プロバスケットボール・河村勇輝選手「子どもたちに努力をすれば勝てると思ってもらいたい」【第4回】
前回からの続き。
「どうせ背が低いから」「全然上手じゃないし」「すぐ泣きたくなる」。スポーツをする子どもたちの成長は、まだまだこれから。うまくできなかったときには、悩むこともありますよね。そういうときに、憧れのプロアスリートのプレーや言動を見れば、子どもたちが悩み解決のヒントを得られることもあります。
プロバスケットボールリーグ （Bリーグ）横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝選手（以下、河村選手）にママスタセレクトのママたちがインタビュー。子どもたちの憧れでもある河村選手の「今」と「これから」について伺いました。
プロアスリートが抱く子どもたちへの思い
――子どもたちにご自身のどんなところを見てほしいですか？
河村選手：バスケットボールの選手には身長が高かったり、体格がよかったり、身体的に恵まれた選手がたくさんいます。自分は小柄で体格的には恵まれてはいませんが、それでもちゃんと自分の強みを理解しています。「目標を立て、練習をやっていれば、どんな苦しい状況でも戦える！」子どもたちにはそこを見てほしいです。
――河村選手には、実際に子どもたちにもファンが大勢います。小柄な子どもたちにも、「希望を与え続けている」ということではないでしょうか。
河村選手：そう思ってくれたら本望ですね。小学5年生のとき、父と広島まで高校生の全国大会に観戦しに行ったんです。そのとき背が高くて体格のいい選手が活躍する姿を目の当たりにして、将来自分がバスケットボール選手として活躍するイメージがわかなくて……。そのような経験があるので、小柄な子どもたちが自分のプレーを見て、希望を持ってくれたらうれしいなと思います。
――未来のバスケットボール界を担う子どもたちには、どうあってほしいですか？
河村選手：とにかく逆境に負けずに挑戦する子どもたちが増えてほしいですね。「自分は体格や才能に恵まれていない」と思っている子どもたちも、自分のプレーを見て「努力すれば勝てる、だからがんばろう」と思ってもらえたらいいなと思います。
どんな世界でも、「決めたことをやり続ける」という基本が大事
――ママや子どもたちへのメッセージをお願いいたします。
河村選手：自分が一番大事にしているのは、自分で決めたことをやり続けること。その大切さは身にしみて感じているので、小さなことでもやり続けてほしいですね。いつ花が咲くかはわからないですけれど、やり続けた先に必ず花は咲くので、自分を信じて続けてください。それは、バスケットボールに限らず、すべてに共通していることなので、ぜひ意識してほしいです。
――最後に、河村選手の今後の目標を教えてください。
河村選手：チームの大きな目標としては、Bリーグの年間優勝チームを決める「チャンピオンシップ」に出場し、チームを勝利に導くことです。まずはそこに向けてがんばります。個人の目標としては2024年のパリオリンピックへの出場です。そのためには、2023年夏に開催されるワールドカップで結果を残さなければいけません。日本代表として、大きな大会で結果を残し、日本のバスケットボールを盛り上げていきたいと思います。
今年のワールドカップは日本 でも開催されるので、バスケットボールのおもしろさを多くの人に知ってもらう絶好のチャンスです。みなさんもぜひ楽しんでください。
（編集後記）
今回のインタビューの実施は3月下旬、その後5月に入り、目標に掲げていた「チャンピオンシップ出場」が決まったとママスタセレクト編集部に報告がありました。インタビュー時に子どもの前で約束してくださった目標、有言実行されたのです。そんなますます輝きを増す河村選手が毎日努力を続けられたのは、ご両親が子どもの“好き”を理解し、とことん追求できるよう環境を整えてくれたことが大きいのではないでしょうか。子どもの好きを伸ばすために、親ができるサポートはなにか。その答えは、意外と身近にあるのかもしれませんね。
取材・北川麻耶 文・安藤永遠 編集・荻野実紀子
＜ワールドカップ開催！＞
8月25日から9月10日の間、フィリピン、日本（沖縄アリーナ）、インドネシアでFIBAバスケットボールワールドカップ2023が開催予定。予選を勝ち抜いた32カ国が優勝目指して集う。