<アタリの家を選ぶコツ>住宅を買いたい!失敗しないために確認することは?
生活の拠点となる住宅は、誰にとっても大切なもの。でも値段が値段だけに、購入する際にはかなり慎重になりますよね。「失敗はしたくない」と、そう考えているママたちも多いのではないでしょうか。普段の買い物とは金額的にも感覚的にも全く異なる住宅購入において、特に注意して見ておきたいポイントは何でしょう。それらを住宅のプロでもある株式会社コスモスイニシア 流通事業部長 岸本泰明さん(以下、岸本さん)に、お聞きしていきます。岸本さんは宅地建物取引士・一級建築士・1級建築施工管理技士の資格を保有し、新築マンション・リノベーションマンションの販売・建築監理・商品企画に携わった経験をお持ちです。2人のお子さんがいるパパでもあり、子どもがいる家庭目線でのアドバイスもいただきました。
住宅の周囲の環境が最も重要に
――子育て世代が住宅購入を検討することも多いと思います。戸建てやマンションなどがありますが、最初に「ここはしっかりと押さえてほしい」というポイントを教えていただけますでしょうか。
岸本さん:私自身は上の子が生まれる直前にマンションを購入し、2軒目を下の子が生まれた直後に購入しています。その経験を含めると、住宅の周囲の環境や行政サービスなどは必ず確認しておくことはお伝えしたいです。家のなかは気に入ったものを買っていただければいいと思いますが、周りの環境や行政サービスは変えることはできないので。例えば公園や病院、役所、幼稚園や保育園、学校などは利用する機会が多いので場所の確認だけではなく、交通の便も確認しておきたいですね。スーパーやドラッグストアなど、日常的に利用するお店も同じです。仕事帰りにお子さんを保育園に迎えに行った後でも買い物がしやすいのか、安全面に問題はないのかなど生活スタイルを想像して、それに合うかを念頭に置いて住宅を選ぶのがいいかなと思います。私は商店街のある街が好きで、そのような地域を選んで住宅を購入しました。物件も重要ですが、その街の雰囲気や、そこでどういう暮らしをしたいのかを考えるようにしていますよ。
――先ほど行政サービスについても少し触れられていましたが、どのような行政サービスを見ておくとよいですか?
岸本さん:子どもの教育に関わる部分ですね。保育園や学校の場所や数です。それに子どもに対する支援制度は、自治体によっても異なります。例えば子どもの医療費負担の違いや保育園の待機児童の数の違いなどもありますから、役所のホームページなどで確認しておきたいですね。他の方法としてはネットでの情報もそうですが、もしその地域に住んでいる知人がいれば直接聞くのが早いです。しかも実際に経験していることなので、ネット上にはないような話を聞けることもありますよ。
駅に近い方が住みやすい?
――物件を選ぶ際、「駅近がいい」と聞くこともありますが、やはり駅に近い方がいいのでしょうか?
岸本さん:働き方によると思います。ご夫婦共に働いていて、家事や子育ても分担をするという家庭も増えていますから、その場合には駅から保育園や幼稚園が近いと便利ですね。もしくは家から園に寄って駅に行くルートができていることは、毎日の生活を考えると大きなポイントになってくるでしょう。
――都心部では駅が物件選びの1つのカギになってきそうですが、都心部以外の地方ではどうでしょうか?
岸本さん:地方の場合は車を使うことが多くなるので、車での移動ルートの確認ですね。多くの人が車で出勤する朝は渋滞が起きることもありますし、小学生や中学生などの通学時間帯と重なると、車が通れなくなる道があるかもしれません。また日常的に利用するお店に駐車場があるかどうかも、確認しておいた方がいいでしょう。他に自転車でお子さんを園まで送る場合にも、道の混雑状況や、どの程度整備されているのかなども見ておきたいポイントです。
編集後記
住宅は「人生のなかで最も高い買い物」と言われることもありますから、実際の購入までには確認しておきたいポイントもたくさんあるようです。特に一度購入して住んでしまうと、すぐに再購入して引越をすることは大きな負担になりますから、周囲の環境や行政サービスなど変えることができないことは重要なチェックポイントになりますね。
文・川崎さちえ 編集・ここのえ イラスト・金のヒヨコ