚園や保育園、療育園だったらいるかも。きっとどこかに、投稿者さん親子に「大丈夫だよー!」って思ってくれる人はいるから、くじけずいろいろなところに行ってみたらどうかな』

目の前の問題をひとまず解決する方法は、ママたちが話しているように公的機関や民間、医療機関の手を借りることかもしれません。疲れ果てて絶望することも多々あると思いますが、「もうムリなんです」と誰かに強く訴えかけていってください。子どもを大切に思っているからこそ、限界に達する前にこうしてアクションを起こせたのですからきっと大丈夫ですよ。

まだまだ続く長い人生、諦めなければどこかに光が見えてくるのではないでしょうか。筆者も現在高校生になる息子が発達障害を抱え、幼い頃からずっと親子で悪戦苦闘してきました。それでもなんとか生きています。いろいろ考え、試行錯誤し、ときには諦めながら。それでもなんとかやっています。

今ある特性がいい方向に向かうかもしれませんし、新たな問題が出てくる可能性もあります。年齢を重ねるごとに経験値を積み、問題行動が減っていくケースも珍しくありません。障害のある・なしに関わらず、子育ては数分先のことですらわからないものです。明日、1年後・5年後・10年後……。未来のお子さんとママのために、頑張りすぎずムリしすぎない子育てを目指しましょう。

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文・櫻宮ヨウ 編集・山内ウェンディ イラスト・猫田カヨ

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