【QuizKnockふくらP&山本祥彰・第2回】不登校に中学受験。子ども本人の気持ちは?
前回からの続き。
東大クイズ王・伊沢拓司さんが中心となって運営されている「QuizKnock(クイズノック)」。ママスタセレクトでは、QuizKnockのメンバーである、ふくらPさんと山本祥彰さんにインタビューを行いました。
ふくらPさんは、小学5年生のときに一時期不登校になった経験があるといいます。同じくメンバーの山本祥彰さんは、中学受験をするかどうかで迷ったそうです。お二人はそれぞれの節目で、どのような決断をされたのでしょうか?
小学5年生で不登校、きっかけは?
──ふくらPさんは、小学校のとき、不登校を経験されたそうですね。
ふくらPさん:小学5年生のときに学校に行かなかった時期があります。きっかけは、あるとき急に、周りの目が気になったことです。その時は風邪で3日間学校を休んでいて、治って久しぶりに行こうというときでした。ところが3日も休んだから、逆に学校に行くのが恥ずかしく感じてしまったんです。毎日その繰り返しで、いつの間にか行かなくなりました。
──そうだったのですね。自宅にいる間、どうしていましたか?
ふくらPさん:親からは「通信教材をする?」と聞かれたものの、結局何もしませんでした。親も、最初の頃は「学校に行こう」と言っていたけど、だんだん僕が自宅にいるのが当たり前みたいな感じで受け入れてくれました。
──親御さんも受け入れられて……。その後は、登校できるようになったのですか?
ふくらPさん:母親から「まずは保健室登校をしてみない?」と言われ、クラスの子が授業をやっていて絶対に会わない時間に学校に行くようになりました。その後クラスの子1人が保健室に給食を運んでくれ、「みんな待っているから、少しだけ教室に行かない?」と声をかけてくれました。それから徐々に教室に行き、数名と話すようになり、以前のように登校できるようになりました。
中学受験を勧められるも友達と別れたくない
──山本さんの小学校時代のお話をおうかがいしていいでしょうか?
山本祥彰さん(以下、山本さん):僕は、小学校に上がる前から公文に通っていました。小学生になった姉が算数の問題を解くのを見て、姉に負けたくない、自分もできるようにしたいと思ったのがきっかけです。
自分の中で「学校のテストでいい点を取ることが正義」と思って勉強を頑張っていました。ですが、だんだんと学校の勉強以外にも興味のあることを調べるようになって、そうではないことがわかったんです。今思うと、調べることを通して勉強が好きになり、かなり基礎知識がついたのでよかったと思います。
──となると、中学受験はされましたか?
山本さん:いえ、学校の先生から中学受験を勧められましたが、結局しませんでした。僕はクラスの子たちと仲良しで、みんなと同じ中学に行きたかったんです。友達関係を失ってまで勉強する意味はあるのかなと思い、やめました。今振り返ってみて、みんなと同じ中学に行けてよかったと思います。
学校の勉強はつまらなかった?
──お二人とも小学生時代から勉強がよくできたと思いますが、学校の勉強はつまらなかったのでしょうか?
山本さん:算数については、学校で習うこと自体は全部知っていたので、退屈だなと思うことは正直ありました。でも、先生がプリント問題など課題をたくさん出してくれたので、それをやっていました。
ふくらPさん:僕も退屈だなというのは、思っていましたね。特に計算ドリルは、同じような問題を解かされるから嫌でした。ただ、「早く解けたね」と褒められると、つい嬉しくなってさらに頑張っていました(笑)。
不登校の時期の不得意科目はいまだに苦手意識あり
──ふくらPさんは、塾には通っていたのでしょうか?
ふくらPさん:何回か行ったことはあります。しかし塾の先生が筆算の問題を解くときに「ちゃんと+や-、=の記号を書いて」と言っていたんですよね、僕としては、記号を書いたところで本質的なことは変わらないし、むしろ計算のたびに記号を書くと1秒遅くなると思って、本当に嫌だったんです。それで塾に行かなくなりました。ただ、まったく行かなくなったわけではなく、塾の先生と母親との取り決めで、僕が塾に行きたいと思って行った日だけお金を払う、ということになりました。
算数などの得意科目はそんな感じでしたが、社会などは得意じゃなかったですね。特に不登校だった小学5年生で習った社会には、今も苦手意識があります。
<編集後記>
やはりというか、勉強は得意だったお二人。その一方で、不登校からの復帰や中学受験をするかどうかなど、自分の思いを大事にしながら大きな決断をされてきたようです。勉強だけではない周りの人のサポートも参考になりますね。
次回は、お二人が後悔していることや、クイズ王に憧れる子どもたちへのアドバイスをご紹介します。
取材・編集部 文・長瀬由利子