<叱らない育児は正解?>「怪我させたのに謝らない」「靴でソファに立ってる!」…振り回されるママ
「怒る」のではなく「伝える」との“叱らない育児”は、賛否が分かれる育児方針のひとつではないでしょうか。子どもの個性を尊重するという考え方は素晴らしいものの、その結果、周囲を困らせることもあります。今回は、そんな「叱らない育児」に悩まされた3人の女性たちのエピソードをご紹介します。
エピソード1:<義姉の叱らない育児>義実家への帰省で…イジワルな姪を叱らない義姉
ハルミ(仮名)さんは、夫のリョウヤ(仮名)さんと7歳の息子ショウ(仮名)くん、1歳の娘ヒナ(仮名)ちゃんの4人家族です。年末年始は、義実家に2泊するのが恒例でしたが、義姉アヤ(仮名)さんと5歳の娘リッカ(仮名)ちゃんに悩まされていました。

アヤさんは何かあるたびに「子どもだから仕方ない」と言い訳をして、リッカちゃんをまったく叱りません。昨年の帰省では、リッカちゃんの嘘によってショウくんが「叩いた犯人」にされてしまいました。さらに、生後3か月だったヒナちゃんのベッドを蹴るという危険な行動まであったのに、アヤさんはスマホから目を上げようともしませんでした。

今年1歳になったヒナちゃんに、リッカちゃんはわざと自分の人形を見せびらかしては「貸さない」とイジワル。それなのに、ひたすらリッカちゃんの味方をする義姉にも呆れます。義両親からも「もっと大らかにしなさい」とたしなめられ、なぜかハルミさんが悪者扱いされる始末。そこで、モヤモヤしたハルミさんがとった行動とは……。
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エピソード2:<怒らない育児方針>子どもに怪我をさせても謝るどころか、叱らない!?
20代後半の優子(仮名)さんは、2歳の娘さゆ(仮名)ちゃんを育てるママです。マンションを購入して新しい生活をはじめました。そこで同じフロアに住む麗子(仮名)さんというママ友ができます。子ども同士も同い年で最初は嬉しく思っていましたが、麗子さんの“怒らない育児”に戸惑うようになりました。

キララちゃんは、さゆちゃんを押したりピクニックではお弁当に手を出したりと、やりたい放題。それでも麗子さんは「キララちゃんは他の遊びがしたくなったのね」「キララは興味が多彩なの」と穏やかに声をかけるだけで、決して叱りません。ある日、キララちゃんが公園で滑り台を登っているさゆちゃんの足を引っ張り、さゆちゃんが転倒してすり傷を負ってしまいました。それでも麗子さんは「順番は守りましょう」と言っただけ……。

優子さんは思わず「さゆはケガしてるんだよ。他に言うことあるでしょう?」娘を抱きしめながら、その場を後にしたのです。優子さんは夫にこのことを話すと、夫は激怒。翌日、家族全員で麗子さんの自宅に話をつけに行くことを決めました。
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エピソード3:<靴のままソファに立ってる!>叱らない同級生にモヤモヤ
32歳のユカ(仮名)さんは、学生時代の友人ミスズ(仮名)さんから久しぶりにランチに誘われました。少しお高めのファミレスで会ったふたり。ユカさんは子どもたちを夫に預けましたが、ミスズさんは3歳の息子ユイト(仮名)くんを連れてきました。話が盛り上がっているうちに、ユイトくんが飽きてきて、なんと靴のままソファにのってしまったのです。

ユカさんが「靴のままはちょっと……」とやんわり注意しても、ミスズさんは「子どもなんだからいいじゃない」と笑って受け流しました。むしろユカさんが細かいことを言う人のように見られた気がして、気まずい空気が流れます。

他のママ友ができてもこんな態度なら、きっとミスズさん親子は浮いてしまう。「友人だからこそ、伝えるべきことは伝えよう」、そう決意したユカさんは、ミスズさんに丁寧に話をすることにしました。ユカさんなりの思いやりだったのですが、それを聞いたミスズさんの反応は意外なものでした。
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叱らないことの代償
育児に正解はありません。けれど、“叱らない”という選択が、ときに子どもに「していいこと」と「してはいけないこと」をあいまいにしてしまうことがあります。今回の3人の女性たちは、それぞれの立場で「叱らないことの代償」を実感しました。愛情と放任の境界はとても薄いものです。だからこそ、子どもが誰かを傷つけてしまったときには、しっかりと向き合い、伝えることが本当の優しさなのかもしれません。
文・岡さきの 編集・編集部
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